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第二章:秋本夢美――②
秋本夢美――②
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(何、今の……)
闇の中で別の闇が動いた。
この表現が一番しっくりくるかもしれない。
目を凝らした先の闇の中、またグニャリと気配が動き――。
「――ひっ!?」
それは突然噴き出すようにしてあたしの身体へまとわりついてきた。
咄嗟のことに、腕を上げて防御するような姿勢をとるも、その目の前に掲げたはずの自分の腕が全く“見えなく”なっていることに気がつき思考が停止する。
手にしているスマホの光だけが無機質な明かりを提供し、その放出されている光の中で。
「…………あ?」
噴き出してきた闇に包まれたあたしの身体が、何もかも真っ黒に染まっていることを認識した。
腕も、足も炭みたいに黒い。
「あ……あ……」
氷で密閉されたかのような冷たさが、全身に浸透してくる。
己の身に起きている事態が飲み込めず呆然とする中、視界さえも黒く塗り潰されライトの光も灰色に霞んで消えていく。
闇の中で別の闇が動いた。
この表現が一番しっくりくるかもしれない。
目を凝らした先の闇の中、またグニャリと気配が動き――。
「――ひっ!?」
それは突然噴き出すようにしてあたしの身体へまとわりついてきた。
咄嗟のことに、腕を上げて防御するような姿勢をとるも、その目の前に掲げたはずの自分の腕が全く“見えなく”なっていることに気がつき思考が停止する。
手にしているスマホの光だけが無機質な明かりを提供し、その放出されている光の中で。
「…………あ?」
噴き出してきた闇に包まれたあたしの身体が、何もかも真っ黒に染まっていることを認識した。
腕も、足も炭みたいに黒い。
「あ……あ……」
氷で密閉されたかのような冷たさが、全身に浸透してくる。
己の身に起きている事態が飲み込めず呆然とする中、視界さえも黒く塗り潰されライトの光も灰色に霞んで消えていく。
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