輪廻魔術 ～君が死なない方程式～

愛欲編

8※

「俺、どこまで余裕が保てるか自信がなくなってきた」
「？」
　
　彼の言葉に不思議に思っていると、彼が身体を動かし、陰茎同士が重なり合うようにくっつけ合わせてきた。
　僕の手ごと陰茎をカイル君の大きな手が包んで擦り始める。


「リンのヌルヌルだから滑って気持ちいいな」

　グジュグジュと彼が擦る度、音がする。

「んんっんんっ」

　二、三度手を上下されるだけで僕はあっけなく射精してしまった。息が整う前にカイル君にキスされる。射精後にするにはあまりに甘いキス。脳髄まで蕩けてしまいそうだ。

　カイル君はそれから数回擦り合わせて僕の腹部に射精した。

　彼が射精するまで彼は僕の胸や尻を触るから、僕も再び勃ち上がってしまっていた。

「ハァハァハァハァ……」


　興奮が治まらない。

　カイル君の手と口がまだ色んな所に触れていて、頭もまだ、現実を受け止めきれなくて、ずっとフワフワしたままだ……。

　カイル君の顔が下に下がっていくのをぼんやり見ていると、迷わずパクリと僕のペニスを含んだ。

「ひゃっ！？」

　急に生温かい感触が僕の陰茎を包んだので驚いた。

　な、舐めて！？　カイル君の口が僕のを咥えている！？

「やっ！　やだっ、んあ、カイル君ダメッ！！　離してっ！」

　腰をずらして大慌てで彼を止めようとすると、動くなと言うように歯が陰茎に当たる。

「ひっ……あ、あ。き、汚いってばぁ！」

　カイル君の肩をぐいぐいと引っ張るけれど、ビクともしない。僕の抵抗などもろともしない。
　先端に舌が添えられて鈴口をクルクルと舌を尖らせ舐められる。下腹部がピクピク引きつる。

「あっ！　んっ！　あ———…」

　ジュワッと先走りが彼の口の中に溢れてしまうのが分かる。それを……飲んでるの？

「はぁ……ひっ、やめ、……カイル君が汚れ、ちゃう！　やめてっ」

　ポロリと涙が出ると、カイル君はズルリと口を離した。

「……その反応、初めて？」

　カイル君が慰めるように再び僕を膝の上へと抱き上げた。

「ふっ、口はやだっ。馬鹿者っ！　君以外誰がこんな事をするかっ！！」
「……え？」

　カイル君は驚いた声をあげた。顔を上げると、表情がどんどん変わって恍惚とし始めた。
　色気が凄くて唾液が口に溜まる。

　そして、尻の割れ目に手が添えられる。その奥の蕾に指をフニフニと軽く押し付けられる。

「んっ！！」
「ここも？　ここももしかして俺だけ？」

　指だけなら、前の世界で挿れた事があるが、カイル君だけではあるので頷いた。それを見たまたカイル君の笑顔が増しになる。


「そっか。俺だけか。——……じゃ、尚更丁寧にゆっくりしないとな。これから気持ちいい事だけ覚えような？」
「んっあっ！」

　つぷっとカイル君の爪までの指が蕾の括約筋で遊ぶように何度も少しだけ軽く出入りする。

「んん～～っ！！」
「リンの気持ちいくなるところ、俺に見せような」
「あ……あぅ、ん、そこ、ゾクゾクする」


　そこで繋がれるのだろうか……。そう問いかけようと上を向くと、カイル君の唇が降ってきた。
　また、あの気持ちいいキスだ。

「ふぅうん……あふあ……ん、んはぁ……」

　脳が溶かされるような気持ちよさに目を瞑って感じていると、腹部が温かくなった。

「腹部洗浄とお尻の中にローション入れておいた」

　蕾で遊んでいた指がくぅっと挿いっていく。

「あっ！　ん。んんっ！？」

　お尻の中で液体の音がする。カイル君の言ったローションか。
　指が何かを探るように尻の中をクルクルと動かされる。すると、ある一点が掠めた時に快感が走った。


「ひゃぁ、んんあぁっ！　あぅうっ！」
「ここか。丸く腫れて触りやすいな」


　前立腺——……？
　カイル君は僕の反応を見て、そこを重点に指で刺激してくる。擦られて突かれて、あまりの気持ちよさに射精しそう。ギュッとカイル君の首に腕を巻きつけた。

「ひっあ、あぁ、んんあぁあ、やぁ……」


　気持ちよくて怖くてカイル君の胸板にグリグリと顔を押し付ける。
　すると、再びキスをされて、落ち着くように片手が頭を撫でる。でも、その間も尻の中に入っている指の動きは変わらない。脳みそが本当に溶ける……。

　二本、三本と指が挿いっていく。

「あぁん。ふぅ、ん……ふ、ふぅう……あ、あぁんんっ！！」

　ビリビリと背筋を快楽が走っていき、トプゥっとまた射精した。

「……んっ」
「リン大丈夫か？　気持ちよかった？」



　頷くと、軽いキスが顔中ふってくる。心地よさに身を任せていると、カイル君が洗浄魔術をかけて衣類を整え始める。

「——……へ？」

　片付け……？？

「ん？」

　僕、何か間違えたのだろうか……。身体をキレイに整えられてしまった。
　やっぱり、鳥ガラみたいな身体じゃ最後までしてもらえないのだろうか。いや、僕だけ変な声をあげてしまったから引いてしまった……？
　期待した気持ちが萎んでいく。


　う、鬱陶しいが、この世界の僕はちょっと気持ちのコントロールが……。

「ぐずん……、ぐずん」

「っ！？　どうした？　あぁ、急ぎ過ぎたか！？　とりあえず外じゃ嫌だよな。ごめんな、リンに触りたくて止まらなかった」

　マントでクルリと僕を包んでポンポンと背中を叩かれる。だけど、一度マイナス思考になってしまうと、とことん落ち込んできた。