病み憑き

雪鳴月彦

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第二章:秋本夢美――②

秋本夢美――②

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 それは暗い空間に反響し、ゆっくりフェードアウトして消えていく。

(水……? どこかから染み出してるのかな?)

 音がした方向へ見当をつけ、明かりを向ける。

「あれ、まだ奥がある……」

 祠に気を取られ過ぎて気づかなかったけれど、その後ろにまだ先へと伸びる通路が続いていた。

 これ以上先に、まだ何かあると言うのか。

 ゴクリと喉を鳴らし、肺に溜まった空気を吐き出す。

 祠に触れぬよう注意しながら横を通り、あたしは更に道を進んだ。

(……?)

 距離にして、大体五十メートルくらい。

 狭い道を歩いていると、すぐに開けた場所が現れた。

 通路から見た感じでは、広がる闇が濃すぎて特に何もないように思える。

 いったい何を目的としてできた空間なのかと考えながら歩を進め、ふと足元へ視線を下げた瞬間――。

「――ひっ!?」

 あたしは、反射的に身体をのけ反らせ動きを止めた。

「な……何よこれ……。危なかった……」
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