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新月の章 鮮血ヲ喰ライシ断罪ノ鎌
療養生活 1
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盗賊団との激戦を終え、傷が癒えるまでは無理に動けないと判断した俺は、ギルドに依頼達成の報告、品物の納品を済ませた。
漁った武器も売り払ったら、これから一週間の宿代と飯代を確保に成功。
が、ここで満足してはいけない。
その日暮らしではいつか体を壊したとき、それで終わりだ。
働けるうちはグータラしていられないのだ。
宿にこもってでも可能な手作業の仕事はないものかと相談したところ、俺はある程度綺麗な文字が書けるらしいので、写本、及び掲示板に貼るお知らせの複製の仕事を受注。
どうやら盗賊団を壊滅させた? 功績が高く評価され、初回が三種類(一種類はツバキちゃんの私用なので厳密には二種類)だったのに対して、今回は五種類も紹介された。
ナツメさんが対応してくれたが、やつれ顔がとても目立っていて、目の下のくまがとても濃い。
長話させるのもなんだかかわいそうなので受注をしたら、すぐに退散した。
写本や写しに使う原本を支給された袋に入れ、心に余裕ができたからか、宿までゆっくりとした足取りで帰る。
写本用の紙と白紙の本はどうやら俺が泊まっている宿に頼めばもらえるらしい。
ベネット商会の系列店では、ギルドに所属している傭兵(何でも屋)をサポートするため、内職関係の物資は、ギルドが発行する依頼書を見せれば、渡してくれるそうだ。
なので、戦争で足などに傷を負い、傭兵(戦闘関連)の仕事が出来なくなっても、安心して仕事にありつける。
さすが天下に名を轟かすベネット商会。
本当に感謝の極みだ。
おかげで傷が完全に癒えるまで、収入が断つことはない。
宿に帰って一週間分の予約をする。
ついでに依頼書を見せると、
「内職用の本と紙ですね、少々お待ちください」
もう何度も見る若い店員さんが自然な笑みを浮かべながら白紙の本と紙を持ってきた。
「お仕事、だいぶ軌道に乗ったようですね」
「あぁ、おかげさまで」
「でも無理は良くないですよ、ほどほどにしないとからだを壊してしまいますから」
昨日、怪我をして帰ってきて、治療を断わったのが原因か大分気を使ってくれている。
「心配するほどじゃないさ。エイドマッシュルームに治療薬の服用してるし、肩の矢傷も致命傷じゃなかったし」
肩に刺さった後、気絶するくらいの痛みが走るほど、太い矢だったが、エイドマッシュルームの効能の影響である程度痛みは引いた。
しばらく安静にしてればすぐにまともな動作は行えるだろう。
「そうですか。ではお仕事、頑張ってください」
必要な物を受け取って一回部屋に戻る。
ローブを部屋に備え付けられているハンガーに掛け、内職用の荷物を机の上に並べた。
さて、いざ仕事を始めるかと木製の椅子に腰かけると、
ギュルッ………ギュルルルルルルゥッ!
腹部から盛大な音が鳴る。
腹が減った。
そういえば昨日から今まで、ロクなもんを食べてなかった。
一応昨日、主食にエイドマッシュルーム、ドリンクは治療薬を食したが、あんなのじゃ空腹は満たされない。
疲労回復と命のやり取りによる極度の緊張が解けたため、一気にそのしわ寄せが押し寄せたのだ。
朝起きたのが遅かったので、現在の時刻はちょうど昼前。
「昼飯食うか」
終わったら仕事を始めよう。
漁った武器も売り払ったら、これから一週間の宿代と飯代を確保に成功。
が、ここで満足してはいけない。
その日暮らしではいつか体を壊したとき、それで終わりだ。
働けるうちはグータラしていられないのだ。
宿にこもってでも可能な手作業の仕事はないものかと相談したところ、俺はある程度綺麗な文字が書けるらしいので、写本、及び掲示板に貼るお知らせの複製の仕事を受注。
どうやら盗賊団を壊滅させた? 功績が高く評価され、初回が三種類(一種類はツバキちゃんの私用なので厳密には二種類)だったのに対して、今回は五種類も紹介された。
ナツメさんが対応してくれたが、やつれ顔がとても目立っていて、目の下のくまがとても濃い。
長話させるのもなんだかかわいそうなので受注をしたら、すぐに退散した。
写本や写しに使う原本を支給された袋に入れ、心に余裕ができたからか、宿までゆっくりとした足取りで帰る。
写本用の紙と白紙の本はどうやら俺が泊まっている宿に頼めばもらえるらしい。
ベネット商会の系列店では、ギルドに所属している傭兵(何でも屋)をサポートするため、内職関係の物資は、ギルドが発行する依頼書を見せれば、渡してくれるそうだ。
なので、戦争で足などに傷を負い、傭兵(戦闘関連)の仕事が出来なくなっても、安心して仕事にありつける。
さすが天下に名を轟かすベネット商会。
本当に感謝の極みだ。
おかげで傷が完全に癒えるまで、収入が断つことはない。
宿に帰って一週間分の予約をする。
ついでに依頼書を見せると、
「内職用の本と紙ですね、少々お待ちください」
もう何度も見る若い店員さんが自然な笑みを浮かべながら白紙の本と紙を持ってきた。
「お仕事、だいぶ軌道に乗ったようですね」
「あぁ、おかげさまで」
「でも無理は良くないですよ、ほどほどにしないとからだを壊してしまいますから」
昨日、怪我をして帰ってきて、治療を断わったのが原因か大分気を使ってくれている。
「心配するほどじゃないさ。エイドマッシュルームに治療薬の服用してるし、肩の矢傷も致命傷じゃなかったし」
肩に刺さった後、気絶するくらいの痛みが走るほど、太い矢だったが、エイドマッシュルームの効能の影響である程度痛みは引いた。
しばらく安静にしてればすぐにまともな動作は行えるだろう。
「そうですか。ではお仕事、頑張ってください」
必要な物を受け取って一回部屋に戻る。
ローブを部屋に備え付けられているハンガーに掛け、内職用の荷物を机の上に並べた。
さて、いざ仕事を始めるかと木製の椅子に腰かけると、
ギュルッ………ギュルルルルルルゥッ!
腹部から盛大な音が鳴る。
腹が減った。
そういえば昨日から今まで、ロクなもんを食べてなかった。
一応昨日、主食にエイドマッシュルーム、ドリンクは治療薬を食したが、あんなのじゃ空腹は満たされない。
疲労回復と命のやり取りによる極度の緊張が解けたため、一気にそのしわ寄せが押し寄せたのだ。
朝起きたのが遅かったので、現在の時刻はちょうど昼前。
「昼飯食うか」
終わったら仕事を始めよう。
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