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第3章 白狼と最愛の人
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第2都市アナザレムにある大きな会場。
今日はここでアスマニカからやってきた剣舞団が剣技を披露する日だ。
「ずいぶん派手な券だな。」
「それだけ特別ってことかな?」
ガイアスとミアはキラキラと光る金色のチケットを持ち、ゲートをくぐった。前回と同じく前の方へどんどん進み、最前列まで来た。
「わぁ、真ん中だね!」
最前列の真ん中とあって興奮を隠せないミアは、ガイアスの腕をぐいぐいと引っ張る。そんなミアを席に座るよう促すと、販売員に飲み物を2つ注文した。
この会場の新作だというスイーツも購入すると、ミアは嬉しそうに食べていた。もっちりとした生地に生クリームがたっぷり挟んであるソレを口の端につけているミアの口元を指で拭い舐めると、子ども扱いされたと思ったのか、ミアが「言ったら取るから、」と拗ねた声を出した。それに微笑み頭を撫でるガイアス。
2人はバカップルよろしく剣舞が始まるまで、ずっとこの調子だった。
辺りがざわめきだし、いよいよ剣舞が始まるのだと分かる。手拍子して待っていると、音楽と共に最初の剣舞団が出てきてミアは食い入るようにそれを見つめた。
最後の剣舞団が入場し、会場は最高潮に盛り上がる。トリを飾るのは、やはり前回同様、このチケットをくれたエドガー率いる剣舞団だった。
「きゃ~!エドガーさま~!」
黄色い声が響き、彼はそれに応えるように手を振りながら入場する。
そして全員が位置についたところで、エドガーが真ん中の席、ミアに向けてウインクをした。
しかしミアは団員達の配置を見て「前回と違う並び方だね。」とガイアスに耳打ちをしており、ちっともエドガーを見ていなかった。
その様子に、エドガーは早くも心が折れそうだったが、ファン達の前でそんな顔はできない。すぐに笑顔を見せ、他の方向へとウインクをすると、会場の女性陣がさらに色めき立った。
「金のチケットで入場されたお客様は、こちらでお待ちください。」
この剣舞のチケットは会場を後にする際に回収されるシステムだ。ガイアスが金色のチケットを2枚まとめて係の者に手渡すと、別室で待つよう言われた。
「何か貰えるのかな。」
「さあ、あいつに会えるとかじゃないか?」
ガイアスが言うあいつとはエドガーのことだとすぐに分かったが、スターである彼が、たった1度店で一緒になった俺達に会いに来るとは夢にも思わないミア。どこか警戒した様子のガイアスに「それはないでしょ。」と笑って腕を叩いた。
「やぁ、来てくれて嬉しいよ!久しぶりだね!」
「ほらな。」
ガイアスが言う通り、この部屋へやってきたのはエドガーだった。ミアは本当に現れたエドガーに驚きつつも、観たばかりの素晴らしい剣技に賛辞を贈る。
酒を飲んでいた前回とは違い、エドガーも紳士に対応していたため、ガイアスは特に何もせずに見守っていた。話をし、何で俺達に会いに来たのか尋ねたミアに、エドガーはチラっとガイアスの顔を確認する。そしてまたミアの方へ向くと、真剣な表情になった。
「君に伝えたいことがあって来たんだ。」
「何ですか?」
彼の前ではちょっと、とガイアスに少し席を外してもらうよう頼むエドガー。今から何をするつもりなのか、だいたい検討のつくガイアスは、少し眉をひそめたが、エドガーを牽制するように睨むと部屋を出て行った。
「あの、なんでしょうか?」
ミアは廊下に出されたガイアスが気になるようで、チラっと扉を確認した。エドガーは、少し息を吸い込むと、思い切ったように声を出した。
「前にも言ったんだが…アスマニカに来てほしいんだ!」
「はい!ぜひ行きたいです。」
にこにこと返事をするミア。
恋人がいると分かっている今では、エドガーは目の前の青年に気持ちを伝えるつもりはなく、せめて団長として勧誘だけでも…と考えていた。しかし、予想外のミアの返事に『もしかして彼とは別れたのか?』と都合の良い考えが頭をよぎる。
「え、それって…あの、僕は貴方と、」
「婚約者も連れて行っていいですか?さっきまで一緒にいた彼です。」
言い切った後、エドガーが何か言いかけていたことを聞き逃したミアは、もう一度言ってもらおうと尋ねる。
「俺と…?俺と何かしたいんですか?」
首を少しかしげるミアの姿は可愛らしく、エドガーはぐっと喉がつかえる。そして頭に浮かんだ言葉をそのまま伝えた。
「…ッ友達になりたいんだ!」
大人になって、こんなに真剣に友達になりたいなどと言われたことがなく、ぽかんとするミア。「ダメかな…?」と自信なさげに窺うエドガーに、ミアはハッとして「いえ!」と答えた。
「俺でよければ、よろしくお願いします。」
それから、「話は終わったよ」とエドガーは廊下に出ていたガイアスを呼び入れた。
ミアと2人きりになりたいと言ったエドガーに、婚約者であるガイアスが怒っていないか不安に思ったが、思いの外変わらない表情で入ってきたことに驚く。
これが婚約者の余裕か…とまた苦しくなったエドガーだったが、実はエドガーの声は、廊下の扉前にいたガイアスにすべて聞こえていた。
ミアの返事から、エドガーに振り向きもしてないことが明らかだったことと、「友達になりたい」のくだりに少し憐みを感じたガイアスは、エドガーに対し少し優しい気持ちを持てるようになっていた。
エドガーは、再度確認するようにミアに真相を尋ねる。
「君達は結婚する…んだね。」
「はい!アスマニカには結婚した後2人でお伺いしますね。」
「あはは…」と元気無く笑う姿に、ミアは気づかずにこにことしている。撃沈しているエドガーに、ガイアスは慈悲でミアの名前を教え、自分を通しての文通くらいなら…とガイアスの屋敷の住所を教えた。
「握手してもいいかな?」
そう言って視線を向けてきたエドガーにガイアスが頷く。エドガーは「またアナザレムかルシカで剣舞をする時には連絡をする。見に来てくれ。」とミアの小さな手を握った。
ミアは見た目に反してゴツく固いエドガーの鍛え抜かれた手に驚いたと同時に、同じく剣を振っている者として心から尊敬の気持ちを持った。
ミア達が出て行き、備え付けのテーブルにうなだれているエドガー。隣の部屋で話を盗み聞きしていた団員達が部屋へ入ってきた。
「団長~!だから言ったじゃないですか。」
「諦めて次に行きましょうよ!」
「ほら、団長めあての子達が出口でたっくさん待ってますよ!」
「…うるさい。」
エドガーは、結婚を控えている幸せな2人をどうにかする気はないが、今は振られたばかりで心の整理ができない。心配する団員達に「今行く。」と返事をすると、胸ポケットへミアに繋がる連絡先を大事に入れる。
そしてスターの顔へと戻り出口に向かうと、待っていたファン達へさわやかに手を振った。
今日はここでアスマニカからやってきた剣舞団が剣技を披露する日だ。
「ずいぶん派手な券だな。」
「それだけ特別ってことかな?」
ガイアスとミアはキラキラと光る金色のチケットを持ち、ゲートをくぐった。前回と同じく前の方へどんどん進み、最前列まで来た。
「わぁ、真ん中だね!」
最前列の真ん中とあって興奮を隠せないミアは、ガイアスの腕をぐいぐいと引っ張る。そんなミアを席に座るよう促すと、販売員に飲み物を2つ注文した。
この会場の新作だというスイーツも購入すると、ミアは嬉しそうに食べていた。もっちりとした生地に生クリームがたっぷり挟んであるソレを口の端につけているミアの口元を指で拭い舐めると、子ども扱いされたと思ったのか、ミアが「言ったら取るから、」と拗ねた声を出した。それに微笑み頭を撫でるガイアス。
2人はバカップルよろしく剣舞が始まるまで、ずっとこの調子だった。
辺りがざわめきだし、いよいよ剣舞が始まるのだと分かる。手拍子して待っていると、音楽と共に最初の剣舞団が出てきてミアは食い入るようにそれを見つめた。
最後の剣舞団が入場し、会場は最高潮に盛り上がる。トリを飾るのは、やはり前回同様、このチケットをくれたエドガー率いる剣舞団だった。
「きゃ~!エドガーさま~!」
黄色い声が響き、彼はそれに応えるように手を振りながら入場する。
そして全員が位置についたところで、エドガーが真ん中の席、ミアに向けてウインクをした。
しかしミアは団員達の配置を見て「前回と違う並び方だね。」とガイアスに耳打ちをしており、ちっともエドガーを見ていなかった。
その様子に、エドガーは早くも心が折れそうだったが、ファン達の前でそんな顔はできない。すぐに笑顔を見せ、他の方向へとウインクをすると、会場の女性陣がさらに色めき立った。
「金のチケットで入場されたお客様は、こちらでお待ちください。」
この剣舞のチケットは会場を後にする際に回収されるシステムだ。ガイアスが金色のチケットを2枚まとめて係の者に手渡すと、別室で待つよう言われた。
「何か貰えるのかな。」
「さあ、あいつに会えるとかじゃないか?」
ガイアスが言うあいつとはエドガーのことだとすぐに分かったが、スターである彼が、たった1度店で一緒になった俺達に会いに来るとは夢にも思わないミア。どこか警戒した様子のガイアスに「それはないでしょ。」と笑って腕を叩いた。
「やぁ、来てくれて嬉しいよ!久しぶりだね!」
「ほらな。」
ガイアスが言う通り、この部屋へやってきたのはエドガーだった。ミアは本当に現れたエドガーに驚きつつも、観たばかりの素晴らしい剣技に賛辞を贈る。
酒を飲んでいた前回とは違い、エドガーも紳士に対応していたため、ガイアスは特に何もせずに見守っていた。話をし、何で俺達に会いに来たのか尋ねたミアに、エドガーはチラっとガイアスの顔を確認する。そしてまたミアの方へ向くと、真剣な表情になった。
「君に伝えたいことがあって来たんだ。」
「何ですか?」
彼の前ではちょっと、とガイアスに少し席を外してもらうよう頼むエドガー。今から何をするつもりなのか、だいたい検討のつくガイアスは、少し眉をひそめたが、エドガーを牽制するように睨むと部屋を出て行った。
「あの、なんでしょうか?」
ミアは廊下に出されたガイアスが気になるようで、チラっと扉を確認した。エドガーは、少し息を吸い込むと、思い切ったように声を出した。
「前にも言ったんだが…アスマニカに来てほしいんだ!」
「はい!ぜひ行きたいです。」
にこにこと返事をするミア。
恋人がいると分かっている今では、エドガーは目の前の青年に気持ちを伝えるつもりはなく、せめて団長として勧誘だけでも…と考えていた。しかし、予想外のミアの返事に『もしかして彼とは別れたのか?』と都合の良い考えが頭をよぎる。
「え、それって…あの、僕は貴方と、」
「婚約者も連れて行っていいですか?さっきまで一緒にいた彼です。」
言い切った後、エドガーが何か言いかけていたことを聞き逃したミアは、もう一度言ってもらおうと尋ねる。
「俺と…?俺と何かしたいんですか?」
首を少しかしげるミアの姿は可愛らしく、エドガーはぐっと喉がつかえる。そして頭に浮かんだ言葉をそのまま伝えた。
「…ッ友達になりたいんだ!」
大人になって、こんなに真剣に友達になりたいなどと言われたことがなく、ぽかんとするミア。「ダメかな…?」と自信なさげに窺うエドガーに、ミアはハッとして「いえ!」と答えた。
「俺でよければ、よろしくお願いします。」
それから、「話は終わったよ」とエドガーは廊下に出ていたガイアスを呼び入れた。
ミアと2人きりになりたいと言ったエドガーに、婚約者であるガイアスが怒っていないか不安に思ったが、思いの外変わらない表情で入ってきたことに驚く。
これが婚約者の余裕か…とまた苦しくなったエドガーだったが、実はエドガーの声は、廊下の扉前にいたガイアスにすべて聞こえていた。
ミアの返事から、エドガーに振り向きもしてないことが明らかだったことと、「友達になりたい」のくだりに少し憐みを感じたガイアスは、エドガーに対し少し優しい気持ちを持てるようになっていた。
エドガーは、再度確認するようにミアに真相を尋ねる。
「君達は結婚する…んだね。」
「はい!アスマニカには結婚した後2人でお伺いしますね。」
「あはは…」と元気無く笑う姿に、ミアは気づかずにこにことしている。撃沈しているエドガーに、ガイアスは慈悲でミアの名前を教え、自分を通しての文通くらいなら…とガイアスの屋敷の住所を教えた。
「握手してもいいかな?」
そう言って視線を向けてきたエドガーにガイアスが頷く。エドガーは「またアナザレムかルシカで剣舞をする時には連絡をする。見に来てくれ。」とミアの小さな手を握った。
ミアは見た目に反してゴツく固いエドガーの鍛え抜かれた手に驚いたと同時に、同じく剣を振っている者として心から尊敬の気持ちを持った。
ミア達が出て行き、備え付けのテーブルにうなだれているエドガー。隣の部屋で話を盗み聞きしていた団員達が部屋へ入ってきた。
「団長~!だから言ったじゃないですか。」
「諦めて次に行きましょうよ!」
「ほら、団長めあての子達が出口でたっくさん待ってますよ!」
「…うるさい。」
エドガーは、結婚を控えている幸せな2人をどうにかする気はないが、今は振られたばかりで心の整理ができない。心配する団員達に「今行く。」と返事をすると、胸ポケットへミアに繋がる連絡先を大事に入れる。
そしてスターの顔へと戻り出口に向かうと、待っていたファン達へさわやかに手を振った。
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