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第一章:秋本夢美――①
秋本夢美――①
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煙草を咥えて歩く大柄の男は、岩沼と呼ばれた。
とすれば、彼が岩沼 竜次だ。昼間教室で見かけた記憶がないため、あのときはいなかったのだろう。
「ねぇ、ちょっと寄ってこうよ」
夏純と呼ばれていた女子が、前方にあるカフェを指差した。
「マジか。今金欠だから、奢らねぇぞ?」
「えー? ケチくさい」
嫌そうに告げる角田へ、発した言葉とは裏腹に甘えたような声音で夏純が擦り寄る。
雰囲気からして、あの二人は恋人同士にでもあるんだろうか。
お互いのやり取りを眺めている限りでは、それなりに深い関係にあると推測することもできるのだが。
上機嫌な声をあげながら六人が店の中へ入っていくのを見届け、あたしも少し間を空けてから中へ足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ」
笑顔で迎える店員へメニューの中から適当に目についたバナナ味のラッシーだけを注文して、ざっと店内を見回す。
とすれば、彼が岩沼 竜次だ。昼間教室で見かけた記憶がないため、あのときはいなかったのだろう。
「ねぇ、ちょっと寄ってこうよ」
夏純と呼ばれていた女子が、前方にあるカフェを指差した。
「マジか。今金欠だから、奢らねぇぞ?」
「えー? ケチくさい」
嫌そうに告げる角田へ、発した言葉とは裏腹に甘えたような声音で夏純が擦り寄る。
雰囲気からして、あの二人は恋人同士にでもあるんだろうか。
お互いのやり取りを眺めている限りでは、それなりに深い関係にあると推測することもできるのだが。
上機嫌な声をあげながら六人が店の中へ入っていくのを見届け、あたしも少し間を空けてから中へ足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ」
笑顔で迎える店員へメニューの中から適当に目についたバナナ味のラッシーだけを注文して、ざっと店内を見回す。
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