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第7章 晏寿の奮闘編
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そこにいきなり景雲がパンッと手を叩き、皆を驚かせる。
一様に景雲を見る。
「埒が明かん。一度二人きりで話をさせてくれないか」
景雲の提案に晏寿も秀英も面食らったが、ここは景雲が適任だろうと判断し任せることにした。
景雲と陽明だけを残し、晏寿・秀英・凱は部屋を出た。晏寿は即座に秀英に申し立てをした。
「秀英、さっきの言い方は陽明君を追い込むだけじゃない。もっと言い回しがあるわ」
「取り繕っても意味がない。陽明にははっきりとしたことを伝えなければならない」
「相手を慮ることだって必要でしょ」
「だからと言って」
「あの!」
晏寿と秀英の口論が始まりかけるところで、凱が声をあげた。
そこで二人はしまったと思い、苦い顔をする。
「あのまま陽明を託してよかったのでしょうか…?」
「それに関しては問題ない」
「人に歩み寄るのは景雲が一番得意だから」
凱の疑問に二人は即答した。
淀みない発言には三人の今までに培った信頼があった。それぞれにおいては苦手なことがあったが、それを他の人で補ってきたのだ。
陽明については景雲頼みとなり、晏寿達はそれぞれの仕事に戻ることとなった。
そして終業後、晏寿と秀英は景雲から陽明のことを聞いた。
「陽明から話を聞いたところによると、元々文官希望ではなかったらしい。だが家の方針等もあり周りに強く意見が言えず、官吏試験に合格してしまい、現在に至るというわけだ」
「じゃあ何をしたかったの?」
「薬師になりたかったらしい」
陽明曰く幼いころ病にかかった際に薬師に看てもらい、とても頼もしく感じたとのこと。
そして自分もそうなりたいと強く願うようになったとのことだった。
「薬師なら今からでもできるのではないか」
秀英の発言に景雲が頷く。
「ああ、王宮の医療班配属になればいい。李大臣に推薦状を書いてもらう必要があったり、見習いからの始まりになるがな」
「きっとやりたいことなら、自信を持つこともできるんじゃないかしら?」
息勇んで行こうとする晏寿の腕を秀英が掴む。表情は険しい。
「そう簡単なことではない。決めるのは陽明だ。それに、陽明自身が行かねば大臣は許可は出さないと思う」
「先に私達から話しておいたほうがすんなりと進むと思うけど」
「悪いが晏寿、これに関しては俺も秀英と同意見だ。いつも誰かが手を貸してくれるわけじゃない」
二人に止められ、晏寿は渋々納得する。
手助けはしたいが、お節介にもなりうる。もやもやとした物を抱えたまま、帰路につくのだった。
一様に景雲を見る。
「埒が明かん。一度二人きりで話をさせてくれないか」
景雲の提案に晏寿も秀英も面食らったが、ここは景雲が適任だろうと判断し任せることにした。
景雲と陽明だけを残し、晏寿・秀英・凱は部屋を出た。晏寿は即座に秀英に申し立てをした。
「秀英、さっきの言い方は陽明君を追い込むだけじゃない。もっと言い回しがあるわ」
「取り繕っても意味がない。陽明にははっきりとしたことを伝えなければならない」
「相手を慮ることだって必要でしょ」
「だからと言って」
「あの!」
晏寿と秀英の口論が始まりかけるところで、凱が声をあげた。
そこで二人はしまったと思い、苦い顔をする。
「あのまま陽明を託してよかったのでしょうか…?」
「それに関しては問題ない」
「人に歩み寄るのは景雲が一番得意だから」
凱の疑問に二人は即答した。
淀みない発言には三人の今までに培った信頼があった。それぞれにおいては苦手なことがあったが、それを他の人で補ってきたのだ。
陽明については景雲頼みとなり、晏寿達はそれぞれの仕事に戻ることとなった。
そして終業後、晏寿と秀英は景雲から陽明のことを聞いた。
「陽明から話を聞いたところによると、元々文官希望ではなかったらしい。だが家の方針等もあり周りに強く意見が言えず、官吏試験に合格してしまい、現在に至るというわけだ」
「じゃあ何をしたかったの?」
「薬師になりたかったらしい」
陽明曰く幼いころ病にかかった際に薬師に看てもらい、とても頼もしく感じたとのこと。
そして自分もそうなりたいと強く願うようになったとのことだった。
「薬師なら今からでもできるのではないか」
秀英の発言に景雲が頷く。
「ああ、王宮の医療班配属になればいい。李大臣に推薦状を書いてもらう必要があったり、見習いからの始まりになるがな」
「きっとやりたいことなら、自信を持つこともできるんじゃないかしら?」
息勇んで行こうとする晏寿の腕を秀英が掴む。表情は険しい。
「そう簡単なことではない。決めるのは陽明だ。それに、陽明自身が行かねば大臣は許可は出さないと思う」
「先に私達から話しておいたほうがすんなりと進むと思うけど」
「悪いが晏寿、これに関しては俺も秀英と同意見だ。いつも誰かが手を貸してくれるわけじゃない」
二人に止められ、晏寿は渋々納得する。
手助けはしたいが、お節介にもなりうる。もやもやとした物を抱えたまま、帰路につくのだった。
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