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第一章:秋本夢美――①
秋本夢美――①
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誰か、お姉ちゃんを自殺にまで追い詰めた犯人が嘘をついて紛れ込んでるんじゃないかって、そう思えて……」
そこで、あたしは言葉を切った。
そこから暫くの時間、重い沈黙が見えない綿雪のように降り積もる。
階下から聞こえてくる生徒たちの笑い声がまるでラジオの音みたいに耳へ届き、近いのに遠い存在であるかのように感じられた。
場の空気に耐えられなくなりはじめ、うなじの辺りがソワソワし始めた頃。
先輩が、無理に喉を震わせるようにして呟きを漏らしてきた。
「おれは、当事者じゃないから一から十全てを把握してるわけじゃないし、誤認してる部分もあるかもしれないけど」
前置きするようなその一言を皮切りに、先輩は誰も上がってくる気配のない階段を見下ろしながら話し出す。
「アンケート結果の何もないってのは、きみの言うように嘘で間違いないと思うよ。秋本さん、影で角田たちに何かしらの嫌がらせを受けてたのは知ってるし。
そこで、あたしは言葉を切った。
そこから暫くの時間、重い沈黙が見えない綿雪のように降り積もる。
階下から聞こえてくる生徒たちの笑い声がまるでラジオの音みたいに耳へ届き、近いのに遠い存在であるかのように感じられた。
場の空気に耐えられなくなりはじめ、うなじの辺りがソワソワし始めた頃。
先輩が、無理に喉を震わせるようにして呟きを漏らしてきた。
「おれは、当事者じゃないから一から十全てを把握してるわけじゃないし、誤認してる部分もあるかもしれないけど」
前置きするようなその一言を皮切りに、先輩は誰も上がってくる気配のない階段を見下ろしながら話し出す。
「アンケート結果の何もないってのは、きみの言うように嘘で間違いないと思うよ。秋本さん、影で角田たちに何かしらの嫌がらせを受けてたのは知ってるし。
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