上 下
39 / 39

第39通 郵便屋さんの一大イベント 〜元旦の郵便屋さん。お昼からの配達編〜

しおりを挟む
年賀状の配達は午前中までの配達完了が原則です。
11時頃に終わっていれば理想ですね。
さて書状年賀も配達が終わり、年賀状配達の高校生バイトも年賀状の配達が無事に完了。
高校生バイトに「よく頑張ったね。お疲れ様」とねぎらい、帰ってもらうと我々職員はまずはお昼休憩。

 みなさんはお正月の郵便屋さんは年賀状の配達が終わると、どうしているのかわかりますか?

「年賀状も配達したら、お正月だから仕事は半日で終わるんじゃない?」

「明日の準備?」

と、いろいろ思われますがしっかりとお昼からもお仕事あります。

昼からは通常郵便を配達するのです。

「え!?お正月の配達は年賀状だけじゃないの?」

 実は私も郵便屋さんになる前はそう思っていました。
この頃の郵便局は日曜日や祝日を除いて、1月2日のみ郵便配達がお休みです。
ですので1月1日も年賀状以外の通常郵便の配達が実はあるのです。
ですが、さすがにお昼から1日分の郵便をいつもと同じように配達するのは無理ですので、『切手貼り』と言われる郵便を中心に配達するのです。

 その『切手貼り』(きってばり)とは?
簡単に言うとDMとか、会社や企業から送られる料金後納郵便の類ではなく、言葉通り切手が貼ってある郵便の事を言います。
主に個人から個人宛に送られる私的郵便物ですね。いわゆる『お手紙』が一般的です。
 DMや料金後納郵便とは違い、その郵便物にはお客様が自ら購入して頂いた切手が貼ってあるわけですから、他の郵便物と比べると優先的に配達されるわけです。
しかし、会社からの請求書の類も切手を貼って送られる物もあります。そういった郵便物まで配達するとなると、かなりの量になるので基本線としては個人のお手紙と、請求書とは違った重要な郵便物を中心に配達する事になります。
 これは、台風や大雪、大雨等、の悪天候の場合の郵便配達が困難な時にも適用される配達方法でもあります。

 でもみなさん。元旦に切手が貼ってあるのになぜ請求書は配達しないのか気になりませんか?
実は私はすごく気になりました。
だって、請求書ってお金を払って欲しいから差出人が送るわけでしょ?
差出人からすると早く受取人に届いて、早くお金を払って欲しいんじゃないの?と思ったのです。その事を先輩に聞いてみました。

「あのなあ?元旦から金払ってくれって請求書が送られてみろ。
客から正月そうそうこんなん送ってくるな!って怒ってくるぞ?」と呆れながら言われました。

要はこういう事です。
差出人が元旦に届くタイミングで請求書を送ってくるという事は、差出人の会社が年末年始の仕事納めの前に、差し出していない請求書を差し出して、事務所的に年内の業務を終わらせたい。
と、いう事は受取人が正月にその請求書を受け取って振り込んだとしても、差出しの会社は正月休みで結局その金額を確認できるのは年始の仕事始め以降になる。
 つまり、慌てて配達する必要が無いわけなんですね。
これを迂闊に配達すると「なんで、正月そうそう請求書を配達するのだ?気分が悪いわ!」と苦情電話が掛かってくる場合があるのです。
 実際、本当にそういう苦情の電話が掛かってきてたようです。

 まあ、こういう事情もありまして元旦の午後の配達は切手張りの郵便と午前中に配達しきれなかった書留を中心に配達します。
 そのお昼からの郵便を配達終わると、元旦なので今日のお仕事は終了。
明日1月2日は速達等の混合配達員以外はお休みなので、それを楽しみにサッサと帰宅しましょう♪

今回もご愛読ありがとうございました。


…て、そんなにうまく行くわけないです!!
午後の配達が終わると、今度は明日2日に出勤する内務女子バイトの順立ての為の年賀状を大区分する仕事が待っているのです。
正直、私も元旦だから定時で帰れるって思っていました。しかし、時はバブル期の年賀状全盛期ですからね、あるわあるわ年賀状の山が。
お正月もキッチリと19時まで2時間の残業がありました。

 そして、その日の仕事が終わると…
地獄の13連勤終了!なわけです。
明日の1月2日は待ちに待ったお休み!
体は疲れのピークですが、まだまだ10代ですからね、遊びたい盛りでもあります。
さあ、どうする?昼まで寝るか?
地元の神社に初詣はしたいな。とか思いを馳せて家に帰ると母親が「M君から電話があったよ」と。

早速、電話をしてみると「おう!明日は休みだろ?今夜みんなで集まって初詣行こうぜ!」と遊びのお誘いが。

次回は郵便屋さんになって初めてのお正月のお休みのお話です。

今回もご愛読いただきありがとうございました。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

B型の、B型による、B型に困っている人の為の説明書

メカ
エッセイ・ノンフィクション
「あいつB型っしょ、まじ分からん。」 「やっぱ!?B型でしょ?だと思った。」 「あぁ~、B型ね。」 いやいや、ちょっと待ってくださいよ。 何でもB型で片付けるなよ!? だが、あえて言おう!B型であると!!

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

くろいやつのくろいつらつらですわ~

黒幸
エッセイ・ノンフィクション
くろいゆきという謎生物がつらつらとしたものを書き連ねていくだけですですわ~。 日記は三日坊主になるので不定期更新になると思われたら、毎日、更新してますわね。 不思議ですわ~。 6/4現在、何を思い立ったのか、急にお嬢様言葉で書き綴ることになりましてよ。 6/8現在、一話からお嬢様言葉に変換中ですわ~! そして、短編から長編に変えておきました。

旅日記 秩父にて 

銅原子@スタジオ バンドデシネ
エッセイ・ノンフィクション
 これは、実際に僕が旅した時のことを書いたエッセイです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

発達障害の長男と母としての私

遥彼方
エッセイ・ノンフィクション
発達障害の長男と母としての私の関わり方の記録というか、私なりの子育てについて、語ろうと思います。 ただし、私は専門家でもなんでもありません。 私は私の息子の専門家なだけです。心理学とか、医学の知識もありません。きっと正しくないことも語るでしょう。 うちの子とは症状が違うから、参考になんてならない方も沢山いらっしゃるでしょう。というよりも、症状は一人一人違うのだから、違うのは当たり前です。 ですからあなたは、あなたのお子さんなり、ご家族の方の専門家になって下さい。 願わくば、その切っ掛けになりますよう。 ※私の実際の経験と、私の主観をつらつらと書くので、あまり纏まりがないエッセイかもしれません。 2018年現在、長男は中学3年、次男小6年、三男小4年です。 発達障害だと発覚した頃は、長男3歳、次男6カ月、三男はまだ産まれていません。 本作は2017年に、小説家になろうに掲載していたものを転記しました。 こちらでは、2018年10月10日に完結。

処理中です...