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第四章:風岡夏純――②
風岡夏純――②
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電波が届いていたことに感謝しつつ、わたしはすがりつく思いでスマホを強く握り締める。
相手が声をかけてくる一瞬の時間すらももどかしく感じ、わたしは即座に話を切り出した。
「もしもし、助けてください! わたしたち、変な黒い化物に襲われてて、友達も殺されて、おかしなことに――!」
言わなければならない事柄を、支離滅裂にならないよう必死に頭で整理しようとするも、焦りが優先されなかなかうまくいかない。
「このままじゃ、わたしたちも殺されちゃうんです! 今すぐに助けに来てください、植染町の山神地区です、山の中にいます!」
不安と恐怖心に押し潰されそうになりながら、どうにか置かれている状況を伝えようと口を動かしていたが、
「……………………」
「――? あ、あの、こっちの声、聞こえてますよね?」
話し相手の反応がおかしいことに気づき、わたしは戸惑いながらスマホを押し付けた耳に意識を集中させ次の言葉を待った。
「……………………」
相手が声をかけてくる一瞬の時間すらももどかしく感じ、わたしは即座に話を切り出した。
「もしもし、助けてください! わたしたち、変な黒い化物に襲われてて、友達も殺されて、おかしなことに――!」
言わなければならない事柄を、支離滅裂にならないよう必死に頭で整理しようとするも、焦りが優先されなかなかうまくいかない。
「このままじゃ、わたしたちも殺されちゃうんです! 今すぐに助けに来てください、植染町の山神地区です、山の中にいます!」
不安と恐怖心に押し潰されそうになりながら、どうにか置かれている状況を伝えようと口を動かしていたが、
「……………………」
「――? あ、あの、こっちの声、聞こえてますよね?」
話し相手の反応がおかしいことに気づき、わたしは戸惑いながらスマホを押し付けた耳に意識を集中させ次の言葉を待った。
「……………………」
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