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1.変わってしまった関係 ※

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「あっ…んっ、はぁっ」

 後ろから力強く突き上げられルシアは甘い声を漏らした。
 
 普段は意識しないようにしていても、行為の時はどうしても男であると強く感じさせられる。
 ルシアを背後から覆う体は大きくて、ルシアの手を掴む手もゴツゴツしていて、耳元で聞こえる息遣いは色っぽく、中にガツガツと入り込んでくる肉竿はとても凶暴だ。

 ああやっぱり男の子なんだなと、奥に肉竿を押し付けられるたびに気付かされ、自分は彼の種を繁栄させるための雌として捕らえられたのだと実感させられる。

 中が熱い。
 擦れ合ってぐちゃぐちゃになってる。たくさん擦れて、もう出ちゃいそう。
 彼が中に出したら彼の子を孕むのだろうか。

 そう考えて、嫌じゃないと思っている自分がいて頬を染めた。この気持ちはなんだろう。
 嫌じゃないどころか、むしろ欲しいと思ってしまっているかもしれない。
 
 ルシアは振り返って青年に尋ねた。

「んっ、…あっ、ディランきもちい…?」

 甘ったるい声で尋ねると青年は吐息混じりに答える。

「ええ。とても」

 いつも通り無愛想な口調だが、声には色気があって興奮していることはよくわかった。
 ルシア相手にも欲情してくれてよかったと安心すると、余裕があるように見えたのか、青年は少し苛立たしげにルシアの胸に触れた。

「貴女はそうでもなさそうですね」
「あっ…やぁっ」

 豊かな胸の先端をたくさんなぞるときゅっと優しく摘まれる。
 力加減がちょうど良くてついつい青年の前でやらしい声を出してしまい、恥ずかしくて口を塞ごうとするとすぐに手を掴まれた。

「だめですよ。我慢しようなんて思わないでください」

 耳元で囁かれて背後から強く腰を打ちつけられる。まだ体は完成しきってはいなくて、ほのかに少年らしさを残すのに、中心から生える雄の象徴だけはすでに立派でルシアの中を蹂躙する。

 太くて硬い肉の塊がぬぬっと押し入ってきて腰がぶつかる。奥に先端が擦れて、奥まで届くくらい興奮しているのだと思うとルシアも気持ちが高揚して、つい甘い喘ぎ声を漏らす。

 竜族特有のほのかに甘い香りが漂ってきてディランに抱かれているのだと意識するとますます歯止めが効かなくなった。

 ディランはまだまだ幼くて、ルシアは母親のように接しているつもりだったのに、全然そんなことはなくて、本能的に一人の男性として認識していたのだと改めて思い知らされた。

 腹の奥がディランを欲している。
 自分の中の女の部分が疼いて、しっかりと求めている。
 自然とルシアの腰が動いて、すりすりと押し付けると、ディランは興奮した様子でのしかかってきた。

「あっ、はぁ、だめぇ…強い」

 獣のように四つん這いになって交わっていたが、激しさに耐えきれずルシアはぺしゃんと潰れる。

 うつ伏せになっても勢いは衰えず、快楽に酔いしれながらも一生懸命奉仕するようにディランは腰を揺らして太い雄で中を刺激した。

 ルシアの細い腰がディランの手で掴まれて、押し付けられただけでベッドから起き上がれなくなる。
 圧倒的な力差を見せつけられて、いつの間にこんなに大きくなったのだろうと思いながらも、その頼もしさや男らしさに心を揺さぶられた。

 わずかに残っていた親としての愛情のようなものが確実に消え去っていくのを感じる。

 自由を奪われ、ベッドに押し付けられながら肉竿を中に押し込まれるたびに、目の前にいるのは自分の育てた男の子なんかではなく、立派に成長した上等な雄で、その雄の気まぐれで喰われているのだと思い知らされた。

 シーツを掴んで中に入り込んでくる肉竿の先端が奥に当たる度に喘ぐ。それしかできなくて無力だと思うのに、体はそんな雄に求愛されて種を植え付けられようとしていることに強い満足感を得ていた。

 なんて浅ましいのだろう。
 頭ではダメだとわかっているのに、心ではディランに抱かれたいと思っているし、体も快楽に溺れて抗えない。心と体に引っ張られて頭が馬鹿になる。

「ルシア」

 名前を呼ばれて顔を上げて後ろを向くと愛おしそうな目をするディランと視線が合って、体がぴたりと覆い被さってくる。
 背後から抱きつかれたままちゅっと唇を奪われてぼんやりしていると、何度もキスされた。

 キスをねだる様子が可愛くて、後ろから押しつけられる肉竿に喘ぎながらも全てのキスを一生懸命に受け入れると、いつも冷めた顔ばかりのディランが微かに優しく微笑む。
 珍しいと思いながらじっと見ているとまた強く腰の辺りを掴まれベッドに押し付けられると今度は背中に口づけを落とされた。

 それを皮切りに腰の打ちつけが早くなって荒々しい息がディランから漏れ始める。もう出てしまうのではないかと思うほど張り詰めていた雄がもっと硬くなって今度こそ吐精が近いようだった。

 大きなものがぬるぬると中を出入りしている。ディランのものだと思うと腹が疼いて、精を吐こうとしているのだと思うと中がうねって吸い付いた。

「…ルシア。そんなに締め付けないで」

 ディランにもルシアの興奮は伝わっているようで、恥ずかしく思いながらもさらに気持ちは昂っていく。

 締め付けないはずがないではないか。だってルシアはディランのものが欲しいのだから。腹の奥に出して欲しいのだから。
 ルシアは恥ずかしくなってベッドに突っ伏して髪の毛で顔を隠したが、腰は大胆にディランの突き上げに合わせて揺れていた。

 パンパンと体のぶつかる音が聞こえて、ルシアの喘ぎ声が響き渡って、ディランの低い息を吐く声が合わさる。
 部屋中が淫靡な雰囲気に包まれて互いに興奮して夢中で抽送を繰り返すと、ルシアの方が先に限界を迎えた。

「あぁぁぁ…」

 逞しい雄に何度も可愛がられて体を震わせる。びくびくと痙攣しているとその様子に欲情したディランがルシアの背中を掴んだ。
 絶対に逃げないようにルシアを強くベッドに押し付けると、微かにうめき声を漏らして腰を押し付けた。

 ルシアの上に強くのしかかり腰をぐりぐりと動かす。

 雄の欲望が奥を狙うように入り込んできて腹をこじ開けられた。深くに入れられても痛みなどはなくて、ディランの全てを受け入れるようにルシアの体はディランを飲み込んだ。

 こんなに深く繋がれるのかと思っているとディランが吐息を吐いて、腹の中に熱の塊を放った。
  
 びゅっと中に種が出る。とうとう出されてしまったと思いながらも、ディランの子種を自分の腹で受け入れていることが嬉しくて、暴れることなくしっかりと受け止める。

 ディランも初めは緊張した様子でルシアにいつ抵抗されてもいいように体を抑えながら射精していたが、ルシアに逃げる気がないとわかると甘えるように覆い被さってきて隙間なく重なったまま隅々に行き渡るまで落ち着いた様子で精を放った。

 竜人族は子供ができにくいと聞く。
 それが納得できるくらい、根付いてくれと言う意思の込められた量を熱心に一番奥に出された。

 もうお腹いっぱいで疲れていると、疲労困憊であることを悟ったのかディランはやっと肉竿を中から抜いてくれた。抜けていく感覚が寂しくて甘い声が漏れてルシアは恥ずかしくなる。
 どこからどこまでも男に傅く哀れな女に成り下がってしまった。もう元には戻れないだろうと考えていると、ルシアのことをじっと見ていたディランが足の間に手を入れて秘部を撫でた。

「ひゃっ…」

 ぐったりして余韻に浸っていたルシアはその時間を邪魔され少し怒ったようにディランを睨むとディランは若干申し訳なさそうにしながら別の手でルシアの頬を撫でた。

「すみません。少し触らせてください」

 今度は律儀に断るとルシアの秘部に何度か触れて指を奥に押し込んだ。

「はぁっ…」

 ぬっと簡単に入って、中をかき混ぜられたかと思うとすぐに引き抜かれる。
 
 何だったのかと思っていると中から垂れてくる感覚があって慌ててに腹に力を入れる。しかしそんな努力も虚しく、中に入っていたものはとろりと出てきてしまった。

「だめ…出ちゃう」

 ああ、どうしよう。ディランにもらったものが出てきている。

 ルシアは恥ずかしくなったが、ディランはそれが目的だったようで、ルシアの足を掴んで秘部を眺めると満足した様子で、その出てきた白濁をルシアの秘部やその周りに塗りつけた。

「なに…?」
「すぐとります。竜人族の中でのマーキングみたいなものです。ちゃんと僕の匂いを付けておかないと取られかねないので」

 取られかねないので、と告げた時のディランの顔はなんだか狂気じみていて怖かったが、ルシアに興味を持っているがゆえの行動なのだと思うとあまり悪い気はしなかった。

「そうなの…」

 それに、ルシアのその時はくたくたで、もう何も考えたくなかった。とても無防備な姿を晒していることは分かっていたが、ディランのそばなら安全だと確信して意識を手放してしまった。




      ◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 やった。やってしまった。
 とっても濃厚な時間を過ごしてしまった。

 ルシアの体はしっかりとその感覚を覚えていて、足の狭間には違和感があるし、腰は痛いし、身体中は見事に筋肉痛だった。

 窓から漏れる朝日を浴びながらゆっくりとベッドから起き上がると、そばにしっかりと水が置かれていて相変わらず気が利くなと思いつつ、初めてのはずなのにと勘繰ってしまう。

 別にディランが初めてだろうとそうでなかろうとルシアにとやかく言う権利などないのに。
 ルシアはディランの妻でも恋人でもない。ただの保護者…いや元保護者でしかないのだ。

 水を飲んで少しぼんやりすると頭は冴えてきて、改めて辺りを見回す。そこはなんの変哲もないディランの部屋だった。
 見慣れた空間であるからこそ、今ルシアがこうしてディランのベッド上にいることが異様に感じられてとても落ち着かなかった。

 本当にあのディランと一線を超えてしまったのだと改めて思うと、いろんな感情と記憶が押し寄せてきた。




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