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つまり全員徹夜(進行形)

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 スートライト領と王都の間には大きな街道が通っている。大まかに見れば一本道で繋がっていて、途中途中に街があり、そのどれもがそれなりに栄えている。
 その道を、一人旅として合間に宿を取りながら馬を駆けさせれば二日半。全力でかっ飛ばせば一日も経たずに乗り込める。
 近衛騎士の馬術の腕前はさるものだった。行きの道の先頭はヒルダで、二人は後続に甘んじていたのだが、気を遣ってくれているのはヒルダにもわかっていた。本職と比べて劣るのは仕方がないが、内心でこっそり悔しさを噛みしめたヒルダである。

 スートライト領の祖父の館に辿り着いたのは昼過ぎで、殺害や放火以前に警備や護衛を排したりなんだりと、工作にもかなりの時間を取られ、夕方からは休む間もなく本邸へ。主目的は簡単に果たせたが、剣を収めたあとも多少の始末が残っていた。
 このところ病がちで部屋にこもっていたらしい元母親メルセラに挨拶し(対面一秒で気絶した)、館の火事と本邸の病の流行について申し伝えた。「感染力の強い病」に倒れたのはロバートだけではないので、全員本邸の離れに隔離という形にしておき、死体はそこに運ばせ、玄関ホールは使用人たちで大掃除である。
 ヒルダは一通り命じたあともその場で働きを監視しつつ、騎士団長ともやり取りをした。エルドレッド・セリアンは今殺しては面倒な人間だ。人柄ではなく役職として。葬儀と爵位継承に際しこの領地を訪れる兄と妹の安全のためにも、突然領主などの中枢が抜けた領内の治安の維持は必須だ。今から首をすげ替えテコ入れしても、万全には整えられないだろう。それならば首根っこを押さえてこき使う形にした方がいい。
 もちろんその首輪として物的証拠は取り上げた。
 騎士の休暇の名簿の中には、王都でヒルダとジュストの誘拐に関わった者の名前があるだろう。「落星」から鍛えられたヒルダは、地域による武術の型の違いというものも教えられていた。スートライト領は特に、兄の鍛錬の見学という形で観察の機会が多かった。見間違うことはない。

「……女性に生まれたことが惜しいですな」
「どちらで生まれても私は私でしたよ。己の狭量を主家に押し付けるのは止めるべきでは」

 今度はヒルダそのものを担ごうというのか。ヒルダが冷ややかに叩き返せば、騎士団長は苦笑した。この時には吹っ切れたような様子だった。妙に親しげというか、畏れが引いている。

「独り言としてお聞き流しくだされば」
「さようですか」

 雑談を続ける意欲は、当然ながらヒルダにはない。領地の人間と政治的で実務的なことについて、こんなに話したことも、ヒルダには初めてだった。信用も信頼も、芽すらなく種は腐り果てている。
 そうこうしているうちに夜も深くなりはじめ、ヒルダの寝床の用意も、執事長に恐る恐る遠回しに尋ねられた。泊まってほしくないけどという心情が透けて見えるほど腰が引けた問いかけに、ヒルダは無表情で応じた。

「必要ありません」

 ヒルダと近衛騎士、合わせてたった三名だ。追い詰められてなりふり構わなくなった人間が、やろうと思えばまだ状況をひっくり返せるこの場面で、敵の懐に長々と居座るのは単なる阿呆である。
 とはいえ夜道を駆けることも危険だが、それでもヒルダと近衛騎士たちは、月が煌々と輝く夜半に本邸を辞すことを選んだ。

「数日後に、スートライト最後の直系の二人がここに帰還します。各々、心してお迎えください」

 そう言い去った瞬間、ヒルディア・スートライトの命は潰えた。自分で、ぴたりと隙間なく幕を下ろした。
 行きも最初は夜間行軍だったので行燈の用意はあった。馬上にあって、ヒルダはその明るさから逃げるように、暗闇に向かって息を吐いた。
 役目を終えたことに区切りをつけるような無色のため息は、黒い静寂に飲み込まれた。まるでヒルダごと丸呑みにしそうなほど濃い闇。おいでと誘うようにさやかな風が背中に当たる。

「……大丈夫ですか?」
「あ、ええ、はい。申し訳ありません、ぼうっとしていたようで。帰りましょうか」

 闇から目を背け、近衛の二人に笑いかけた。二人とも微妙な顔のままそうですねと頷いているが、ヒルダは進路に馬首を向けていて気づかなかった。
 進む先もまた闇。だけどもヒルダたちは丸呑みにされるのではなく、その無駄に大きな口を切り裂いていくのだ。

(そうだ、帰ろう……)

 何者でなくなっても、信じられる絆が残っている限り。
 まだヒルダには帰る理由も場所も残っていた。









☆☆☆










 帰りは行きほどには急がない。無茶を押し通した一番の被害者でもある騎馬を休ませるためにも、領地を出たあと、街道沿いの宿に泊まる予定を同行者二人と打ち合わせた。真夜中の飛び込み客を遇する宿は迷惑だろうが、軒を貸してもらうだけでもというつもりだった。
 生粋の王都貴族邸育ちの近衛二人が、その提案を抵抗なく受け入れたのにヒルダは驚いたが、それこそ行軍や演習などで野宿すら抵抗のない近衛らの方が、驚くべきところだ。
 正真正銘貴族のお嬢さまだったんだよな?と二人がしょっちゅう目配せし合っていたのを、ヒルダは知らないままである。

 結果的には、無事に三人とも寝床にありつけた。というか寝床があらかじめ用意されていた。
 領地を出て一番近い街に立ち寄るのを見越したように、ヒルダたちを待っている者がいたのだ。街の門を通過して入ったところに、ぞろぞろと。

「ヒルダ!」

 ヒルダは目をぱちくりした。夜に沈む街の中で、いくつものランタンの灯りが点っている。濃い影の輪郭がざわめくように揺れ、何人もの顔が黄色っぽく照らされた。全員見知っている顔だった。

「アレン!?ヒューズさんも……」
「お嬢さま、バルメルク家もおりますよ」
「ケイティさん!?」
「大役お疲れ様でした。さあ、こんな場では落ち着きませんし、ひとまずこちらにご案内します。お二方もぜひ」

 近衛二人はヒルダの様子を見て、周囲を見て、素直に従うことにした。「落星」もそうだし、バルメルク家騎士隊の中にも城で見た顔がいる。さらに案内された宿は厳重な警備の高級宿で、これはもう過剰防衛ではないだろうか。
 だが、スートライト領を押さえた直後だ。護衛は過剰過ぎるくらいでいい。
 納得する近衛たちとは反対に、ヒルダはバルメルク家の侍女ケイティにぐいぐい背中を押される勢いで、戸惑いとともに強引に引きずられた。

 流れで最後尾になっていたソラリア商会の一行は、バルメルク家に遅れて歩き出す形でついてきており、ヒューズとジャック、セイルが、出鼻を瞬速で挫かれたアレンの肩を雑に叩いていた。
 そんなアレンの復活は早かった。

「夜食、温め直してきた」

 その言葉通り、焦げ目のついたキッシュはほかほか湯気を立てている。アレンが切り分けているその間からチーズの香りが芳しく鼻と胃を刺激する。ヒルダはわあと目を輝かせたし、どうぞと勧められた近衛二人も目を離せない様子に、アレンはちょっぴりご満悦だった。

「王都の商会の厨房で焼いたやつなんだけど、移動で形が崩れたから、こっちでチーズ増しで焼き直してみた。一口目は毒見がてら、おれが頂くな」
「……王都で作ったってこと?いつ?」
「昨晩。夜会の後セシルたちに付き合って内宮にいさせてもらったけど、その後は商会にいたからな」

 そこらのソファや絨毯の上でごろごろしていたヒューズたちがなんとはなしに笑った。
 セシルがスートライトの暗殺対象なら、商会分野だけでも側近のアレンも危険があるだろうということで、近頃は傭兵が移動に付き合っていた。夜会の日も同じで、控えの間に護衛の顔で居座っていたジャックとセイルは、だからこそアレンの指示で迅速にヒルダ奪還に動けたのである。ヒルダを救出し、誘拐先から一足先に引き揚げた二人は、それまで城に預けていたアレンと共に商会に戻って、報告会を開いた。状況から見た元貴族の意見から別れ際にヒルダに頼まれたことまで話し終えると、アレンはおもむろにエプロンを身に着け、厨房に明かりを灯して料理に取りかかった。途中でニーナがヒルダの遣いだと言って商会を訪れて、傭兵たちから頼まれ物の防具を受け取った時には数品仕上がっていて、ついでで持たせて行ったりもしたのだ。

「仕上げが粗くなったが、サンドイッチとクッキー、食っただろ?」
「……あれってアレンが作ったの!?」

 ヒルダは慌てて近衛を振り返った。出立までにニーナに騎士服から防具、武器に馬まで取ってきてもらい、馬は一時的に近衛の厩舎に入れられた。水や糧食はあらかじめ用意されると聞いていたので、ヒルダは馬の荷に括りつけられたものは城が用意したものだと思って疑っていなかった。でもそういえば近衛二人が食べていたのは……なんだったか。館急襲前で食べたものの味もろくに覚えていない。
 近衛たちは頷いているので、こちらはヒルダと違って、あのときも余裕があったらしい。

「私たちは干し肉とビスケットと乾燥果実を食べていたが、隣の弁当が豪華で、余計に腹が空くような気分だった」
「あれはちょっと羨ましかったな」

 身内の砕けた言葉で冗談交じりに言いながらも、わりと本気で羨ましかったのか、毒見まで済ませたキッシュに二人とも早速手を伸ばした。アレンはバツが悪そうに、「何人来るかわからなかったので、多目に作ったら余計な荷物になると思ってたんです」と弁明している。近衛たちは気にしないとからっと笑いながらキッシュを食べて舌鼓を打ち、にわかに盛り上がりはじめる。料理が得意な貴族男子など本来は彼らの常識外だが、今夜限りはヒルダという貴婦人として常識外れの存在のお陰で許容が押し広げられていた。
 ヒルダは行きの糧食について感想を求められずほっとしながら、ついでに近衛には思っていた以上に気を遣われていたと知って恥じ入りながら、自分の分に手をつけた。塩気の利いたチーズの下に細かく切られた根菜がほっくりと甘い。優しい味だ。

「お嬢さま、お茶をどうぞ」
「ありがとうございます」

 ケイティが濃く淹れてくれた茶は、くちくなった腹が促す眠気をごまかしてくれる。ヒルダと近衛二人だけでなく、アレンやヒューズたちにも用意してくれて、食後に全員で一服した。ちなみにバルメルク家の騎士は、いかに広い部屋とはいえ大勢集まっても、とのことで別室で待機しているらしい。
 そもそも家族用の最上級のこの部屋を借り上げたのはバルメルク家で、アレンたちソラリア商会は同じ宿の中でも別の部屋を取っているとか。家族用なのでヒルダも近衛も一人ひとり続き部屋で寝室が用意されている。夜食にありつく前にそれぞれの部屋で簡単に身支度を整えていたが、あくまで簡単に、だ。強行軍と荒事で汚れた顔と髪を拭って、上着を寛げる程度。この部屋には全員剣を持ち込んでもいる。
 ヒルダたちにとっては、仕事を終えた就寝前の、安らかな一時ではないのだ。敵地が目と鼻の先のまだまだ危険地帯で、だからこそバルメルク家はその中でも少しでも休めるようにケイティたちを送り出したのだろうし、アレンと傭兵たちも来てくれた。ヒルダたちと同じくらいの強行軍で、だ。

「あ、ヒルダ。おれ、しばらくこの街に留まるから。セシルにも言う暇がなかったから伝えといてくれ」
「……え」

 一瞬思考が止まったヒルダだが、すぐに理解した。ソラリア商会は領内の商会の流通を王都に広げるような仲介の形で成り立っている。領主をはじめ、これから少なくない貴族家が世代交代を迫られる。その動揺は領内の商人たちからソラリア商会まで波及するのは必然だった。

「セシルが直々に出張って収めれば落ち着くだろうから、それまでおれが抑え役になる」
「でも、危険だわ」
「この宿拠点にするし、ヒューズたちも護衛するって言ってくれた。セシルには事後承諾で悪いけど、文句は言わないはずだ。おれは剣を持ったりなんだりはできないけど、馬には乗れるし商人にも顔と伝を広げてる。適材適所ってんなら、今のおれの仕事はここだ」

 自分以上にうまく収められる者はいない――ヒルダが兄妹に説得したことと同じ。言い返せないが、納得もできない。もどかしくアレンを見つめていると、額を突かれた。

「お前にもやらなきゃいけないことあるんだぞ」
「……あたし?」
「おれとセシルがいないとなれば、お前しか王都の商会をまとめる奴はいないだろ?むしろセシルがいなくなった後の騒ぎはこっちよりひどいはずだ。それに、レンゲルとベルンに、レーウェンディアに出張してるルッツのところまで伝令を頼んだ。様子を見ながらだったけど、超特急で帰ってきてもらうことになる。問題なんてこれからいくらでも出てくるんだ。でもおれもセシルも、他の仕事にかかりきりだ。わかるな?」

 そうだ、とまた目を見開いた。王家が当主の首をすげ替えたレーウェンディアのように、スートライトも王家の側に落ちた。領地貴族の反発がこれから高まるのは、考えなくてもわかることだ。だというのに、ヒルダはスートライト以外のことなんて気にしてもいなかった。思わず視線が落ちかけたところで、アレンが勢いよく頭を撫でてきた。

「お前にしかできない仕事だ。きっちり働けよ、ヒルダ!」
「もちろんたっぷりお休みになった後ですからね!」

 ケイティが瞬時にその手を叩き落とした。ものすごい音がした。

「職場に泊りがけもいけませんからね!毎日お送りとお迎えしますから!お仕事のお持ち帰りは断固禁止!お食事もきちんとしてもらいますし、護衛も当然お付けしますから!お嬢さま、お返事は!?」
「ハ、ハイ」
「……なんかおれに当たりが強いのなんで……」

 手首をさすりながら嘆いたアレンは、不意にぎょっとした。アレンを威嚇していたケイティも、傍観していた近衛もびっくりした。
 ヒルダがぼろぼろ涙をこぼしていた。いつの間にというほど頬が濡れきっている。そのくせ嗚咽はろくに漏れない。静かで怒涛な落涙だった。

「ヒ、ヒルダ?」
「お嬢さま?」
「おーおー、いい泣きっぷりだな」

 しれっとヒューズがやって来て、おろおろ取り巻く周囲を置いて、ヒルダの頭を懐に押し付けた。

「おい坊っちゃん、こういうときはな、黙って胸を貸してやるもんなんだよ。そういうとこだぞあんた」
「坊っちゃんはやめろって!」
「図体でかいだけの坊っちゃんだろ」

 アレンの抗議もヒューズは鼻で笑って一蹴し、椅子から軽々とヒルダを抱き上げた。子どもにするように縦抱きで。部屋の隅でジャックとセイルがおいでおいでとふざけて手招きしている。
 女が泣いて慌てるような青さの持ち合わせは彼らにはない。慰め方はいくらでも知っている。泣いている理由もわかりきっている今回はなおさら。

「よかったな、嬢ちゃん」

 ヒルダは黙って揺すられている。しとしと肩に落ちる雨に、女というよりガキだなと思う。兄妹以外に泣きつく相手を思いつかない辺りが特に。仕方ないから、師匠としてヒューズたちが出張ってやるしかないだろう。
 そのままの格好でジャックとセイルにも雑に頭を撫でられぐしゃぐしゃにされたヒルダは、やっと笑った。
 泣き笑いでみっともなく、けれど無邪気で力強く、美しい。

「――はい」

 見つけた絆を、知らない間に紡がれていた未来を、ありったけの力で抱きしめる。見失わないように、壊してしまわないように。

 白々と明ける夜を待って、出かけよう。

 何者でもないヒルダの、新しい朝を謳いながら。












ーーー
アルベルト→ベルン
ルッツは今ナタリーとヘレナの保護に出張中(閑話・糸は色染む)。

Ⅳ章完結です。
後半から本当に書きにくかったし読みにくかったと思います。うまく整理しきれなかった……。
今後大幅に修正したりするかもしれませんが、本筋を変えるつもりはありません。


ーーー
ヒルダとニコラスの殺害判断基準は同質(「穏便」って大事)。
ケイティがアレンに辛辣なのは、競走ってわけじゃないけど宿に着いたのがアレンたちに少し遅れたから。ケイティは表は侍女、裏では護衛をこなす、ニーナみたいな仕事してます。表向き女性の騎士や兵士は、今のところ存在しない社会なので。

スートライトの人々が自分たちの墓穴をバズーカで掘るくらいのアホをしでかすことになるとは、セシルも国王もなんなら作者も考えてなかった。ヒルダがやったのは復讐ではなく粛清。ザマアをやる気はなかったんですけど、これってザマアの枠内に入るんでしょうか。

メルセラ(当主夫人)は、見下すことはなく本人なりにヒルダを愛していたので、変わり果てたヒルダの顔を見ても一瞬でヒルダと判断。それでもショックで気絶。まだ当分はアレだけど、長く時間を置けば反省と後悔できるくらいの余地はある。
ヒルダがメルセラを見逃したのは、当主の周りを殺し尽くして余計な混乱が生まれるのを避けるため。


ーーー
意図せずして第一部完結みたいな感じの区切りになりました。
これまで王家内部の後継者争いはちょくちょく書いてましたけど、これからは外側の王家VS領地貴族も燃え上がっていきます。
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