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仕返しするね
しおりを挟む「──────わたし、ね。よく能天気だとか、おっとりしてるねって言われるけど。酷い言葉や態度にまったく傷つかない訳じゃないのよ」
床に苦しそうに倒れている男を見下ろして、少女はポツリポツリと言う。
『俺の命令は絶対だ。逆らえばどうなるのか、分かるな?』
『言い訳するな、見苦しい』
『自分を正当化しようとするなんて。なんと卑しい奴なんだ』
「いつもいつも、そんなこと言われ続けて。わたしの心がちっとも傷つかないなんて、本当に思ってたの?」
「………………あっ、違うか。だって、貴方にとってわたしはただの奴隷で、使い捨てるだけの道具。意見以前にわたし自身が心底どうでもいいんだっけ」
ゴホゴボと咳き込みながら、男はなんとか立ちあがろうとするが上手くいかない。
泥酔した酔っ払いのようにフラフラとしている。
「貴方との婚約、破棄するわ。でも、その前に今まで魔法で痛めつけられた身体の分のお返しをあげる」
「……………………遠慮しなくていいわよ。嫌になるぐらい。たっぷりと味あわせて、あげるから……………………ねぇ………………」
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