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教訓
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柚月「これ、プリクラ・・・ですか?」
菜緒「そう。今みたいに性能は良くに時代だけど・。
四人の色褪せない思い出。
みんな、とびきりの笑顔で楽しそうに写っていた。
桂太「拓だけ、いっつも変な顔すんだよな(笑)」
菜緒「バカなの(笑)あ、確か拓がふざけて結芽のスカートめくってプリクラ撮ろうとした事あったよね!?」
桂太「あった!!結芽ちゃんから速攻張り手喰らってさ。拓、いじけてたよな(笑)」
菜緒「結芽、あの時毛糸のパンツだったのよ。」
今と比べたら、想像出来ない程の派手な四人。
この四人にも様々な出来事があったのだろう。
悲しくて辛くて切なくて。
でも、この四人でいつも乗り越えて来たんだと思う。
沢山の経験を共にして来たからこそ、今でも「仲間」と呼び合えるのだろう・・・。
柚月「廉に言われたんです。「あたしの毎日に俺は似合わない」って。あたしの隣にいる資格がないって。
桂太「そういう意地っ張りな所、拓にそっくりだな。」
菜緒「柚月ちゃんはどう思ってるの?」
柚月「あたしは・・・、今は何も考えられなくて。ただ、出来る事なら、また廉ともとに戻りたいと思ってます。」
菜緒「廉は「自分の心に素直になる」っていう事を、見失ってるのね。」
桂太「だからといって現実から目を背けてる今の廉に、柚月ちゃんがどんなに歩み寄ろうとしても、拗れて隙間は広がるばかりだと思う。」
「どんな事にも時間が必要な時がある。」
菜緒さんは、あたしの手を握り締めそう言った。
廉は今、過去のトラウマから自力で抜け出そうとしているのか。それとも、トラウマに絡まれたまま生きていくのか・・・。
「難しい事かもしれないけれど、今は廉をそっとしておいてあげるのも、優しさなのかもしれない。」
菜緒さんの言葉に桂太先生が頷いた。
そして、視点の向きを変えてみれば菜緒さんの言葉を素直に受け止められている自分がいた。
柚月「自分本意じゃなくて、廉の為に・・・。」
菜緒「色々と報告がてら、今年も拓に会いに行かなきゃね。」
桂太「そうだな・・・。さて、古川。そろそろ時間だ、行くぞ!」
柚月「あ、はい。」
「会えて良かった、ありがとう。またね。」
車へと乗り込むあたしにそう言い、笑顔で手を振りながら見送ってくれた菜緒さん。短時間だったけど、沢山の事を教え、学ばせてくれた。
「また、会いたい」そう思える人だった。
柚月「とてもお似合いの夫婦ですね。」
桂太「歳を重ねて落ち着いたって感じかな。まぁ、勿論言い合いもするよ?」
柚月「羨ましいです。本当に・・・。」
桂太「でもな、古川・・・」
「二人にしか知らない問題。」「二人とも知らない問題。」
どんな恋人同士でも、夫婦でも、そんな不安や悩みを抱えながら一緒にいたりもする。
でも、それを支え合いながら上手く乗り終えて、ようやく先がある。
桂太先生はハンドルを握り締めながらあたしにそう教えてくれた。
柚月「そういえば、廉のお父さんの命日っていつなんですか?」
桂太「七月十六日だ。着いたぞ。バレない様に宜しくお願いします(笑)」
この後、急いで教室に戻ったあたしは、まこに誘導尋問を受けながらも菜緒さんの言葉を教訓に廉と距離を置く事に決めた。
そして放課後。
まこと約束していたマックでバイトの話を聞いたあたしは、廉への想いを少しでも紛らわせる為、まこと一緒にバイトを始める事にした。
菜緒「そう。今みたいに性能は良くに時代だけど・。
四人の色褪せない思い出。
みんな、とびきりの笑顔で楽しそうに写っていた。
桂太「拓だけ、いっつも変な顔すんだよな(笑)」
菜緒「バカなの(笑)あ、確か拓がふざけて結芽のスカートめくってプリクラ撮ろうとした事あったよね!?」
桂太「あった!!結芽ちゃんから速攻張り手喰らってさ。拓、いじけてたよな(笑)」
菜緒「結芽、あの時毛糸のパンツだったのよ。」
今と比べたら、想像出来ない程の派手な四人。
この四人にも様々な出来事があったのだろう。
悲しくて辛くて切なくて。
でも、この四人でいつも乗り越えて来たんだと思う。
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柚月「廉に言われたんです。「あたしの毎日に俺は似合わない」って。あたしの隣にいる資格がないって。
桂太「そういう意地っ張りな所、拓にそっくりだな。」
菜緒「柚月ちゃんはどう思ってるの?」
柚月「あたしは・・・、今は何も考えられなくて。ただ、出来る事なら、また廉ともとに戻りたいと思ってます。」
菜緒「廉は「自分の心に素直になる」っていう事を、見失ってるのね。」
桂太「だからといって現実から目を背けてる今の廉に、柚月ちゃんがどんなに歩み寄ろうとしても、拗れて隙間は広がるばかりだと思う。」
「どんな事にも時間が必要な時がある。」
菜緒さんは、あたしの手を握り締めそう言った。
廉は今、過去のトラウマから自力で抜け出そうとしているのか。それとも、トラウマに絡まれたまま生きていくのか・・・。
「難しい事かもしれないけれど、今は廉をそっとしておいてあげるのも、優しさなのかもしれない。」
菜緒さんの言葉に桂太先生が頷いた。
そして、視点の向きを変えてみれば菜緒さんの言葉を素直に受け止められている自分がいた。
柚月「自分本意じゃなくて、廉の為に・・・。」
菜緒「色々と報告がてら、今年も拓に会いに行かなきゃね。」
桂太「そうだな・・・。さて、古川。そろそろ時間だ、行くぞ!」
柚月「あ、はい。」
「会えて良かった、ありがとう。またね。」
車へと乗り込むあたしにそう言い、笑顔で手を振りながら見送ってくれた菜緒さん。短時間だったけど、沢山の事を教え、学ばせてくれた。
「また、会いたい」そう思える人だった。
柚月「とてもお似合いの夫婦ですね。」
桂太「歳を重ねて落ち着いたって感じかな。まぁ、勿論言い合いもするよ?」
柚月「羨ましいです。本当に・・・。」
桂太「でもな、古川・・・」
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どんな恋人同士でも、夫婦でも、そんな不安や悩みを抱えながら一緒にいたりもする。
でも、それを支え合いながら上手く乗り終えて、ようやく先がある。
桂太先生はハンドルを握り締めながらあたしにそう教えてくれた。
柚月「そういえば、廉のお父さんの命日っていつなんですか?」
桂太「七月十六日だ。着いたぞ。バレない様に宜しくお願いします(笑)」
この後、急いで教室に戻ったあたしは、まこに誘導尋問を受けながらも菜緒さんの言葉を教訓に廉と距離を置く事に決めた。
そして放課後。
まこと約束していたマックでバイトの話を聞いたあたしは、廉への想いを少しでも紛らわせる為、まこと一緒にバイトを始める事にした。
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