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第二章:秋本夢美――②
秋本夢美――②
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これ以上詮索される前にと、無理矢理会話を終わらせる。
普通に考えれば、疑われることは当たり前だなと思う。
こんな常識ではあり得ないような場所へ連れて来られ、待っている人がいるなんて言われても馬鹿正直にはいそうですかと納得する人間はそうそういないだろう。
角田 貴秀のように、今後の人生全てを崩壊させてしまいかねない秘密を握られ、それをネタに言いなりにさせるくらいのことをして、ギリギリ通じるかの手段だ。
風穴の狭い通路に、二人分の足音が反響する。
「暗いので、足元には気をつけてください」
「……」
ついてくる足音から返事はないけれど、気にせずに前進する。
(もう少し。あとちょっとで……)
気持ちが急くのをぐっと堪え、平常心を維持する。
手にしたスマホの光を頼りに黙々と進み、やっとあの古ぼけた祠が鎮座する場所まで辿り着いた。
「……着いたのか?」
普通に考えれば、疑われることは当たり前だなと思う。
こんな常識ではあり得ないような場所へ連れて来られ、待っている人がいるなんて言われても馬鹿正直にはいそうですかと納得する人間はそうそういないだろう。
角田 貴秀のように、今後の人生全てを崩壊させてしまいかねない秘密を握られ、それをネタに言いなりにさせるくらいのことをして、ギリギリ通じるかの手段だ。
風穴の狭い通路に、二人分の足音が反響する。
「暗いので、足元には気をつけてください」
「……」
ついてくる足音から返事はないけれど、気にせずに前進する。
(もう少し。あとちょっとで……)
気持ちが急くのをぐっと堪え、平常心を維持する。
手にしたスマホの光を頼りに黙々と進み、やっとあの古ぼけた祠が鎮座する場所まで辿り着いた。
「……着いたのか?」
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