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第2章 第2の事件

6話 第2事件発覚と第1発見者の友人

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  ──な、何だこれは!

 友人達は良い歳したガタイのでかさが取り柄の男達でありながらも、揃いも揃って……。重いドアクローザー(引き戸の開閉装置)で稼働するバリアフリーの重い引き戸を開けた先の非日常の光景に一同瞬きを幾度となく行い、次に取るべき行動を見失っていた。

「お、おい! これどうするんだよ!」
「わ、わ……わからん!」
「な、なぁ? ケ、ケイサツ。ケイサツだよ!」
「ケイサツ?──警察か!」
「そ、警察。通報しようぜ」

 友人の一人が警察を呼ぶように、友人達の後ろの方から会話に入りそびれた守永に伝えた。





「ケ、警察って。嫌な予感してたけど、その……まさか?」

 パクパクッ

 守永がトイレ内の光景を見た友人達に質問を投げ掛ける時の口調が、警察が介入するような事件でありながらも一見似つかわしくない呑気そうな質問の様相をしていた為に。そうであるにも拘わらず言葉の切れが悪く、守永は事態の切迫さを飲み込めないでいた。そんな守永とは対象的に、事態を重く再認識した友人達はそれ以上巧く言葉に表せず口をパクつかせていた。


 守永はぐ様、スマホの入れられた荷物の置かれた、このトイレから少し距離のあるベンチまで、はぁはぁと息を切らしながら向かうと、荷物からスマホを取り出し、警察に電話を掛けた。

「もしもし? もしもし?……もしもーし。あれ? 繋がらないなぁ」

 ──たくっ、繋がらないぞ? どう言う事だ。

 守永がしようとしている通報は急を要する。焦りのあまり通報の番号を間違えていた事に気付かず、何度も何度も繰り返し誤ったまま電話番号入力を行い、届くはずのない空通報をし続けて三十分以上の時間が経過していた。

 気を利かせた友人の一人の青戸祐哉が守永がちゃんと通報できたかベンチに居る守永の所まで様子を見に駆け寄っていた。

「ちゃんと通報したか?」
「いや、慌てて居て通報したくても巧くできない」
「だろうな。流石さすがにこの状況だ。俺らは誰一人としてこの状況を巧くさばけ切れていない」
「やけに冷静じゃねぇか、青戸」
「そりゃ、げーねぇよ。お前から事件に巻き込まれた事を知らされた時から、なんか嫌な予感しててな。なんか悪い事が俺の身にも降り注ぐんじゃねぇかと思って……。だから、思わず──」

 青戸だけがこの状況に馴染もうとしていた。普段の生活とはかけ離れた異常事態の発生。女性の悲鳴。守永や青戸達が事件の当事者になってしまった事。青戸は冷静に事の成り行きを見つめていた。一方で、守永の脳裏には、「また、事件に巻き込まれた」と言う思いが駆け巡り、絶句していた。



「とりあえず、貸しな!」

 青戸は学生時代のような軽いノリで守永からスマホを奪い取ると、混乱してまともに通報できない守永の代わりに警察に通報を行い、あらかた事情を簡単に電話越しで説明をした。
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