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猿かに合戦?の話
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昔々、ある戦乱の時代のお話です。
世は二つの派閥に分かれて対立していました。
一方を猿派、他方をかに派と人々は呼びました。猿派はすばしっこく、高低さがあるところでは負けなしでした。かに派は集団戦法が得意で、武器を使うのに長けていました。
対立は20年にも及びました。だんだん両方とも疲弊してきたので、決着をつけるべく両派閥のトップによる秘密の会合の場が設けられました。腹をわって話そうとしたので勿論二人だけです。
話し合いは夜通し続きました。議論はどんどん白熱していきました。
そして気がついた時には…………。
後に彼らはこう語ります。
猿のトップ『……あの時は、酒に物凄く弱いくせに相手に見栄を張ろうとして、飲みすぎてベロンベロンに酔ってしまったんだ。そして気がついた時には、もう、手遅れだったんだ……。まさか相手も自分と同じくらい酒に弱いなんて思わないだろ?むしろ強いらしい、なんて噂を聞いたこともあったからなおさら。
……実は始まって1時間くらいで、もう記憶は途切れているんだ。だからその後は何を話していたのかは分からない。――え?最初の1時間は何を話していたのか、って?……あ、いや、別に、ふ、普通の事を話していただけだ!だ、だから、普通の事だって!!えっ、と、その……あーもう何でも良いだろ!?そもそも秘密の会合だから内容も人に言ってはいけない決まりだから!もう二度と聞くんじゃないぞ。絶対だからな!』
かにのトップも同じような事を言っていました。
一体彼らに何が起こったのでしょうか?
実は、気付いた時には彼らは入籍して結婚披露宴の直前だったのです。そうなのです、あの夜彼らは酔っぱらった後お互いに告白して婚姻届けに記入し、役場に提出しに行ったのです。
猿『……ずっとお前が好きだった。でも対立している派閥同士での結婚なんて皆に反対されるから諦めていた。……だがこの対立に決着がつけば、お前と一緒になれる。……すまん、こんな機会二度と無い気がしてな、つい言っちまった。俺の気持ちが迷惑なら忘れてくれ。』
かに『………………』
猿『……おい、何か言ってくれよ。別にお前を困らせたくて言った訳じゃないから。望みがないならきっぱり振ってもらって構わない。』
かに『……しも………き…』
猿『何だ?しもきって……下北沢の事か?』
かに『そんなわけないでしょ!何でこのタイミングで下北沢なのよ!!そもそも下北沢ってどこなのよ!……そうじゃ、なくって、……私も、 ずっと……。ずっと、あんたの事が好きだったの……!』
おおー。両思いだったのですね。
この後テンションが上がった二人は、どこからともなく落ちてきた証人の欄が記入済みの婚姻届けに名前を書き、ルンルン気分で役場に提出しに行ったそうです。
何故証人の欄が記入済みだったのかは……詮索しないでおきましょう。
こうして対立は無くなり、新たに一つの臼派が出来ました。
そして、平和な世の中にするべく頑張っていったそうです。
めでたしめでたし!
――実は彼ら以外の他の人は、だいたい彼らが好きあってる事に気づいていたそうです。ただ彼らの性格からして、素直に思いを認めないだろうと皆が思っていたのでひたすら見守っていたそうですよ。
世は二つの派閥に分かれて対立していました。
一方を猿派、他方をかに派と人々は呼びました。猿派はすばしっこく、高低さがあるところでは負けなしでした。かに派は集団戦法が得意で、武器を使うのに長けていました。
対立は20年にも及びました。だんだん両方とも疲弊してきたので、決着をつけるべく両派閥のトップによる秘密の会合の場が設けられました。腹をわって話そうとしたので勿論二人だけです。
話し合いは夜通し続きました。議論はどんどん白熱していきました。
そして気がついた時には…………。
後に彼らはこう語ります。
猿のトップ『……あの時は、酒に物凄く弱いくせに相手に見栄を張ろうとして、飲みすぎてベロンベロンに酔ってしまったんだ。そして気がついた時には、もう、手遅れだったんだ……。まさか相手も自分と同じくらい酒に弱いなんて思わないだろ?むしろ強いらしい、なんて噂を聞いたこともあったからなおさら。
……実は始まって1時間くらいで、もう記憶は途切れているんだ。だからその後は何を話していたのかは分からない。――え?最初の1時間は何を話していたのか、って?……あ、いや、別に、ふ、普通の事を話していただけだ!だ、だから、普通の事だって!!えっ、と、その……あーもう何でも良いだろ!?そもそも秘密の会合だから内容も人に言ってはいけない決まりだから!もう二度と聞くんじゃないぞ。絶対だからな!』
かにのトップも同じような事を言っていました。
一体彼らに何が起こったのでしょうか?
実は、気付いた時には彼らは入籍して結婚披露宴の直前だったのです。そうなのです、あの夜彼らは酔っぱらった後お互いに告白して婚姻届けに記入し、役場に提出しに行ったのです。
猿『……ずっとお前が好きだった。でも対立している派閥同士での結婚なんて皆に反対されるから諦めていた。……だがこの対立に決着がつけば、お前と一緒になれる。……すまん、こんな機会二度と無い気がしてな、つい言っちまった。俺の気持ちが迷惑なら忘れてくれ。』
かに『………………』
猿『……おい、何か言ってくれよ。別にお前を困らせたくて言った訳じゃないから。望みがないならきっぱり振ってもらって構わない。』
かに『……しも………き…』
猿『何だ?しもきって……下北沢の事か?』
かに『そんなわけないでしょ!何でこのタイミングで下北沢なのよ!!そもそも下北沢ってどこなのよ!……そうじゃ、なくって、……私も、 ずっと……。ずっと、あんたの事が好きだったの……!』
おおー。両思いだったのですね。
この後テンションが上がった二人は、どこからともなく落ちてきた証人の欄が記入済みの婚姻届けに名前を書き、ルンルン気分で役場に提出しに行ったそうです。
何故証人の欄が記入済みだったのかは……詮索しないでおきましょう。
こうして対立は無くなり、新たに一つの臼派が出来ました。
そして、平和な世の中にするべく頑張っていったそうです。
めでたしめでたし!
――実は彼ら以外の他の人は、だいたい彼らが好きあってる事に気づいていたそうです。ただ彼らの性格からして、素直に思いを認めないだろうと皆が思っていたのでひたすら見守っていたそうですよ。
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