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第1章 白狼は恋を知る
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この棟は、特別な式の際の観覧席として他国の王族やこの国の政治関係者が座るために作られた特別な建物だ。
(警護のために何回か出入りしたことはあるが、まさか自分が警護される側になるとはな。)
少し妙な気分で棟の中に入っていくガイアスだった。
下部分は会談の際に使われる応接室や、控室などがあり、式が始まるまでは応接室で待つよう言われる。
「…あの、隊長はなんで今日ここにいるんっスか?」
この棟の警備にあたっている自分の隊の部下マックスが「今日は休みだったんじゃ…」と聞きにくそうに尋ねてきた。
「午前中休みを取って式を見に来た。」
「そうじゃなくて、俺が聞きたいのは『招待状を誰から貰ったか』ってことっス!」
「ああ、それは言えないな。」
「なんでっスか~!あ、遠征のご褒美に王から貰ったんでしょ!」
「おいおい、恩賜のための謁見はまだだ。何か月か遅れて遠征に参加した班がつい先日帰ってきたばかりだからな。おそらくまだ先になるだろう。」
「え~、まじで謎っス。」
「そのうち言う…かもしれない。」
「今聞きたいんス!」
「てか招待状持ってるなら言ってくださいよ~」とボヤく部下に、お前に伝えたところでどうなるんだ、と不思議に思う。
「そういえば、昼からは大丈夫なんスか?」
「午前休だからな。昼からは働く。」
「なら良かったっス。…あ、そろそろ上に上がるみたいっスね。」
数人を先頭に、上へと向かう階段を上がっていく。
指定された席に着いたところで、自分の隊の隊員が何名か警備のために配置されていることに気づく。皆驚いたようにガイアスを見たが、すぐに前を向き仕事を続ける。
そして、ちゃっかりとガイアスの横に立つマックスは、ガイアスの動きから何か情報を得ようと企んでいるようだ。
今もガイアスをじっと観察している。
「ジェンは下で警護の指揮だったな。」
「そうっス。副隊長には悪いけど、俺ここの警備で良かった~。城前警備が一番大変そうだったっス。」
第7隊の副隊長であるジェンは、ガイアスが自ら自衛隊に引き抜いた人物だ。
学校で出会った時から、ずば抜けた身体能力と剣の腕に圧倒された。
卒業してからは、ガイアスは自衛隊へ、彼は植物学者になるために専門的な学部へ進学した。
そしてガイアスが若干21歳で隊長になった時には、ジェンを引き抜こうと研究室へと通った。
最初は難しい顔をしていたが、剣が元々好きだったこともあり、最後に首を縦に振ったジェンには感謝しかない。
一般の隊員として入隊し、その後はみるみる頭角を表し遠征が始まる数か月前には副隊長となった。
今ではガイアスをしっかり支える、居なくてはならない存在だ。
(ジェンには申し訳ないことをしたな…。)
ガイアスが休んでしまったことで、ジェンへの負担が増えてしまったことに少し罪悪感を覚える。
「あ、カーテン開くみたいっスよ。」
目の前の赤いカーテンが左右に開かれ、城のバルコニーが見えた。
(まだミアはいないな…。)
バルコニーには式を取り仕切る数名と警備の者のみだ。
「あ、始まるみたいっスね。」
しばらくして大歓声と拍手の音が鳴り響いた。
王を先頭に出てきたラタタ家に、この棟でも拍手が起こる。
ガイアスはミアをじっと見つめた。
今日のミアはまさに王族といった出で立ちで、輝いている銀の髪や白い耳は、光を受けて神々しいとすら言える。
(綺麗だ…。)
素直にそう思っていると、どの席からも「なんと美しい…」「あれがラタタ家の狼…」と呟く声がし、皆身分の高い者でありながら、口をあんぐりと開けて凝視している。
例になくガイアスもじっと見つめていたが、席に着いたミアが何かを探すようなそぶりをし始めた。左右を見て前を向いたと思うと、下から順にガイアスを探しているようだった。
(まだ席に着いたばかりなのに、もう俺を探しているのか…。)
キョロキョロと、控えめにではあるが視線を彷徨わせるミアが愛しくて可愛い。
そして目が合ったと思ったら、左手の人差し指と中指を前に2回倒してきた。
ふっ、と表情を緩めながら同じ仕草を返してやると、気のせいか嬉しそうに笑った気がした。
「あ、ミア様がなんか可愛いポーズしたっスよ!隊長見ました?!」
「ああ。」
(あれは俺に向かってしてるからな。)
「ミア様、すっごい美人ですね。いや、美人って言っていいのかな。なんか天から来たみたいっス。」
「そうだな。」
「リース様も可愛いっスね~!ミア様に似てるけど、癒し系っていうか…。わ、サーシャ様も噂に違わず凄い美人っスね。あの方はカルバン様かな。本にあった通り彫刻みたい…かっこよすぎるっス!」
「お前やけに詳しいな。」
「俺、今日で一生分の運を使い果たしたかもしれないっス…。」
うっとりと前を向くマックスは「今日は人生最高の日っス~!」と大げさに喜び、また軽口をたたく。
「もし俺がミア様と付き合えたら」おい、お前はちゃんと仕事をしろ。」
たとえ想像でも、ミアを汚されたような気がして思わず突っ込んでしまったガイアスであった。
・・・・・
ミアの挨拶も無事終わり、他もつつがなく進んでいく。
昼を過ぎ、王による締めの言葉が終わると、最後はサバル国の剣舞でフィナーレとなった。
かしこまって座っていたミアだったが、この時ばかりは立ち上がり、バルコニー前の方へ出ていく。
ラタタ家の他の者も、みんな手すりの近くまで集まった。
大きめの剣を横に持った25人の自衛隊がズラッと並ぶ姿に、ミアは興奮して食い入るように見る。
金属でできた鎧甲が頭から胴体を覆い、顔は見ることができない。
それ以外の部分は黒い革でできた光沢のある服で、赤と黒のベルトや布が装飾としてつけられている。
足のふくらはぎ辺りまである赤いマントは、舞った時に美しくなびくのだろう、と想像できる。
太鼓と笛の音が始まる。
しばらくすると、今まで人形のようにピタッと止まっていた男達が剣を鞘から抜き取る。
ブオンと音がしそうなほど速く力強い動きは息を忘れるほど美しく、ミアは見ているだけで胸が熱くなる。
全体を見るように注意していたミアだったが、一人の男の動きを目で追ってしまう。
猛々しく振り下ろされる剣の動きや、それとは逆に繊細な剣さばき。
彼は以前自分が見た男と同一人物であると確信した。
現に、今もミアの目を捉えて離さない。
わぁあああああ
歓声が剣舞の終わりを告げる。
25人の隊員達はその場にピタっと立ち、剣を直していく。
ミアが目で追っていた男は、軽く剣を払う仕草をして鞘へと納めた。
ミアは思わず息を飲む。
その動きはガイアスがいつも剣をしまう時にする動作だ。
以前、その動きについて聞いた時、「祖父から聞いた話だが…」と、理由を教えてくれたことがある。
ガイアスの曽祖父は、若い時に戦争で戦ったことのある人で、『剣を扱う時、亡くなった仲間や命を奪った人間の魂が自分を覆っているような気分になる。』と言っていたそうだ。
剣を収める時には、そのドロドロとしたモノを払い落とし戦いを忘れたいと、剣を払うような仕草をするのが習慣になった。
そんな曽祖父の意志を祖父も、それを聞いたガイアスも忘れないよう、今もこうやって剣に纏う魂を払っているのだ。
(俺の憧れの人はガイアスだったのか…。)
歓声の中、去っていく自衛隊の男達を見守るとラタタ家も後ろへと下がる。
王が最後に締めの挨拶をし、会場は大いに盛り上がった。
控室に戻り何かを考えているミアに、兄妹達が話しかける。
「おいミア。式は終わったから、もう着替えていいぞ。」
「剣舞が見れて良かったわね~。」
「ミア、お疲れ様。」
「ねぇ…剣舞をしてた人達の控室ってどこ?」
ミアが静かに問いかける。
「……おい、まさかと思うが行く気じゃないだろうな。」
こめかみに青筋を立てながら、カルバンが問うが、リースがすかさず答えた。
「目の前の棟の1階だよ。」
「おい!リース。」
「あら。」
「後で戻る。」
それだけを言うとヒュンと消えてしまったミア。
察しの良いリースは「頑張れ。」と小さくエールを送ったが、その頭を兄にガシッと掴まれる。
恐る恐る後ろを振り返ると、兄が眉をこれでもかとしかめさせて、リースを見下ろしていた。
挨拶が終わった王と話をしていた父アイバンと母シナが、子ども達のいる控室に入ってきた。
「あれ?ミアがいないな。」
「…ミアなら、用があると一旦帰りました。」
明るい声で問う父アイバンと、暗い声色で答えるリース。そして後ろからリースを睨むように立っているカルバン。
そんな2人をニコニコしながら見守っているスーシャの図は、少しおかしいが誰もつっこまない。
「そうなのか。今日はパーティがあるからな。それまでに戻れば問題なしだ。」
仲の良いサバルの王と飲めるとあって、今からワクワクとしている父はいつもより寛大だ。
「アイバンが今日、飲みすぎないといいんだけど。」
「…母上、それは無理でしょう。」
「よね~。」
「俺は誰にも止められん!」
はっはっは、と笑う父を見ていると、カルバンはミアへの怒りが少し削がれ、はぁー、と諦めたように息を吐いた。
(警護のために何回か出入りしたことはあるが、まさか自分が警護される側になるとはな。)
少し妙な気分で棟の中に入っていくガイアスだった。
下部分は会談の際に使われる応接室や、控室などがあり、式が始まるまでは応接室で待つよう言われる。
「…あの、隊長はなんで今日ここにいるんっスか?」
この棟の警備にあたっている自分の隊の部下マックスが「今日は休みだったんじゃ…」と聞きにくそうに尋ねてきた。
「午前中休みを取って式を見に来た。」
「そうじゃなくて、俺が聞きたいのは『招待状を誰から貰ったか』ってことっス!」
「ああ、それは言えないな。」
「なんでっスか~!あ、遠征のご褒美に王から貰ったんでしょ!」
「おいおい、恩賜のための謁見はまだだ。何か月か遅れて遠征に参加した班がつい先日帰ってきたばかりだからな。おそらくまだ先になるだろう。」
「え~、まじで謎っス。」
「そのうち言う…かもしれない。」
「今聞きたいんス!」
「てか招待状持ってるなら言ってくださいよ~」とボヤく部下に、お前に伝えたところでどうなるんだ、と不思議に思う。
「そういえば、昼からは大丈夫なんスか?」
「午前休だからな。昼からは働く。」
「なら良かったっス。…あ、そろそろ上に上がるみたいっスね。」
数人を先頭に、上へと向かう階段を上がっていく。
指定された席に着いたところで、自分の隊の隊員が何名か警備のために配置されていることに気づく。皆驚いたようにガイアスを見たが、すぐに前を向き仕事を続ける。
そして、ちゃっかりとガイアスの横に立つマックスは、ガイアスの動きから何か情報を得ようと企んでいるようだ。
今もガイアスをじっと観察している。
「ジェンは下で警護の指揮だったな。」
「そうっス。副隊長には悪いけど、俺ここの警備で良かった~。城前警備が一番大変そうだったっス。」
第7隊の副隊長であるジェンは、ガイアスが自ら自衛隊に引き抜いた人物だ。
学校で出会った時から、ずば抜けた身体能力と剣の腕に圧倒された。
卒業してからは、ガイアスは自衛隊へ、彼は植物学者になるために専門的な学部へ進学した。
そしてガイアスが若干21歳で隊長になった時には、ジェンを引き抜こうと研究室へと通った。
最初は難しい顔をしていたが、剣が元々好きだったこともあり、最後に首を縦に振ったジェンには感謝しかない。
一般の隊員として入隊し、その後はみるみる頭角を表し遠征が始まる数か月前には副隊長となった。
今ではガイアスをしっかり支える、居なくてはならない存在だ。
(ジェンには申し訳ないことをしたな…。)
ガイアスが休んでしまったことで、ジェンへの負担が増えてしまったことに少し罪悪感を覚える。
「あ、カーテン開くみたいっスよ。」
目の前の赤いカーテンが左右に開かれ、城のバルコニーが見えた。
(まだミアはいないな…。)
バルコニーには式を取り仕切る数名と警備の者のみだ。
「あ、始まるみたいっスね。」
しばらくして大歓声と拍手の音が鳴り響いた。
王を先頭に出てきたラタタ家に、この棟でも拍手が起こる。
ガイアスはミアをじっと見つめた。
今日のミアはまさに王族といった出で立ちで、輝いている銀の髪や白い耳は、光を受けて神々しいとすら言える。
(綺麗だ…。)
素直にそう思っていると、どの席からも「なんと美しい…」「あれがラタタ家の狼…」と呟く声がし、皆身分の高い者でありながら、口をあんぐりと開けて凝視している。
例になくガイアスもじっと見つめていたが、席に着いたミアが何かを探すようなそぶりをし始めた。左右を見て前を向いたと思うと、下から順にガイアスを探しているようだった。
(まだ席に着いたばかりなのに、もう俺を探しているのか…。)
キョロキョロと、控えめにではあるが視線を彷徨わせるミアが愛しくて可愛い。
そして目が合ったと思ったら、左手の人差し指と中指を前に2回倒してきた。
ふっ、と表情を緩めながら同じ仕草を返してやると、気のせいか嬉しそうに笑った気がした。
「あ、ミア様がなんか可愛いポーズしたっスよ!隊長見ました?!」
「ああ。」
(あれは俺に向かってしてるからな。)
「ミア様、すっごい美人ですね。いや、美人って言っていいのかな。なんか天から来たみたいっス。」
「そうだな。」
「リース様も可愛いっスね~!ミア様に似てるけど、癒し系っていうか…。わ、サーシャ様も噂に違わず凄い美人っスね。あの方はカルバン様かな。本にあった通り彫刻みたい…かっこよすぎるっス!」
「お前やけに詳しいな。」
「俺、今日で一生分の運を使い果たしたかもしれないっス…。」
うっとりと前を向くマックスは「今日は人生最高の日っス~!」と大げさに喜び、また軽口をたたく。
「もし俺がミア様と付き合えたら」おい、お前はちゃんと仕事をしろ。」
たとえ想像でも、ミアを汚されたような気がして思わず突っ込んでしまったガイアスであった。
・・・・・
ミアの挨拶も無事終わり、他もつつがなく進んでいく。
昼を過ぎ、王による締めの言葉が終わると、最後はサバル国の剣舞でフィナーレとなった。
かしこまって座っていたミアだったが、この時ばかりは立ち上がり、バルコニー前の方へ出ていく。
ラタタ家の他の者も、みんな手すりの近くまで集まった。
大きめの剣を横に持った25人の自衛隊がズラッと並ぶ姿に、ミアは興奮して食い入るように見る。
金属でできた鎧甲が頭から胴体を覆い、顔は見ることができない。
それ以外の部分は黒い革でできた光沢のある服で、赤と黒のベルトや布が装飾としてつけられている。
足のふくらはぎ辺りまである赤いマントは、舞った時に美しくなびくのだろう、と想像できる。
太鼓と笛の音が始まる。
しばらくすると、今まで人形のようにピタッと止まっていた男達が剣を鞘から抜き取る。
ブオンと音がしそうなほど速く力強い動きは息を忘れるほど美しく、ミアは見ているだけで胸が熱くなる。
全体を見るように注意していたミアだったが、一人の男の動きを目で追ってしまう。
猛々しく振り下ろされる剣の動きや、それとは逆に繊細な剣さばき。
彼は以前自分が見た男と同一人物であると確信した。
現に、今もミアの目を捉えて離さない。
わぁあああああ
歓声が剣舞の終わりを告げる。
25人の隊員達はその場にピタっと立ち、剣を直していく。
ミアが目で追っていた男は、軽く剣を払う仕草をして鞘へと納めた。
ミアは思わず息を飲む。
その動きはガイアスがいつも剣をしまう時にする動作だ。
以前、その動きについて聞いた時、「祖父から聞いた話だが…」と、理由を教えてくれたことがある。
ガイアスの曽祖父は、若い時に戦争で戦ったことのある人で、『剣を扱う時、亡くなった仲間や命を奪った人間の魂が自分を覆っているような気分になる。』と言っていたそうだ。
剣を収める時には、そのドロドロとしたモノを払い落とし戦いを忘れたいと、剣を払うような仕草をするのが習慣になった。
そんな曽祖父の意志を祖父も、それを聞いたガイアスも忘れないよう、今もこうやって剣に纏う魂を払っているのだ。
(俺の憧れの人はガイアスだったのか…。)
歓声の中、去っていく自衛隊の男達を見守るとラタタ家も後ろへと下がる。
王が最後に締めの挨拶をし、会場は大いに盛り上がった。
控室に戻り何かを考えているミアに、兄妹達が話しかける。
「おいミア。式は終わったから、もう着替えていいぞ。」
「剣舞が見れて良かったわね~。」
「ミア、お疲れ様。」
「ねぇ…剣舞をしてた人達の控室ってどこ?」
ミアが静かに問いかける。
「……おい、まさかと思うが行く気じゃないだろうな。」
こめかみに青筋を立てながら、カルバンが問うが、リースがすかさず答えた。
「目の前の棟の1階だよ。」
「おい!リース。」
「あら。」
「後で戻る。」
それだけを言うとヒュンと消えてしまったミア。
察しの良いリースは「頑張れ。」と小さくエールを送ったが、その頭を兄にガシッと掴まれる。
恐る恐る後ろを振り返ると、兄が眉をこれでもかとしかめさせて、リースを見下ろしていた。
挨拶が終わった王と話をしていた父アイバンと母シナが、子ども達のいる控室に入ってきた。
「あれ?ミアがいないな。」
「…ミアなら、用があると一旦帰りました。」
明るい声で問う父アイバンと、暗い声色で答えるリース。そして後ろからリースを睨むように立っているカルバン。
そんな2人をニコニコしながら見守っているスーシャの図は、少しおかしいが誰もつっこまない。
「そうなのか。今日はパーティがあるからな。それまでに戻れば問題なしだ。」
仲の良いサバルの王と飲めるとあって、今からワクワクとしている父はいつもより寛大だ。
「アイバンが今日、飲みすぎないといいんだけど。」
「…母上、それは無理でしょう。」
「よね~。」
「俺は誰にも止められん!」
はっはっは、と笑う父を見ていると、カルバンはミアへの怒りが少し削がれ、はぁー、と諦めたように息を吐いた。
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