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【1部】第二章.やっと召喚されました

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他の人たちとは逆方向に廊下を歩き、階段を下って更に下っていくと廊下の突き当りに扉があった。その扉をくぐった途端、建物の様子が様変わりした。

石造りの壁がむき出しになっており、絨毯の敷かれていない木の床という、非常に実用性一点張りの簡素な作りになった。

これはあれだね、城で働く使用人さんたちの生活エリアだね??
裏口からポイッチョされる感じかー。

「随分歩きましたけど、まだですか?」
「ええ、もう少しで到着しますので付いてきてください」

案内眼鏡はこちらを振り向きもせず、すたすたと歩いて行く。

途中には休憩をとっている兵士や侍女の姿や、カーテンか何かを繕っている侍女たちの姿が見えた。興味深くきょろきょろと観察しながら歩いていると「早くついてきてください!」と怒られてしまった。

そんなこんなでたどり着いた先は、やっぱりお城の裏口だった。

「残念ですが、貴女の能力では国王陛下の御前に行く資格はありません。こちらが召喚したのにこのような扱いをして申し訳ありません。お詫びというわけではありませんが、こちらのお金を渡しますので、これが尽きる前に職を探してください…」

案内眼鏡は申し訳なさそうに小さな布袋を手渡してきた。

生活の保障とかしてくんねーのかー。ま、その方が気楽だけどね。

「まあそうですよねー、お金貰えるだけありがたいです。街に降りて頑張ります」
とりあえず営業すまいるで受け取るぜ。

こっそり袋を鑑定したら中に入ってるの金貨2枚と銀貨2枚だって!!
物価わかんないから多いのか少ないのかわからん!!

まあ、ミルス様がアイテムボックスに道具とかお金入れてくれてるはずだから良いけどさ…

「ええ、本当にすみません…でも、もしかしたらあなたが今までで一番幸せな召喚者かもしれません…」
「え?」
「あ、いえ何でもありません!!とりあえず私が案内できるのはここまでです。ここから平民街まではあそこの兵士が付き添ってくれますのでついて行ってください」

そう言って案内眼鏡が指をさした方向を見ると、確かに兵士が一人立っていた。

「…ここでの生活で困ったことがあったら、冒険者ギルドに行ってください。多分あそこがこの国で一番まともな組織ですから…」

なんだこの眼鏡、意外といい奴かな??

「わかりました。案内ありがとございました」
ここで時間をくう訳にもいかない。とりあえず兵士の人の所に歩き出した。

「ヤマノ様、ご武運を…」

案内眼鏡のそんなつぶやきが聞こえた。
応とも、おいら頑張っちゃうぜぇー?

片手をあげて、案内眼鏡に応えておく。
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