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第3話
しおりを挟むそして10年の月日が経ち、マリベルとマルケルは15歳となった。茶色の髪色と薄茶の瞳は良く似ていて、身長も同じくらいであったが、身体付きは男女の違いが大きくなり始めていた。しかしマリベルは相変わらず、マルケルと一緒に剣術の稽古に励んでいたのだった――
「やあ!!」「はっ!」
稽古場では、いつものようにマリベルとマルケルが剣を交えていた。
「はあ!いい汗かいた」
一通り稽古を終えたマリベルは汗を拭った。
「マリベル、こんな所で僕の相手してていいの?マナーの勉強は?」
そんなマリベルをマルケルは心配そうに見た。
「ちゃ、ちゃんとやってるわよ?でもちょっとくらい私も身体動かしたいんだもの」
幼い頃からマルケルと一緒に剣術や武術を習っていたからか、マリベルは貴族令嬢の作法を勉強するよりも身体を動かす方が好きであった為、令嬢の勉強をサボってよくマルケルの稽古場に顔を出していた。
すると、そんなマリベルを侍女が呼ぶ声が響く。
「マリベルー様ー!?マリベル様ー!!」
「ほら、お迎えが来たんじゃないか?」
「うっ……、はあ……。仕方がない……」
マリベルは、肩を落とすと渋々、侍女の方へと戻っていった。
そんなマリベルにある日、王宮からお茶会の招待状が届いた――
「え?王妃様のお茶会に招待された?」
話を聞いたマリベルは、不満げに母のエマを見た。
「ええ、そうよ。貴方に招待状が届いているの」
エマはそう言うと、マリベル宛の招待状を見せた。
以前は母のエマに連れられ、王妃主催のお茶会に一緒に付いていっていたが、5歳の時にアンドレス王子に失恋してからというもの、マリベルがお茶会に付いて行く事はめっきり減っていた。そして、近年はエマの体調が優れず、エマがお茶会自体を欠席するようになり、マリベル自身もすっかり王宮への足が遠くなっていた。
「いつもはお母様宛なのに、どうして私に直接招待状が届いたのかしら?」
マリベルは、招待状の宛名を見て顔をしかめた。
「なんでも今回のお茶会は、アンドレス王子に歳の近いご令嬢を招待しているようよ。だから、家にはニナベアにも招待状が来ているのよ。きっと今の内からアンドレス王子の婚約者候補を選んでいくんじゃないかしら」
「え!?それなら行きたくないわ!」
アンドレス王子の婚約者とか、絶対に嫌よ!
マリベルは、あの日の事を今でも忘れていなかった。
「そんな事言わないで。私も体調が悪くて最近は王妃様からのお誘いもお断りしてばかりだし、それにもし、アンドレス王子の婚約者候補を選ぶためのお茶会ならウリオス家の娘が参加しないなんておかしいでしょう?」
「はあ、分かったわ」
まあ、このお茶会に行った所で、アンドレス王子にじゃじゃ馬だってバカにされた私が選ばれるなんて事はあるわけないし、両親の顔を立てるためにも行くしかないわよね。
こうしてマリベルは、数年ぶりに王妃主催のお茶会に参加する事になったのだった。
◇
そして、お茶会当日――
はあ……、憂鬱……。
マリベルは重い足取りで数年ぶりに王宮へやってきていた。広い庭園の一角に設けられたお茶会の会場には、アンドレス王子と歳の近い令嬢達が、互いを牽制しあいながら、今か今かと王妃とアンドレス王子の登場を待っていた。
そんな中、マリベルは一緒に来たニナベアと共に会場の隅にいた。
目立たぬようにと思って隅にいるのに、隣ではニナベアが会場の料理をこれでもかと口に運んでいる。
「ニナベアお姉様、食べ過ぎじゃない?」
「へ?だってここでやる事って食べる事と飲む事だけじゃない」
「いや、そんな事思ってるのニナベアお姉様だけだと思うけど……」
ニナベアお姉様も王子の婚約者には興味がないらしい。
すると会場内に一際際立つ美しいフワリとした銀色の髪の美少女がキョロキョロしていると不安そうに周りを見回していた。
うわ!何あの美少女!!
「ニナベアお姉様!あの娘すっごく可愛いわ」
「え?ああ、カルデロン伯爵家のレイラ嬢ね」
すると、そのレイラ嬢を周りにいた令嬢達が囲んだ。
「ちょっと、どうして貴方がここにいるのよ」
縦巻き髪の令嬢が意地悪な顔付きで言った。
「あ、あの、招待状を頂いたので……」
「招待状を頂いたからって貴方みたいな田舎の貧乏令嬢がこの場に来る事が相応しくないってわかるでしょ!?そのだっさいドレスでよくも王妃様のお茶会に来られたものね」
うわぁ……。こういう事って本当にあるのね。
マリベルが顔をしかめていると、ニナベアがスッとお皿を持って、その令嬢達の間に入っていった。
「ちょっと、どいて下さらない?そこにあるケーキを取りたいの」
「ニ、ニナベア様!」
ウリオス侯爵令嬢であるお姉様に意見できる者はそうそうこの場に居ない。
「ところであなた達、こんな所でこんな事していていいの?お目当てのアンドレス王子が来たわよ」
とニナベアお姉様はケーキを取りながらいった。
するとレイラ嬢を囲んでいた令嬢達は、黄色い声をあげてアンドレス王子の方へ行ってしまった。
「貴方は行かなくていいの?」
ニナベアはレイラに聞くと、レイラは首を振って言った。
「い、いいえ。私は……。それよりも助けて頂いてありがとうございます」
「あ、このケーキおいしい。あなたも食べる?」
「え?は、はい!」
ニナベアお姉様、いつもの事ながらマイペースだわ。それにしても……
と令嬢に囲まれたアンドレス王子の方を見たマリベルは、久しぶりに見たアンドレス王子に目を奪われてしまった――
17歳となったアンドレスは、美しい端正な顔立ちの王子に成長していた。
そんなアンドレスがマリベルの方をチラリと見てきた。マリベルはジワリと熱くなる頬を誤魔化すように、すぐに顔を逸した。
今、目が合った?
マリベルは、そーっともう一度アンドレス王子の方へ目を向けるが、アンドレス王子は令嬢達とにこやかに話していて、こちらは見ていなかった。
き、気のせいよね……。
すると、ケーキを食べていたニナベアお姉様が
「私、あっちの料理食べてくるわ!」
と言って別のテーブルへ行ってしまったので、私は王子がいるこの場から離れたくて、これだけ人がいたら一人くらいちょっと抜けたって大丈夫よね。
と会場から抜けるて、久しぶりの王宮の庭園を散策し始めた。
しばらくすると、さっきの令嬢達がレイラを囲っている現場に出くわしてした。
あの人達また……
今度は自分が間に割って入ろうとその現場に近付くと、縦巻き髪の令嬢が何か因縁をつけ、レイラの肩にかかったショールを引き剥がそうとした。それにレイラが抵抗したので、縦巻き髪の令嬢が強くショールを引っ張った結果、レイラのショールは、風に飛ばされて近くの木に引っかかってしまった。
そして、それを見た令嬢達は「貴方が素直に渡さないから悪いのよ!」とつてゼリフを吐いて立ち去っていった。
一歩到着が遅れてしまったマリベルは、困った顔で気に引っかかったショールを見上げるレイラに言った。
「あのご令嬢方、酷いですわね。レイラ様は、お怪我はありませんか?」
「え、ええ。私は大丈夫なのですが……」
そう言って、レイラは木を見上げた。
「ショールですよね。これはなかなか高い所に引っかかってしまいましたね……」
と言いつつ、マリベルはこれくらいなら登って取れそうね。と考えていた。
でも流石に15歳の貴族令嬢が、王宮の庭園でそれをやったら、駄目な事くらい分かってる。
「今日の為にと無理して両親が用意してくれたのに……」
レイラは、悲しそうに呟いた。
「誰か人を呼んで取ってもらいましょう」
マリベルがそう提案した時だった。風が強く吹いて、ショールが煽られた。
「あ!」
飛ばされそうなショールに不安そうになるレイラを見て、マリベルはドレスの裾を捲くって縛り始めた。
「私が取りに行きます」
「え!?」
驚くレイラを他所に、マリベルはスルスルと木に登り始めた。そして、あっという間にショールの場所まで辿り着いた。
「ん……よし!」
ショールを手に取ったマリベルは、下で不安そうに見ているレイラに向けてショールを振ってニコリと笑った。
「ありがとうございます!」
下からレイラ嬢が嬉しそうにしているのを見て、マリベルも嬉しくなった。
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とマリベルが木を少し移動した所で、ピシッと嫌な音がして、動きを止めた。
「どうしたのですか!?」
下から声を掛けてくるレイラに、マリベルは引きつった笑顔でいった。
「これ、動いたら、枝が折れてしまうから、木を伝っては降りられなくなってしまったわ」
「え!?ど、どうしましょう!?」
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うわっ、これは早く降りないと不味いわ。
すると下からレイラのキャッという声と共に、アンドレス王子が現れた。
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ドサッ!
アンドレス王子に抱き止められマリベルは、無事に木から降りられたのだった。
はあ……、良かった。
マリベルがホッと一息つくと
「相変わらずのじゃじゃ馬だな!」
とアンドレス王子の声がすぐ隣からして、驚いたマリベルがそちらを向くと、王子と間近で視線が交わる。
マリベルは、間近で見るアンドレス王子の青い瞳に耐えられず、すぐに視線を逸らした。
すると王子は抱えている、マリベルを見上げながら得意気な顔で言った。
「久しいな。マリベル」
うっ!バレてる……
マリベルは、サッと王子の腕から下りる。
「こ、これは、ご無沙汰しておりました。アンドレス王子。助けて頂きありがとうございます。あの、お怪我等は……」
「ああ、問題ない。こんな事で怪我をする程、柔ではない」
「は、そ、そうですか」
「それよりもお前は無謀な事をするな!怪我をする所だったではないか!」
「へ?あ、申し訳ございません」
って、何でアンドレス王子は、そんなに怒ってるの?
「お待ち下さい、アンドレス王子。マリベル様は、木の枝に引っ掛かった私のショールをとって下さっただけなのです」
レイラが私を庇うように言うと、アンドレス王子はチラリと私の手に握られていたショールを見た。
「はあ……、だとしてもだ!人を呼ぶとか色々あるだろ!?」
アンドレス王子は怒りながら私に近付いてくる。
え!?な、なに!?
綺麗な顔が近付いて来たと思ったら、スッと下に視線が逸れて、ドレスのスカートの結び目を解された。
「脚を晒すな!」
そして、後ろを向くと
「お茶会に戻るぞ」
と言ってズンズンと進んでいくから、私とレイラ嬢は慌てて王子の後を追った。
そして、アンドレス王子と共にお茶会の会場に戻ると
「アンドレス様、どちらにいらしたのですか?」
と縦巻き髪の令嬢が王子に話しかけた。すると、王子は
「あー、大きな猫が木から落ちそうになっていたから、助けていたんだ」
と言ってチラリと見て得意気に笑った。
お、大きな猫って私の事ですかー!?
とまたしてもアンドレス王子にムッとさせられた私は、早く帰って剣術の稽古をしたいと思ったのだった――
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