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「ん、当たって……む」
「わざとだ」

 この男、ますます大っぴらに自分の欲を俺に向けて着衣越しに腰を押しつけてくるではないか。固い芯でゴリゴリと自分の股間を刺激されれば、当然俺も反応するわけで……。
 疼いて、擦りたい衝動に駆られる。

「……あ、……セス」
 思わず彼の名を呼ぶと、その手が俺の下衣の中に潜り込んでくる。性器を鷲掴みされて揉まれ、そしてスラックスと下衣を一気にずらされた。
 自分の性器がブルンと元気よく出て来た様子を見て、彼はにんまりと口角をあげる。

「リュリュ、ここが気持ちよさげに形を変えているぞ」

「う、生理現象だ、っ、あ、そこ、カリのとこ、触んないで」

「生理現象?」


 拗ねたような表情で彼が俺を睨みつける。睨むっていっても甘く睨む──みたいで全然威圧感はない……。


「生理現象ではなく、俺のせいだって分からせてやろう」
「──へ」


 彼のもう片方の手が後孔に移動した。昨日と同じく、そこが緩い光を帯びる。尻の内部が潤う感触。

「んぁっ! また尻の中に潤滑剤をっ、あっひぃん! ゆ、指ぃ。はいっちゃ……」

 尻の潤滑剤でドロドロの中に指を挿入された。
 昨日、散々弄られまくったそこは、指の感触を覚えているみたいにひくりと蠢く。

「俺の愛撫に感じて欲しい」
「なに、を……、昨日は悪かったって言った!」
「性器挿入はしない。前立腺を刺激するだけだ」
「ぜ……?」

 ここだと、教えるように彼が指を動かした。昨日彼に教え込まれた気持ちよくなるポイントだ。そこを絶妙に擦ったり押したりする。あまりに急激な快感に胴震いする。

「は……ん」

 逃げたくなって、座っていた状態から半立ちになってみたものの、ジュボジュボと指を抜き差しされる快感から動けない。
 支えが欲しくてセスの頭を抱きしめただけになった。

「……あ……ん」

 丁度、セスの口に自分の胸があったからか、彼はシャツの上から乳首を甘噛みし始めた。熱い吐息がシャツの上からでも伝わり、舌で嬲られる。

「んぁ、あ……っあ……あ」

 強めに吸われて、身体はうしろにしなる。前立腺と乳首を両方弄られると、全身快感の電流が走る。
 抵抗を止め愛撫に従い始めると、彼は口を乳首から離した。

「リュリュは愛いな。性格と同じで身体も素直だ。性器同士を擦り合わせたい。駄目か?」
「駄目かって……」

 俺の性器からは既にポタポタと雫が零れている。
 そして多分、彼の下衣の中も俺と同じ状況になっていることが、押し付けられている感触で分かる。

「くっ、君がやりたいならな! 仕方なく付き合ってやるよ──ぎゃっ!」

 許可するとベッドに押し倒された。そしてセスも下衣をずらし迫力ある性器を見せつけた。
 何度見てもおったまげる大きさだ。

「お前らしい誘い方だ。あぁ、とてもしたいから仕方なく付き合ってくれ」

「う……発散しないと動けないからだからな! ──うぁ、んっ!」

 彼の大きい手が互いの性器を包み、上下に扱き始める。セスのペニスは弄っていないのに既に先走りでベトベトになっていた。
 同時の刺激に耐えられなくて、早々と射精してしまう。
 性器を弄る手から解放されたが、尻の指は名残惜しそうに挿入されたまま。セスはまとわりついた白濁をそのままに自身の性器を扱いた。

「──っ」

 こえぇ。
 舌なめずりをして情欲に溢れた表情で爛々とした目が俺を見つめている。その強い視線に本当に顔や身体に穴が開くのではなかろうかと震える。

 だというのに──、俺もそんな彼から目が離せなかった。
 視線を絡ませながら、セスの唇が近付いてくるのを感じ瞼を閉じる。その瞬間、彼が小さく「このままで」と囁いた。

「リュリュ」
「……」

 ──おいおい、本当に。
 まずいことになっている。
 気持ちいいキスに催眠術を解くことが頭の片隅に追いやられていった。


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