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いつもの電車
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駅で電車を待つ。
田舎は一時間に一本待つのが当たり前で、
退屈だけど、楽しいって思える。
それは…あの人に毎日会えるから。
誰かが歩いてくる音がする。
あ、あの人の靴の音だ。
少し白い肌。
スラリとした体型。
優しそうで、整った顔。
初めて彼を見たとき、一瞬で恋に落ちた。
この駅は、
田舎すぎてまったく人が来ない。
そのため、駅で二人きりになる。
話しかける勇気もなく、
いつもと同じように静かに電車を待つ。
……はずだった。
「あの、そこの人!
……ハンカチ落としましたよ。」
彼は私のハンカチを持っている。
さっき落としてしまったらしい。
彼はハンカチを
私にそっと手渡してくれた。
「拾ってくださったんですね!
ありがとうございます。」
わたしはハンカチを受け取り、
お礼を言った。
彼は笑顔で、どういたしまして。
と言った。
優しい声と笑顔。
私は、息をするのも忘れるほど
見とれてしまった。
電車の音がする。
もうすぐ着くらしい。
いつもの待ち時間も、今日は短く感じた。
少しだけ新鮮な気持ちになれた。
初めて彼と話した日、
私はきっと忘れることはないだろう。
電車の音が響く駅のホーム。
そんないつもの日々が、
がたん、ごとんと揺れる。
いつしか二人の影が重なりあって
一つになるまで、電車は揺れていた。
田舎は一時間に一本待つのが当たり前で、
退屈だけど、楽しいって思える。
それは…あの人に毎日会えるから。
誰かが歩いてくる音がする。
あ、あの人の靴の音だ。
少し白い肌。
スラリとした体型。
優しそうで、整った顔。
初めて彼を見たとき、一瞬で恋に落ちた。
この駅は、
田舎すぎてまったく人が来ない。
そのため、駅で二人きりになる。
話しかける勇気もなく、
いつもと同じように静かに電車を待つ。
……はずだった。
「あの、そこの人!
……ハンカチ落としましたよ。」
彼は私のハンカチを持っている。
さっき落としてしまったらしい。
彼はハンカチを
私にそっと手渡してくれた。
「拾ってくださったんですね!
ありがとうございます。」
わたしはハンカチを受け取り、
お礼を言った。
彼は笑顔で、どういたしまして。
と言った。
優しい声と笑顔。
私は、息をするのも忘れるほど
見とれてしまった。
電車の音がする。
もうすぐ着くらしい。
いつもの待ち時間も、今日は短く感じた。
少しだけ新鮮な気持ちになれた。
初めて彼と話した日、
私はきっと忘れることはないだろう。
電車の音が響く駅のホーム。
そんないつもの日々が、
がたん、ごとんと揺れる。
いつしか二人の影が重なりあって
一つになるまで、電車は揺れていた。
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