孤独な王女

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見上げた空は・下章

暗迷②

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「そう……」

 リエンは抑揚のない声で呟いた。一人の伝令と入れ違いで駆け込んできて、用件の冒頭のみしか口上できていない伝令兵は思わずリエンの表情を跪いたまま伺い、仔細に報告すべき舌を凍りつかせた。

「……やってくれる」

 寝不足で青白い顔がますます蒼白に、隈のできた目はぎらぎらと光り、声は低く地を割るような重みを持ち、リエンは伝令を改めて見下ろした。続きを、と促され、伝令は必死に呂律を回した。

「レーヴ・アルビオンの現況は、依然として不明です。ただ方角が気にかかると、シモン大公閣下が」
「お前がその目で行き先を確認したのか?」
「は、はい。そのため陛下へこうして奏上するようにと拝命しました」

 詳しく発見した地点などを聞き、地図で実際に伝令に指差させたリエンは、ゆっくりと目を閉じ、息を吐いた。……この可能性を考えなかったわけではない。だが、本音を言うなら、除外したかった。沸々とまた胃の奥から憎悪をも越える憤怒がせり上がっている。レーヴやアルビオンに今さら情けをかけたいわけではないが、それでも、怒りだけで暴れまわりたくはなかった。ただでさえ感情に突き動かされての失敗が、リエンには多いのに。

「……レズウェルドも命じただろうが、私もお前にはこの件の口外を禁じる。いいな」
「はい!」
「よく、すぐに報せにきてくれた。レズウェルドにも伝えてくれ。もう下がっていい」
「もったいないお言葉です。それでは、失礼いたします」

 リエンは部屋を去っていった伝令を見送り、扉が閉ざされて一人きりに戻ると同時に開かれた地図にまた目をやった。今はレズヴェルドがアルダとの戦線に責任者として立っている。その地点から敵の動きを探るために斥候を出しただけで、まさかレーヴの行方が判明するとは考えもしなかっただろう。あっさり見つかるレーヴもレーヴだ。これまで雲隠れしておいて、しかも国外に出るなら随分のろい旅足だ。……これ見よがしに老人ぶっている様が脳裏に浮かんで、ぐしゃ、と髪を掴んで引っ張った。

(寝よう)

 寝てでも切り替えないと、これはまずい。幸い、寝られる理由はできた。まさか二件も伝令が駆け込んでくるとは思っていなかったが、一件目はユゥとイオンの帰還という喜ばしい報告だったのだ。直後に二件目で安堵は焼き殺されたが。……そうだ、ユゥたちのことを考えよう。どうやらこの短時間で国王の親書をもぎ取るとは考えていなかったが、どんな手を使ったのやら。そして、本当に危ない目には遭わなかったのか。
 ユゥともガルダとも、ユゥたちの帰還した場合の指示も大雑把に打ち合わせていたし、即位してから貴族たちには更に詳しく命令を出している。いちいち今からリエンがああしろと言わなくても、ウェルベルの息子とノクタム伯爵が、ユゥたちとの入れ代わりに神聖王国に入国しているのも報告で聞いた。ガルダの率いる遊撃隊の半分をその護衛に、という命令の通りにもしたと。
 ……まだ、新たな血を流させずに済んでいる。
 そして、これから確実に血が流れることが確定してしまった。

(せめて、ガルダとユゥにばれないくらいの顔色には、戻しておかないと)

 帰ってきた二人に余計な心配をさせないように。これからの不眠に耐えうるために、今のうちに、寝ておかないと。

「リィ?さすがに疲れちゃった?」

 するりと入室してきたレナにごめんと夜食の誘いを断った。レナは残念がるそぶりもなくそっか、と笑って、執務室の端に徹夜しまくる女王のためにやむなく設置された、衝立と仮眠用の長椅子へとリエンの手を引いてくれた。この長椅子、リエンには一度も使った覚えがないが、タバサが毎日長椅子の掛け布を取り換えて、毛布も枕も手入れをしてくれている。レナが夜食の代わりに出したのはタバサから預かったという匂袋だった。外側の布には淡い色の小花模様が散っていて、中からはほんのり甘くて、とろりとした蜜のような香りがする。若干残っている青臭さはわざとか偶然か、一瞬考えてどうでもよくなった。あの草原の夏の匂いを思い出した。
 レナは、タバサが気に入ったならお知らせくださいと言付けしていた、と付け加えて、リエンの顔を覗き込むようにして柔らかく笑った。

「何の植物か、ぼくにはわからないけど。いい匂いだね」
「……そうね」

 誰にも触れていないのに、匂袋を持った手から心まで暖まっていくようだった。じわりじわりと眠気が込み上げてきて、まぶたを擦った。

「じゃ、たっぷり寝てね。ずっとお疲れ様」
「……待って、何かまた報せがきたら起こしてくれる?あとそれでなくても、三時間後には起きたい」
「わかった、じゃあそうするね。あ、ぼくのことは心配いらないから。リィが起きたら寝るよ」
「ごめんね。無理させて」
「リィが頼ってくれるだけで嬉しいから、気にしないで。ね、おやすみなさい」
「おやすみ……」

 髪をほどき、靴を脱いで長椅子に横たわり、毛布を被って、枕に頭を載せて、匂袋を顔の横に置いて、もぞもぞと毛布を肩まで持ち上げた。レナが「髪が床についてるよ」と苦笑していたけれど、もうリエンは半分以上意識が眠っていた。返事もできないまま、本格的に眠りの底にスコンと墜ちた。

「……わあ、一瞬だった」

 レナはリエンの寝落ちにはさすがに目を丸くした。まああれだけ徹夜しておけばこうなってもおかしくはないが、この様子だと、さっきの報せの少なくとも一つはユゥたちのことだったのだろう。よっぽど安心できる報告だったらしい。ユゥとイオンは無事で、きっとガルダが神聖王国に攻め入る必要もなくなった。

「よかったねえ……」

 レナはへにゃんと笑った。
 リエンの額に口付けを。髪をさらりと撫で、緩く編んで毛布の上にそっと置く。
 執務室を出て、護衛の二人にぺこりとお辞儀した。

「リィは眠っちゃったから、タバサに伝言してくれる?」

 近衛の二人が目を丸くしたのでレナはやっぱりそうなるよねと無言で頷きながら、「三時間経つか新しいお使いが来たら起こしにくるね」と付け足した。二人ともあっさり了承したので、本来部外者のレナは、リエンがこれまで長年に渡り披露してきた偏屈さを思いやった。それに加えて、リエンが初めて選んだ二人の味方がリエンの側にいない状況に、相当気を揉んでいるのだろう。だからレナへの目が厳しくならないし、リエンが許す限りの勝手をしでかすレナを咎めもしない。笑み崩れながら廊下を歩き始めた。手に夜食の入ったままの編みかごをぶら下げて。

「食べ損なった夜食は、せっかくだし、王子さんと食べようかな」

 夜はもう明けたけれど、本当に一日が始まるのは、リエンが目を覚ましてからだ。
 リエンが動く。お城が動く。そうして国が動く。
 即位からわずか十日あまりで、リエンはそうなるように掌握していった。

 ――動く。

「ゆっくりできるのは、今しかなさそうだしね」

 きっと、昨日までとは全く違う一日が始まる。











☆☆☆










 第三の急報よりも刻限の方が先だったのをいいことに、深く短い睡眠から覚めたリエンは、久しぶりにゆっくりと食事を摂った。毒見を済ませてあろうが、舌の上で丹念に料理を転がすのは染み付いてしまった習い性だ。それでも丁寧に咀嚼を重ねていくことで寝ぼけた頭もはっきりしていく。
 リエンは心身を、一から組み立てるように意識しながら整えていった。

「そういえばあの匂袋、ありがとう。お陰で気分がほぐれた」
「お気に召しましたか?よろしければ今後もご用意いたしましょう。たくさん預かっておりますので」

 給仕についてくれていたタバサの嬉しげな返答に、リエンは首を傾げた。預かるとは、誰からなのか。

「エスペランサ公爵令嬢とノクタム伯爵令嬢のお二人ですよ」
「え……面会申請、来てないよね」
「お忙しい陛下を気遣って、私に託されていったんです。しっかりしたお嬢さま方でしたよ」
「家に逆らって学園に残ってるとは聞いてたけど……」

 今やほぼ閉鎖されている王立学園が、それ単体で一個の派閥を模していることはリエンも帰還してから知り、驚いたことだ。王都の情勢不安に、強制的に親に領地へと連れ帰られる学生は多かったらしいが、あえて踏み止まり、ヴィーの助命嘆願やリエンの捜索へ独自に手を回したり、浮き足立つ貴族を監視したりしていたらしい。なにをしても未熟な子どものことだと簡単に侮れなかったのは、アルビオン別邸に軟禁されていたセレネスが、レナを仲介して学園派閥の助言役を担っていたからだ。 元々エスペランサ公爵家次期当主として研鑽を積んでいた、官僚科まとめ役のアマーリオに、アルビオン領の実務に携わっていたセレネスが手を組めば、それなりに影響力を放てるというものだ。
 ちなみにアマーリオが学園に残ったのは、リエンを心配して父公爵の帰還要請に反発したマリアベルを見張る、というのが建前の理由だ。父に付き従って何度も王城に出入りして情勢を探る一方で、親の目の届かない学園内では家の派閥関係なく立ち回っていたわけだ。これにはエスペランサ公爵も仰天したらしいが、発覚した頃にはベリオルと学園長、そして工務大臣が、学園に外部の干渉を受け付けないよう守りを固めてしまっていた。
 兄の口実に利用されたマリアベルだが、彼女も案外したたかなもので、直接的には派閥の動きに関与していないものの、学園に残った学生たちを学科の垣根を越えて紐帯付けるように「社交」に勤しんでいるらしい。ルルーティエは自ら進んでその補佐に回っているとか。「陛下に感化されたような行動力ですよね」となぜかテルに苦笑混じりに報告されたが、リエンのせいにしないでほしい。学園にいた頃は仲良くお茶をするくらいしかやってない。だが、さすが公爵家の長女というべきなのだろう。なにしろ王妃になる前にあれこれやらかしていたおかあさまと同じ立場。やろうと思えば、わりと何でもできる身分にあるのだった。

 タバサはリエンの侍女だけではなく友人関係にもこれまで相当気を揉んでいたのか、この二人の女友達を諸手を上げて歓迎するような姿勢だった。この時、リエンがやっと思い出したようにタバサの養女の消息と手柄を告げたら、タバサはそれはそれは嬉しそうな雰囲気でありながら、しかつめらしく「それでこそ陛下のお付きというものです」と言ってみせた。
 リエンは噴き出して、ひとしきり笑い続けた。そして、笑いの波が引くのに紛れてこっそりと「いいなあ」と呟いた。

「タバサ、便箋二つ用意できる?ことが片付いたら、お礼の代わりにお茶会をしたい」
「こちらで書かれますか?」
「うん。遠いけど、ナージャ殿下も呼んでいいかな。そっちは日取りが決まり次第がいいか」

 リエンの突然の言葉に驚いていたタバサは、じわじわと瞳を潤ませて、何度も頷いた。

「陛下、ユーリ辺境伯のお屋敷で開かれるのはどうでしょう。あの方は喜んで陛下をお手伝いされますよ。書くものはただいま、すぐにお持ちしますからね」

 飛んでいったタバサを見送って、リエンはまた笑った。エルサにも頼まなきゃいけないな。これで、断れない未来の小さな約束が、またひとつ増えたことになる。その弛い鎖は今のリエンにとって必要なものだった。
 真っ暗闇を自分で選んで突き進む、その遥か遠くに灯台のようにそっと光を灯すように。
 今にも消えそうな頼りなさでも光は光だ。目印さえあれば、迷っても、寄り道をしても、その未来まで歩いていける。
 いいや、歩いていきたいのだ。

(……置いていってるのに、不思議と近づいてる気がするな)

 奥底に閉じこもって救いを待つちっぽけな幼女の泣き声は、本来なら後ろに聞くはずなのに、進む先から聞こえてくる気がしている。リエンは耳を澄ませるように、わずかな間、目を閉じた。


 そして、開いたとき。




「リィ、新しい報せが来たよ。それでなくても下がざわついてるけど……」
「アルダから正使が来たんでしょ」

 この報せのせいで眠る機会を逸してしまったレナのしょぼくれた目が、リエンの答で丸くなった。どうやら当たりだ、とリエンは笑うだけ笑った。先程までの温かさが冷めきったように、冴えざえととした微笑だった。
 寝て無理やり押し込めた怒りが、沸き立つようにリエンの内側を荒らし回っていた。レナはそれを感じ取ってか胸をそらした。眠気までどこかに逃げていってしまったようだった。

「わかるの?」
「新しく動きを見せるのはそろそろだと思ってたのよ。そもそも、アルダはなんのためにこの時期に戦を仕掛けたと思う?」
「ジヴェルナを負かしたいんでしょう?」
?」
「どこ……って」
「ジヴェルナは大国よ。それを丸々飲み込むなんて、この世界じゃ総力を挙げて五年かけても無理な話だわ。対岸にはシュバルツやフリーセアもいる。両国が肥沃な領土を食らう機会を前に手をこまねいているわけがないでしょう」
「でもさ、土地の話じゃなくてもいいでしょ?リィたち王族がいなくなれば、王国はなくなるんじゃないの?だからこその『王族』なんでしょう」
「肝はそこ。ジヴェルナ王家はこれまで随分力を失ってきた。けれど王家に成り代わろうとする野心家は、今この国にいない。長い間続いただけあって畏敬が感じられるらしいわね。どうあっても私たちの血筋は頂点に飾られる。それが引きずり落とされたら、喜びはしないでしょう。怒りはアルダへ向く。だからこっちの手立てもアルダにとっては厳しい勝負。ただでさえ西方に紛争地帯と接していて、こちらにかかりきりになれるわけがない」
「……リィは『丸ごと』の話しかしてないね?」
「ジヴェルナが完全に『負け』なのはこの二択ね」
「あ……」

 アルダが完勝しても傷は大きくなるだろう。犠牲と成果の天秤は釣り合わない。それならば、釣り合う重さ――どころか成果が犠牲を上回る要点はどこかと探ることが必要だ。
 レナはもう、首をかしげることはなかった。どこか他人事に楽しげに語るリエンに、率直に尋ねる。

「リィは『どこまで』だって思ってるの?」
「ジヴェルナ王家を滅ぼす未来に手が届くところ」

 リエンもまた、まっすぐに答えた。

「著しく不安定な王権を継いだのはまだ成人もしていない、実績だって何一つない小娘。その後継も疑惑が完全に晴れない、こちらも未熟な子ども。そして、ジヴェルナにとってこの戦争は何十年ぶりかという珍事。それに当たって相談役を担うべきだった長老の住まう屋敷はもうアルダが獲っていて、長老の首級も上げて足場は整えた。少なくとも、これからテルミディアを手放すつもりはないでしょうね。あとは……」

 音を抑えて開く扉の先にいた人物にリエンは目をとめ、無言で流すようにレナをまた見つめた。レナもいちいち振り返って相手を確かめたりしなかった。
 部屋に入ったベリオルは、話の途中でもある程度内容が把握できたのか、無言でリエンの次の声を待った。

「わざわざ自ら犠牲を挙げて国を盗りにいかずとも、向こうから差し出させればいい。それが一番安上がり。金の都の金勘定だもの、こういうのはお得意な仕事でしょ」

 タバサはまだ戻ってこない。未来の約束を取り付ける暇はなさそうだ。
 リエンはしなやかに立ち上がった。
 ベリオルに正使を迎える用意と、その後の会議の手配まで命じる。会議と言っても、リエンは出方をもう選んでいて、曲げるつもりは毛頭ない。それはベリオルもとっくに承知しているようだった。痛みを飲み込むように頷き、すぐに去っていった。

「レナ、ありがとう。これから内外が慌ただしくなるから、先触れはもう大丈夫。ゆっくり休んで。そのあとはバルトさんのところにお帰りなさい。旅費はタバサに言っておくから、このお礼はおいおい」
「ぼくはリィの臣下じゃなくて友だちなんだ。好きなようにするよ。ぼくに命令できるものならしてみたら?」
「……」
「寝る前に会議まで覗き見しようっと」

 リエンはとうとう苦笑した。なんともしたたかな友だちだこと。
 命令できないなら仕方がない。それに、レナならなんとかなるかと思った。リエンやナオと違って、レナは「うっかり」なんてしない子だ。逃げろと言われなくたって、勝手にすたこら走り去っていく。見届けたいならば、そうさせてやるべきだった。

「――それじゃあ、答え合わせに行きましょうか」
















『うら若く、纎弱な女王』リエンが、アルダの正使の目の前でその手から受け取った書状をびりびりに破り捨て、使者をぽいっと放り出したのは、これからわずか一時間後のことだった。

 セルゲイがこれを見たなら、想定通りの展開すぎて笑ってしまったことだろう。
 だからあんまりキレんなよって言ったのに。 
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