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第二章:秋本夢美――②
秋本夢美――②
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六月二十七日、月曜日。
梅雨の小雨が朝から降り続いたこの日、あたしは復讐のための第一手を打つ覚悟を決めた。
お昼で学校を早退する予定のため、わざとマスクを着用しホームルームからずっと体調が悪い演技をして先生たちを騙し続けた。
「夢美、風邪ひいたの?」
休み時間の度に心配そうに紗由里が寄って来たことには少し申し訳ないなと思ったけれど、仮病だと暴露するわけにもいかず適当に頷きを返したりしてごまかした。
そして、昼休み。
「紗由里、悪いけど、あたし今日は早退する。今から先生に言って帰らせてもらうよ」
あたしの前で気遣うような視線をよこし続ける紗由里がお弁当を食べ終えるのを待って――もちろん、自分は食事抜きだ――、あたしは気怠そうに席を立った。
「え? あぁ……うん。その方が良いかもね。酷いようなら病院行っといた方が良いよ? 職員室まで付き添ってあげようか?」
六月二十七日、月曜日。
梅雨の小雨が朝から降り続いたこの日、あたしは復讐のための第一手を打つ覚悟を決めた。
お昼で学校を早退する予定のため、わざとマスクを着用しホームルームからずっと体調が悪い演技をして先生たちを騙し続けた。
「夢美、風邪ひいたの?」
休み時間の度に心配そうに紗由里が寄って来たことには少し申し訳ないなと思ったけれど、仮病だと暴露するわけにもいかず適当に頷きを返したりしてごまかした。
そして、昼休み。
「紗由里、悪いけど、あたし今日は早退する。今から先生に言って帰らせてもらうよ」
あたしの前で気遣うような視線をよこし続ける紗由里がお弁当を食べ終えるのを待って――もちろん、自分は食事抜きだ――、あたしは気怠そうに席を立った。
「え? あぁ……うん。その方が良いかもね。酷いようなら病院行っといた方が良いよ? 職員室まで付き添ってあげようか?」
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