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第三章:風岡夏純――①
風岡夏純――①
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「つまんないなぁ……」
こんな財布の中身じゃ、もうまともな服の一着すら買えやしない。
机の奥で埃を被るデジタル時計は、深夜の一時になろうとしている。
空虚さに浸っているうちに日付が変わり、気づけば土曜になっていた。
どうせ学校はないから寝坊を気にする必要はないけれど、眼孔の奥からせり上がってくるような眠気に欠伸を促され、愛は放るように財布を置くとのそりとした動きで立ち上がった。
残ったお茶を一気に飲み干し、部屋の電気を消してベッドに潜る。
暗くなった室内の天井をぼんやりと見ながら、愛は夏純たちとの会話を思い返した。
真美が死に、その妹と角田が消えたという、今起きているちょっとした事件。
これが今後大事になるのか、案外あっさりと収束して肩透かしをくらうことになるのかは全然わからない。
だけどもし本当に、自分たちがしてきたことが周囲にばれたら。
(どうなるんだろ……)
こんな財布の中身じゃ、もうまともな服の一着すら買えやしない。
机の奥で埃を被るデジタル時計は、深夜の一時になろうとしている。
空虚さに浸っているうちに日付が変わり、気づけば土曜になっていた。
どうせ学校はないから寝坊を気にする必要はないけれど、眼孔の奥からせり上がってくるような眠気に欠伸を促され、愛は放るように財布を置くとのそりとした動きで立ち上がった。
残ったお茶を一気に飲み干し、部屋の電気を消してベッドに潜る。
暗くなった室内の天井をぼんやりと見ながら、愛は夏純たちとの会話を思い返した。
真美が死に、その妹と角田が消えたという、今起きているちょっとした事件。
これが今後大事になるのか、案外あっさりと収束して肩透かしをくらうことになるのかは全然わからない。
だけどもし本当に、自分たちがしてきたことが周囲にばれたら。
(どうなるんだろ……)
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