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第一章:秋本夢美――①
秋本夢美――①
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「…………とりあえず、ちょっと場所変えようか。ここじゃ色々まずいから」
声をひそめるように告げ、先輩は階段の方を指差す。
それに従うようにして付いていくと、三階を通り過ぎ屋上へ出るためのドアの前まで移動させられた。
学校の規則として、普段屋上へ出ることは許可されていない。
現に今も先輩が確かめるようにドアノブを回してみたけど、ガチャガチャと金属音が鳴るだけで先へ進むことはできないようだった。
とは言え、先輩もそれは承知していたのだろう。
さして気にする風でもなく手を離すと、くるりと身体の向きを変えあたしと対峙してきた。
「……さて、具体的な用件は何?」
「……」
屋上の立ち入りは禁止でも、階段の掃除は毎日誰かがやらされているのだろう。
話の切り出し方を考えるために足元へ落とした視線の先は、人の往来がない場所にも関わらず全然埃が積もっていなかった。
声をひそめるように告げ、先輩は階段の方を指差す。
それに従うようにして付いていくと、三階を通り過ぎ屋上へ出るためのドアの前まで移動させられた。
学校の規則として、普段屋上へ出ることは許可されていない。
現に今も先輩が確かめるようにドアノブを回してみたけど、ガチャガチャと金属音が鳴るだけで先へ進むことはできないようだった。
とは言え、先輩もそれは承知していたのだろう。
さして気にする風でもなく手を離すと、くるりと身体の向きを変えあたしと対峙してきた。
「……さて、具体的な用件は何?」
「……」
屋上の立ち入りは禁止でも、階段の掃除は毎日誰かがやらされているのだろう。
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