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第三章:風岡夏純――①
風岡夏純――①
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新仲 晴樹のスマホへ電話がかかってきたのは、彼がちょうどコンビニに出かけようかと考えていたときだった。
時刻は九時四十二分。
画面に表示された相手の名前は、交際相手である箱沢 茜。
「もしもし、どうしたの?」
彼女がこの時間帯に電話をしてくることは特に珍しいことでもなんでもないため、新仲は浮かしかけていた腰を再び下ろすと鳴り続けるスマホの画面をタッチして通話に出た。
「ああ、晴樹。良かった、出てくれて……」
「ん?」
妙に安心したような彼女の声に、新仲は電話越しに首を傾げる。
いつも冷静な茜にしては、こういう風に感情を表に出して話してくるというのはなかなか珍しい。
「今、ちょっとおかしなことがあって……。あれ、何だったのかしら」
まるで大金の入った財布を落としたことに気づいた直後のような、混乱と戸惑いを滲ませる茜の声に晴樹は、
「落ち着きなよ」
と優しく声をかけた。
新仲 晴樹のスマホへ電話がかかってきたのは、彼がちょうどコンビニに出かけようかと考えていたときだった。
時刻は九時四十二分。
画面に表示された相手の名前は、交際相手である箱沢 茜。
「もしもし、どうしたの?」
彼女がこの時間帯に電話をしてくることは特に珍しいことでもなんでもないため、新仲は浮かしかけていた腰を再び下ろすと鳴り続けるスマホの画面をタッチして通話に出た。
「ああ、晴樹。良かった、出てくれて……」
「ん?」
妙に安心したような彼女の声に、新仲は電話越しに首を傾げる。
いつも冷静な茜にしては、こういう風に感情を表に出して話してくるというのはなかなか珍しい。
「今、ちょっとおかしなことがあって……。あれ、何だったのかしら」
まるで大金の入った財布を落としたことに気づいた直後のような、混乱と戸惑いを滲ませる茜の声に晴樹は、
「落ち着きなよ」
と優しく声をかけた。
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