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Ⅱ
決着
しおりを挟む「よろしかったのですか、私と……」
とにもかくにもファリーナと踊ることになったセシルだが、その合間に漏れた囁きに、おや、と思った。
「あなたはアデルの友人なのです。本当に感謝しているんですよ」
「……それは嬉しいのです、が……えっと」
どうやら身分差などを気にして、と思っていたが、違うらしい。セシルが察しきれていないのに気づいたファリーナは、一度ターンした後に意を決したようにセシルをまっすぐに見つめた。
「畏れながら、セシル・スートライトさまやアデライトさまは、王太子殿下の派閥をずたずたにするおつもりなのではありませんか」
セシルもまた、ファリーナを見下ろした。その青い目には明らかな称賛の色がある。
「どうぞ、セシルとお呼びください。あなたは大変に聡明ですね。よくお気づきになられました」
「私ごときに、過分な誉め言葉ですわ。お城の派閥には中立というスートライト家の方々がこの夜会に出席なさったのも本来なら珍しいことですもの。お二人とも、アレクセイ家の方々のみを避けていらっしゃる様子ですが……主目的はアレクセイ家を追い詰めることでしょうか」
ファリーナは不意にステップを乱れさせた。セシルの甘く優しい微笑みが、「絶氷」の名にふさわしい鋭い笑みに一変したのを目の当たりにしたからだ。セシルは力強く腕を引き、ファリーナのミスを優美なターンに昇華させた。
「あなたのような女性がアデルの友人になってくれて、本当に幸運ですね」
「あ、あの……?」
「周りをよく見て気をつけておられる。私にこうして直接尋ねるのも、あなたのこれからの振る舞いを決めるためですね。そこまで察しているのにこの場でアデルに声をかけてくれた。どちらも相当な勇気が必要だったでしょう」
手放しかつ具体的な誉め言葉に、ファリーナは再度真っ赤になった。
「ご推察の通り、私たちは中立派としてこの場にいます。あなたにけして被害は及ばせませんので、どうぞこの話は内密にお願いします」
「……私などより、セシルさま方は……」
「私たちの心配までしてくれるのですか?」
アレンが見たら絶叫し、シドが見たら硬直しそうなほど、セシルの表情が蕩けた。氷があっさり解けてふにゃんふにゃんである。はちゃめちゃに嬉しそうな顔に、ファリーナはもはや現実逃避気味に視線を逸らした。耐性がついているのは、なんのことはない、アデルが似たような顔をしてみせたことがあったからだ。同じように場違いなタイミングで。
「き、杞憂、のよう、ですね?」
「まあ、あからさまに公爵家に反発するのでそれなりのことは覚悟していますが」
「やっぱり……!」
青ざめるファリーナがおろおろとしているのまで嬉しそうに見守っている辺りが、妹たちですらドン引く性格の悪さを如実に表している。似たような被害者アレンがここにいたら「逃げろ!!!」とまた絶叫したことだろう。捨て身が板について、とんでもない魔性の男になっている。
「冗談ですよ。妃殿下がこの場にいらっしゃるのも、私たちのなすことをご存知だからです。大した影響はありません」
「……そ、そうですか。そうですね。私としたことが取り乱して……」
「いえ、大変お可愛らしいですよ」
「……」
遊ばれたことに気づいたファリーナは、最終的にジト目になっていた。
その態度がまたセシルの中で彼女の評価を上げているのだが、彼女が気づくのはもっと後のことになるだろう。
宮廷貴族を中心とする派閥には、大きく二つが存在している。
ひとつは幼い頃から異常なほどの才覚を発揮し、現在もってまだ少年である王太子派。もうひとつが、王立学園を統治する王兄派である。王兄が王太子の弟王子を庇護しているので王子派とも呼べる。
そして、アレクセイ家やこの王妃の実家であるルーアン家は王太子派である。この夜会に出席している他の面々も総じて王太子派。
ファリーナの指摘は正解である。
セシルは王太子に告げたように、「盛大に荒らす」ために、王妃のつてでこの夜会に参加したのだ。
派閥内にも序列競争が存在する。派閥争いに中立を保つが権力の強いスートライト家の、その中でもきっての切れ者である「絶氷」と美しい「大輪」を獲得したとなれば、斜陽のアレクセイ公爵家の派閥内での地位は頂点に据えられてもおかしくない。
ヒルダが調査したことでこのほとんどの事情が明るみになったが、そのまま三兄妹全員がなんとも言えない顔になったことは珍しい。
ミルフォードもアシエルも、派閥内で自家の名誉を保つという目的にすら、考えが及んでいないようにしか思えなかったのだ。ミルフォードがアデルの前でセシルを貶したり(同時にヒルダも貶したが)、アシエルが高位貴族の令嬢としてあり得ない態度でセシルに迫ろうとしたり。
指示を出したロビンソンも大概だ。王家との密約からセシルを勝手に王太子派と判断したことはまだいい。しかし、そこで誰か他家にとられる前に、スートライト家に台頭される前にと慌てて行動したのが丸分かりなのだ。アレクセイ家の将来を憂えるのは結構だが、なぜそれでセシルに張り合おうとするのか。友好関係なら結べたかもしれないものを。
『私でも、もっとちゃんと考えるわよ……』
アデルのこの言葉が妙に印象的だった。
そろそろ痺れを切らす頃かなと、セシルは女性たちに群がられながらちらりとミルフォードの姿を見やった。踊りから帰ってきたファリーナとまた話し込むアデルを悔しそうに見つめている。彼の周りの取り巻きたちは微妙な顔だ。ちなみにその一人はサルーテ侯爵子息である。
具体的にどう「荒らす」のかと言えば、簡単なことだ。アレクセイ家の序列を下げればいい。セシルがベルン侯爵令嬢と踊ったのも同じ。本人の目の前で取り巻きを優先し、それどころか、不可抗力的(?)に本人を無視し、対抗家の者とも踊る。
端からは、中立派の一大貴族スートライト家が王太子派になるついでにアレクセイ家に見切りをつけ、王太子派貴族の序列を塗り替えているようにしか見えない。セシルたちは塗り替えるといっても今回の夜会限りなので、どこの家にもなんのフォローもするつもりはないが。
ファリーナが「ずたずた」と言ったあれが、一番の大正解だ。縫い直しは王太子の仕事である。
案の定、ミルフォードが痺れを切らしたようにアデルたちに近づいていた。強引にアデルの隣に座ろうとしたのを阻止したのはヒルダである。
「侯爵家の護衛ごときが公爵家のぼくに逆らうのか!」
「お言葉ですが、私の役職は王家に認められております。抗議なさりたいならそちらへ」
静かに返答したヒルダを改めて見直したミルフォードは、そこでようやくヒルダの顔に覚えがあることに気づいたらしい。大きく目を開いたあと、「貴様は……!」と歯軋りした。
ここぞとばかりに、ヒルダはにこやかに一礼した。
「ろくなお言葉もなくお嬢さまをとこぞへ連れ去ろうとなさいましたことは、思い出されましたか?」
「なんと無礼な口を利くものだ!ぼくは公爵家嫡男だぞ!」
「なるほど。セシルさまのご友人であるフォード家に先触れなく訪れ、客人を連れ去るのは公爵家という尊い身分の前では当たり前のことなのですね。私としたことが浅学でございました」
「――聞き捨てならないことを聞いたのだが、ちょっと待ってくれるかな」
横から口を出したのはメイソンだ。主催者として騒動を収めるために駆り出されたのだろうが、口角が見事にひきつっている。 彼はヒルダがわざと大声で事情を説明したことに気づいている。そして彼もまた王太子派の公爵家嫡男という、ミルフォードと同じ立場だ。それは焦るだろう。
こんなのと一緒にされてたまるかという心境で。
「アデライト・スートライト嬢、彼女の発言は真実かい?」
ヒルダ姉さまが嘘なんて言うものですか!という叫びは内心に留め、アデルは素直に頷いた。ファリーナが心配してくれているので、その腕をひしと掴みながら、あのときの恐怖を思い出して震える声を出した。
「フォード家のアリアナさまとミリーさまにもご確認下さい」
激しい頭痛が来たような顔でメイソンは額を押さえた。
「アレクセイ家の方針はどうなっているんだ?ミルフォード、君はそれでなんの謝罪もしなかったわけかい」
「外野が口を挟むな、メイソン!」
「外野と言うなら今この場で騒ぐのはよしてくれないか。公爵家嫡男が婦女誘拐など……笑い話にもならないぞ」
「誘拐など!妻として迎えるためだ!」
瞬間、会場中から悲鳴混じりの驚愕の声が漏れた。ここが会場の端とはいえ、ただでさえアデルは目を惹くのだ。ミルフォードが大声で騒げばなおさらで、だからこそメイソンが来たというのに。
そんな状況で、とんでもないことを口にしてくれた。「大輪」を妻に、など。
「……ミルフォード、別室に来るんだ。君の同伴者は?確か姉君がいらしたはずだよね。一人にさせてしまうわけにもいかないだろうから、一緒に来てもらおう」
宥めるのを早々に放棄したメイソンは、アデルを振り返った。
「アデライト・スートライト嬢、申し訳ないが、あなたの護衛にも来てもらっていいだろうか」
「それなら私自身が参ります」
メイソンがアデルを会場に残すのは気遣いもあるが、せっかく出席してくれた「大輪」を控え室に追いやるわけにはいかないからだ。なのにアデルは震える声でそれをばっさり切り捨てた。
「不安かい?なに、安心していい。我が家に不埒を企む者はいないし、セシル殿もいる」
「……でも兄さまとずっと一緒にいるわけにもいかないですし……」
こういう時に感じる不安と恐怖は、理屈では解決できない。実際に城でも被害に遭いかけた。ヒルダと引き離されてたまるものか、という思いはもちろん、根本的に信頼できる男性を五人くらいしか知らないアデルは、実はかなり怯えていたのだ。ファリーナがそれを察してアデルの背中をさすってやるとますますアデルがファリーナに甘えるので、メイソンは困りきった。庇護欲を強く掻き立ててくるので、いっそ目に毒だ。これでは強く命じることもできない。
「どうしたの、メイソン」
「姉上……いえ、妃殿下、あなたがいらっしゃるほどのことではありません」
そうして現れた一番の賓客がメイソンにもたらしたのは、さらなる頭痛であった。
「あらそう?耳半分だけど私もしっかり聞いていたわよ?それからねぇ、ちょっとあの子も問題があるようなのよ」
「はい?」
あの子とはどの子か。さすがにきょとんとしたメイソンは、姉に先手を打たれた。
「わざわざ別室で物事を明らかにする必要はないでしょう。いい余興になるわよ」
「……いやいやお待ちください余興って」
「役者は揃えてしかるべきよ。セシル・スートライト、アシエル・アレクセイ。二人ともこちらへいらっしゃい?」
さっと人混みが分かれ、そのふたりが同じ方向から現れた。一番に優雅に色代したセシルは「お呼びでしょうか」と尋ねた。
「あなたはアデライトちゃんがミルフォード・アレクセイの妻になることを知っていて?」
「――なんと仰いました?」
セシルの笑みが明らかに凍りついた。視線の外に立っていたメイソンが思わず背筋を伸ばしたほど。くるりと向き直ったセシルの表情に、ミルフォードは思わず後ずさった。
「ミルフォード・アレクセイ殿。あなたがフォード家に無体をなさったことは存じていましたが、よもや私の妹を妻とすると?」
「……そ、それ、は」
「スートライト侯爵家次期当主として、私はなにも聞き及んではいないのですが?妹からも言は受けておりませんし、貴家からの報せもありません」
怒っている。物凄く怒っている。メイソンはここに来て事態をぶん投げることに決めた。このセシルを敵に回すのだけは絶対にごめんだ。
しかし、こっそり抗議だけはしておく。
「姉上……一体なにを企んでおいでなのですか」
「余興ついでに、あなたもお勉強なさい」
弟に鬼畜な王妃は一笑に伏した。絶氷に大輪、優秀ながら性格のひねくれた王太子など、次代は相当に癖の強い面々ばかり揃っているのだ、それをどうにかするのがメイソンの役目になる。これもいい教材だ。
「後ほど、スートライト侯爵家当主より正式にアレクセイ家に抗議いたします。あなたは私の妹をなんと思っておられるのか。道具よりなお酷い扱いだ。我が家を愚弄するのも大概になされよ」
「そ、そんなことはしていない!」
「ではなぜ婚約の申し込みなどの手順を踏むこともなく妻と呼ばわりました?フォード家から妹を連れ去ろうとしたとも伺いましたが、それも合わせると、どうやらスートライト家は相当格下に見られているらしい」
そのままセシルはミルフォードの反応を待った。ここで黙るのが一番の悪手だとミルフォードもわかっているらしい。ただし、それだけ、だが。
傲慢に育ったミルフォードは「謝罪」という言葉を知らないのだ。
結果として、悪手のさらに下を突き進むことになる。
「……侯爵家は、実際、公爵家より……下だろう」
メイソンは頭を抱えて膝をつきたくなり、王妃はにんまりと笑み、セシルは……酷薄な微笑を浮かべた。
性格は把握していたが、ここまで愚かだとはさすがに考えていなかった。自分から特大の墓穴を掘り、なおかつ退路まで捨てるとは。さすが馬鹿という人種である。
「アレクセイ家が当家をどう考えておられるのか、よくわかりました。それでは撤回のみしていただきましょう。妹があなたと婚姻――ひいては婚約する事実は未来永劫ないのですから」
「は……?」
「言い換えましょう。スートライト家はアレクセイ家の一切と距離を置きます。その前に、あなたは妹を妻と称し不名誉をお作りになった。謝罪は必要ありませんが、撤回はしていただきます」
アデルも謝罪を受けたところで困るだろう。許すつもりはどこにもないのだから。そんな心情とは別に、格上の相手に公で謝罪されたら許さなくてはならない様式美があるのだが、セシルがその道を大岩でガッツリ塞いだ。
(といっても、一番はじめに謝らなかったのは馬鹿の方なんだから、私を睨むのはやめてくれないかなぁメイソン殿)
ちなみにヒルダやアデルは「さすが兄上(兄さま)……!」という感嘆と尊敬の眼差し、ファリーナは「大丈夫かしら……」という困惑と心配の眼差しを向けていた。激しすぎる温度差。
愉快狂の疑いがある王妃はにっこにこである。最初から見守る体勢の彼女も、息子を持ち上げる御輿にはましになってもらいたかったのだろう。
「さあ、ミルフォード・アレクセイ殿」
「な……」
「本当のことを言えばいいだけなのです。メイソン殿、証人になっていただけますよね?」
「あ、ああ、心得た」
「お、お待ちになってください!」
思わずセシルは舌打ちした。ぎょっと振り向くメイソンに爽やかな笑みを向け、飛び入り参加してきた馬鹿に首をかしげる。……せっかくミルフォードだけで片をつけられるところだったのに。「未来永劫」の言葉に黙っていられなくなったらしい。
「弟が大変失礼をしましたわ。ですが、撤回……とは時期尚早では?」
「……」
「アデライトさまのお心は自由ですわ。弟に少しでもそれが向けられることがあるやも……」
「――あなたは妹を侮辱しているのですか?」
すっぱりと嘆願を斬ったセシルは、侮蔑しきった目でアシエルを見下ろしていた。
「妹はスートライト家の至宝。スートライト家の意志は妹の意志です。そして、あなたの弟君は我が家を軽んじたのですよ。……お分かりになりませんか?スートライト家は、アレクセイ家からの謝罪を受け取りません」
「……っ!」
つまり、「アデライト自身が貶められているのに――名誉が傷つけられ身の危険すらあったのに、謝罪すらされないし撤回もされない。アデルがなあなあで済ませるような軽い女に見えるのか」である。
「あなたからの謝罪も受けません。私の友人にも理解してもらいましょう」
「友人?ああ、横から失礼」
「アレン・フォードです、メイソン殿」
「ああ、彼か」
とうとうメイソンは開き直ったらしい。とくとくと頷いているが、この短期間でずいぶんな気の直しようである。
「アシエル・アレクセイ嬢はアレン・フォード殿になにか言ったのか?」
「『埃を被った紙魚』と」
「……。……いや、それ陛下も侮辱してないか。王宮書庫の管理をフォード家に直々にお任せになったと聞いているのだが」
「わ、わたくしはそんなつもりは!」
「では私の秘書として侮辱したと?いずれにしても酷い言いようだ」
どのみち口を挟んだからにはアシエル自身にも退路はない。今さら味方を探すように視線を巡らせるが、アレクセイ家の凋落は衆人環視の中で明白に決定付けられた。泥舟に乗りたがる酔狂はいない。
「……そ、うだわ、セシルさま、あなたはどうなのです?」
「はい?」
「わたくしは……知っておりますのよ、ええ、あなたは我が家と切れない縁を持っていらっしゃ――っひ」
「セシル殿、セシル殿、正気に戻ってくれ。今とんでもない形相になっていたぞ」
「……ああ、すみません、私としたことが……まさかここまで話が通じないとは思っておらず……」
馬鹿な上におつむに花が大量に咲いていたらしい。猛烈に除草剤が欲しくなった。
「それで、切れない縁とは?」
「興味津々ですね」
「これくらいいいだろう」
「簡単なことですよ。我が侯爵領はずいぶんと王家の方々にお気に召していただいたようで、名誉なことです。内々の話ですが、王太子殿下がお目見えになるのですよ」
「――へえ、そうなんだ。で、切れない縁って結局なに?」
「それがよくわからないのですよね。内々の話をご存知だったとしても、いずれ公表されるでしょう?」
「そうだね、王太子殿下が領に視察に行かれるのだもの。秘密にとはいかないな」
「でしょう?」
なんの話か、とポカンとするアシエルはもはや道化以下だった。
ちなみにセシルも嘘は言っていない。接収されるなら確実に王太子の所領になるし、その時は領政引き継ぎのために必ず現地へ訪れる必要がある。視察という名目でも、何度も機会はあるだろう。
むしろあっさり信じたメイソンのことが心配になりはじめてくるセシルだった。
ーーー
兄妹初の共同作業
アデル→(ミルフォード)挑発、(王太子派)混乱、囮、広告塔(怯えは本物)
ヒルダ→防波堤、喧伝係、護衛、兄妹のヤル気根源
セシル→(アシエル)挑発、(王太子派)混乱、囮、止め
魔性の男セシル原因の苦労人
①アレン
②シド
③ファリーナ ←New
(タラララッタラ~)メイソンは中間管理職的地位を獲得しました。
メイソン:(アシエルを見て)「あの子」ってこいつか!(遅い)
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