178 / 190
満月の章 ダリアの黙示録
Stigma/権能羽化 2
しおりを挟む
※ヴァリエロン手前の街(invidia glaciesの舞台)までの出来事は特にイベントが無いので飛ばしております。
🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕
あれから約15日経過し、俺達はヴァリエロン領に入る手前の街、ラゼニアに到着した。
遠い向こうには巨大な関所がある。
通らなければヴァリエロンに入ることができない関所は長く堅牢に作られていた。
「あの関所を越えればいよいよね」
「長い旅路でしたね」
実際にはヴァリエロン領なので、大都市ヴァリエロンに入る為にはあと5日ほど時間がかかる。
なぜこれほど広大な領土の占有を許されているかというと、辺境故の距離的管理のしづらさ、ヴァリエロン以外の小都市から入る収益が少なく、発展が一箇所に限られる事、街道がベルギウスからラゼニアまでのと比べると、貧弱な道しかないことが挙げられる。
「ひとまず宿をとりましょ。カエデ、私と一緒についてきて」
「はっ!」
カレンはそう言うと、そのまま馬を歩かせる。
「え? 俺は?」
俺は慌てて馬を歩ませた。
「あぁ、あなたには別でお願いしたいことがあるわ」
懐からジャラジャラ音が鳴っている袋を取り出し、隣を並走する俺に手渡す。
大分重い。
「この街でヴァリエロンについての情報を調べてほしいの。些細な事でも構わないわ。少しでも変わったことがあったら教えて頂戴」
「分かった、それと集合する場所は?」
「そうね……………分かりやすい広場にしましょう。時間は夕刻前ね」
ベルギウス帝国民にとって、集まる場所や迷った時に良く使われるのが広場である。
帝国領なら必ず存在しており、犯罪者を処刑したり、地方だと収穫祭の催しごとを行う等、とにかく頻繁に使われるからだ。
「それにしても少し多くないか」
俺は念の為、先程貰ったウォルスを確認する。
「最低でも8000ウォルスくらいあるが…………」
「あなたへの手間賃とお昼分よ、遠慮しないで受け取って。お給金とは別だから」
雇い主がそういうので、ありがたくいただく事にした。
「じゃあお願いね」
そのまま二人は宿探しに行ってしまった。
「それで……………………ご主人様の所へはついて行かないのか?」
「ワン!」
俺の前で、馬にしがみついているクラリーチェが返事をする。
と思ったら俺の頭によじ登った。
「ええっとクラリーチェさん? 重いから降りてほしいんだけど」
「クゥン」
返事をしただけで降りる気配がない。
そんな様子を見ていた行き交う人々がクスクスと笑っていた。
仕方ない、この犬を乗っけたまま情報を探るか。
カレン達は宿を取ると言っていたな。
となると、大抵の宿は酒場と隣接しているので、俺はそこ以外を調べるか。
🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕
※文章また短くてすみません。
🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕
あれから約15日経過し、俺達はヴァリエロン領に入る手前の街、ラゼニアに到着した。
遠い向こうには巨大な関所がある。
通らなければヴァリエロンに入ることができない関所は長く堅牢に作られていた。
「あの関所を越えればいよいよね」
「長い旅路でしたね」
実際にはヴァリエロン領なので、大都市ヴァリエロンに入る為にはあと5日ほど時間がかかる。
なぜこれほど広大な領土の占有を許されているかというと、辺境故の距離的管理のしづらさ、ヴァリエロン以外の小都市から入る収益が少なく、発展が一箇所に限られる事、街道がベルギウスからラゼニアまでのと比べると、貧弱な道しかないことが挙げられる。
「ひとまず宿をとりましょ。カエデ、私と一緒についてきて」
「はっ!」
カレンはそう言うと、そのまま馬を歩かせる。
「え? 俺は?」
俺は慌てて馬を歩ませた。
「あぁ、あなたには別でお願いしたいことがあるわ」
懐からジャラジャラ音が鳴っている袋を取り出し、隣を並走する俺に手渡す。
大分重い。
「この街でヴァリエロンについての情報を調べてほしいの。些細な事でも構わないわ。少しでも変わったことがあったら教えて頂戴」
「分かった、それと集合する場所は?」
「そうね……………分かりやすい広場にしましょう。時間は夕刻前ね」
ベルギウス帝国民にとって、集まる場所や迷った時に良く使われるのが広場である。
帝国領なら必ず存在しており、犯罪者を処刑したり、地方だと収穫祭の催しごとを行う等、とにかく頻繁に使われるからだ。
「それにしても少し多くないか」
俺は念の為、先程貰ったウォルスを確認する。
「最低でも8000ウォルスくらいあるが…………」
「あなたへの手間賃とお昼分よ、遠慮しないで受け取って。お給金とは別だから」
雇い主がそういうので、ありがたくいただく事にした。
「じゃあお願いね」
そのまま二人は宿探しに行ってしまった。
「それで……………………ご主人様の所へはついて行かないのか?」
「ワン!」
俺の前で、馬にしがみついているクラリーチェが返事をする。
と思ったら俺の頭によじ登った。
「ええっとクラリーチェさん? 重いから降りてほしいんだけど」
「クゥン」
返事をしただけで降りる気配がない。
そんな様子を見ていた行き交う人々がクスクスと笑っていた。
仕方ない、この犬を乗っけたまま情報を探るか。
カレン達は宿を取ると言っていたな。
となると、大抵の宿は酒場と隣接しているので、俺はそこ以外を調べるか。
🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕🌕
※文章また短くてすみません。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
【R18】幼馴染の男3人にノリで乳首当てゲームされて思わず感じてしまい、次々と告白されて予想外の展開に…【短縮版】
うすい
恋愛
【ストーリー】
幼馴染の男3人と久しぶりに飲みに集まったななか。自分だけ異性であることを意識しないくらい仲がよく、久しぶりに4人で集まれたことを嬉しく思っていた。
そんな中、幼馴染のうちの1人が乳首当てゲームにハマっていると言い出し、ななか以外の3人が実際にゲームをして盛り上がる。
3人のやり取りを微笑ましく眺めるななかだったが、自分も参加させられ、思わず感じてしまい―――。
さらにその後、幼馴染たちから次々と衝撃の事実を伝えられ、事態は思わぬ方向に発展していく。
【登場人物】
・ななか
広告マーケターとして働く新社会人。純粋で素直だが流されやすい。大学時代に一度だけ彼氏がいたが、身体の相性が微妙で別れた。
・かつや
不動産の営業マンとして働く新社会人。社交的な性格で男女問わず友達が多い。ななかと同じ大学出身。
・よしひこ
飲食店経営者。クールで口数が少ない。頭も顔も要領もいいため学生時代はモテた。短期留学経験者。
・しんじ
工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。
【注意】
※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。
そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。
フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。
※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。
※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる