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13. 身分は違えど友人にはなれますわ
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その二日後にケルマンの北端にある港町にミューリッツへと無事に到着した。ここからは海路を渡ることになる。帆船でも速度が出れば半日でウースタッド港へ着くそうで、かかっても一日とかからない距離だ。
私たちの乗り込んだ帆船は元々貿易用に定期航行していた便だそうで、ケルマンに観光客が増えてきたことで積荷を減らし、乗客を乗せるようになったらしい。そのときも私たちの他に貴族が何組か乗船していたし、労働者や着の身着のままの移民の姿もあった。
船は苦手だったが、目的地へ近づいている高揚感からか海風を感じたくなり、甲板に出て海を眺めていた。
「これお姉さんの?」
可愛らしい声が聞こえたため、声のした方へ顔を向けると、まだあどけない顔の少女が私を見上げて小銭入れを差し出していた。
「あら、ありがとう。私のだわ」いつの間に落としたのだろう?
そう言って受け取ると、少女はくるりと反転して走り去っていった。
目で追った先には母親らしき女性がいて、走り寄る少女を抱きとめ、何事かを囁きあった後に私の方へ顔を向けた。
目があったので頭を下げる。少女の母親もそれに倣った。
海を眺めているのに飽きてきた私は、何か引かれるものもあり、その母子の元へ向かった。
「親切なお嬢さんですね」私は少女の母に声をかけた。
「ありがとうございます」
「落とし物を拾うだけでなく、直接持ち主に返すなんて、勇気もある子ですね」
娘が良いことをしたのだから胸を張っていいだろうに、少女の母は影のある表情でため息をついた。
「恐縮です。元気なだけならいいのですが、勇気があるというのは考えもので、たまに度を過ぎることがあるんです。誰に似たのか誰彼構わず人を助けて回っていて、危険な目に遭うことも少なくなく、その意気は嬉しいのですがそこまでしなくてもと、つい思ってしまって……」
人助けを日常的にしているとは感心な子だ。確かに親からすれば心配この上ないことだろうけど。
そう私たちが話している側から、少女は風で飛ばされた令嬢の帽子を取ってあげようと、あっという間に駆け出していった。
帽子は甲板の上を滑空していたのだが、少女からあと一歩のところで舞い上がり、手すりの向こうへ飛ばされてしまった。
少女の母の悲鳴。あっ! 危ない!
少女は追いかけたままの勢いで手すりに捕まって手を伸ばし、その帽子を取ろうともがいた。
落ちる! そう思った時、黒い影が現れて帽子と少女を同時に抱きとめた。──シュヴァリエだ。
私は胸を撫で下ろした。
少女の母が駆け寄って少女を抱きしめ、シュヴァリエに何度も頭を下げている。
「人助けをしたいのならそれなりの力をつけないとダメだ。助けられるはめになるなんて本末転倒だろ?」シュヴァリエが真面目な顔で少女に向き合っている。
「ほんまつてんとう?」
「意味がないってことだ。助けにいって、逆に助けられていたら、手間を増やすだけだろ?」
少女は泣きそうな顔で俯いた。「……ごめんなさい」
「そうよ。危ない真似はもうやめなさい!」母親は再び力強く少女を抱きしめた。
「そんなことないわ。人助けをしたいという気持ちは何よりも立派なことよ。力があるから行動に移すのではなく、できるかどうかを判断するよりも身体が先に反応するなんて、素晴らしい心を持っているわ」
私が言うと、シュヴァリエは呆れた顔で答えた。
「そんなことを軽々しく言わないでください。無茶をして取り返しのつかないことになったらどうするんですか」
それもそうだけど……
「じゃあシュヴァリエが教示してあげたら? それなりの力ってやつを」
シュヴァリエは陰気な目で私を数秒見つめた後、母親に抱かれた少女の前にしゃがみ込んだ。
「名前は?」
「……アリシア」少女はおずおずと答える。
「アリシア、僕はレオだ。木登りはできる?」
「木登り? できるけど」
「じゃあ、あのマストに登って見せてくれないか?」
「危ないわよ!」私が思わず口を挟む。
シュヴァリエはまた私の目をじっと見据えたあと、少女の手を引いてマストの方へ向かった。
何よ。
「構いません。目を離すと木に登って猫を助けたり、屋根の上に登ったり危ない真似ばかりするものですから、先程の紳士が見ていてくれるなら安全でしょう」
アリシアの母はそう言ったが大丈夫なのだろうか。
私はシュヴァリエとアリシアの様子をしばらく眺めながら、アリシアの母が吐露する不安に耳を傾けていたら、母子の事情をおおよそ知ることになった。
ハリエット・ノルドクヴィストと名乗ったアリシアの母は、夫に先立たれ両親も既に他界し、女手一つでアリシアを育てなければならなくなり、仕事を求めてウェーデンからケルマンへと渡った先で、同郷の商人に出会ったという。その商人は保養に来ていたのだが、これからウェーデンへ戻る予定で、『富くじの店を開くからその店主を探していたところなんだ。そういう事情ならその職をやってみるかい?』と提案してくれた。富くじ売りの雇われ店主は、基本的に寡婦となった貴族の元夫人が生活の足しにする仕事なのだが、ハリエットに同情したその商人は、貴族ではないがハリエットにその職を任せてもいいと言ってくれたのだ。
富くじ売りの給料は貴族の夫人でも生活ができるような金額なので、平民階級であるハリエット母子ならば贅沢をもできると言っていい。ハリエットは一も二もなく飛びつき、その商人と共にこの船に乗り込んだという経緯だった。
何か裏があるのでは?と勘ぐるようなまたとない話だが……
「ええ。私も最初は疑いました。ですが、その商人のアウグスト氏がアリシアを大層気に入ってくださって……。アウグスト氏のお嬢様が湖畔でピクニックをしていた際に、湖に落ちてしまったのをアリシアが助けたんです。ですがアリシアの方が溺れてしまって、結局アウグスト氏の使用人に助けていただいたので、こちらがお世話になったようなものなのですが……」
そう言ってハリエットは気恥ずかしそうに笑みを浮かべた。
シュヴァリエの懸念通りと言えるが、人を助けたいという心根の優しさは誇らしいのだろう。心配とそれが混在している複雑な親心。
その勇気と思いやりを曇らせずに力を身につければ、さぞかし素敵なレディになるだろう。いや、女性ながらに騎士にもなれるかもしれない。
行きずりとは言えないほど親しくなったアリシア母子と私たちは、半日の船旅を共に過ごして、さらに仲を深めた。
船は夜もふけた時刻にウースタッド港へ寄港した。
アリシア母子と共に下船し、そこで初めてアウグスト氏に対面した。丸々と太った中年の紳士で、笑顔を絶やさない丁寧な物腰に好感を持った。
小さな街で快適そうな宿は一軒しかなく、ちょうど部屋もあったため、私たちはその宿に部屋をとることにして、ハリエット母子とアウグスト氏と、宿の食堂でテーブルを囲むことにした。
旅行用のドレスは長旅で随分くたびれていたので、ハリエットと同じ階級に見えていたのだろう、アウグスト氏は私がランスの公爵令嬢だと知った途端に慇懃な態度に切り替えていて可笑しかった。
アウグスト氏は商人というよりも最近耳にする機会の増えた実業家と言える人物かもしれない。人柄もよく太っ腹で、ウェーデンの味を楽しんで欲しいと言って様々な種類のワインをご馳走してくれたばかりか、豊富な話題で会話を盛り上げてくれて、思いがけない楽しい時間を過ごした。
アリシアは随分とシュヴァリエに心を開いた様子で、シュヴァリエに何事かを囁いては二人で大笑いをしたり、こそこそと席を立って何やら騒いでいたりと、マナーとしては叱るべき態度だったが、まるで兄妹のような仲の良さは微笑ましいほどだった。
私たちの乗り込んだ帆船は元々貿易用に定期航行していた便だそうで、ケルマンに観光客が増えてきたことで積荷を減らし、乗客を乗せるようになったらしい。そのときも私たちの他に貴族が何組か乗船していたし、労働者や着の身着のままの移民の姿もあった。
船は苦手だったが、目的地へ近づいている高揚感からか海風を感じたくなり、甲板に出て海を眺めていた。
「これお姉さんの?」
可愛らしい声が聞こえたため、声のした方へ顔を向けると、まだあどけない顔の少女が私を見上げて小銭入れを差し出していた。
「あら、ありがとう。私のだわ」いつの間に落としたのだろう?
そう言って受け取ると、少女はくるりと反転して走り去っていった。
目で追った先には母親らしき女性がいて、走り寄る少女を抱きとめ、何事かを囁きあった後に私の方へ顔を向けた。
目があったので頭を下げる。少女の母親もそれに倣った。
海を眺めているのに飽きてきた私は、何か引かれるものもあり、その母子の元へ向かった。
「親切なお嬢さんですね」私は少女の母に声をかけた。
「ありがとうございます」
「落とし物を拾うだけでなく、直接持ち主に返すなんて、勇気もある子ですね」
娘が良いことをしたのだから胸を張っていいだろうに、少女の母は影のある表情でため息をついた。
「恐縮です。元気なだけならいいのですが、勇気があるというのは考えもので、たまに度を過ぎることがあるんです。誰に似たのか誰彼構わず人を助けて回っていて、危険な目に遭うことも少なくなく、その意気は嬉しいのですがそこまでしなくてもと、つい思ってしまって……」
人助けを日常的にしているとは感心な子だ。確かに親からすれば心配この上ないことだろうけど。
そう私たちが話している側から、少女は風で飛ばされた令嬢の帽子を取ってあげようと、あっという間に駆け出していった。
帽子は甲板の上を滑空していたのだが、少女からあと一歩のところで舞い上がり、手すりの向こうへ飛ばされてしまった。
少女の母の悲鳴。あっ! 危ない!
少女は追いかけたままの勢いで手すりに捕まって手を伸ばし、その帽子を取ろうともがいた。
落ちる! そう思った時、黒い影が現れて帽子と少女を同時に抱きとめた。──シュヴァリエだ。
私は胸を撫で下ろした。
少女の母が駆け寄って少女を抱きしめ、シュヴァリエに何度も頭を下げている。
「人助けをしたいのならそれなりの力をつけないとダメだ。助けられるはめになるなんて本末転倒だろ?」シュヴァリエが真面目な顔で少女に向き合っている。
「ほんまつてんとう?」
「意味がないってことだ。助けにいって、逆に助けられていたら、手間を増やすだけだろ?」
少女は泣きそうな顔で俯いた。「……ごめんなさい」
「そうよ。危ない真似はもうやめなさい!」母親は再び力強く少女を抱きしめた。
「そんなことないわ。人助けをしたいという気持ちは何よりも立派なことよ。力があるから行動に移すのではなく、できるかどうかを判断するよりも身体が先に反応するなんて、素晴らしい心を持っているわ」
私が言うと、シュヴァリエは呆れた顔で答えた。
「そんなことを軽々しく言わないでください。無茶をして取り返しのつかないことになったらどうするんですか」
それもそうだけど……
「じゃあシュヴァリエが教示してあげたら? それなりの力ってやつを」
シュヴァリエは陰気な目で私を数秒見つめた後、母親に抱かれた少女の前にしゃがみ込んだ。
「名前は?」
「……アリシア」少女はおずおずと答える。
「アリシア、僕はレオだ。木登りはできる?」
「木登り? できるけど」
「じゃあ、あのマストに登って見せてくれないか?」
「危ないわよ!」私が思わず口を挟む。
シュヴァリエはまた私の目をじっと見据えたあと、少女の手を引いてマストの方へ向かった。
何よ。
「構いません。目を離すと木に登って猫を助けたり、屋根の上に登ったり危ない真似ばかりするものですから、先程の紳士が見ていてくれるなら安全でしょう」
アリシアの母はそう言ったが大丈夫なのだろうか。
私はシュヴァリエとアリシアの様子をしばらく眺めながら、アリシアの母が吐露する不安に耳を傾けていたら、母子の事情をおおよそ知ることになった。
ハリエット・ノルドクヴィストと名乗ったアリシアの母は、夫に先立たれ両親も既に他界し、女手一つでアリシアを育てなければならなくなり、仕事を求めてウェーデンからケルマンへと渡った先で、同郷の商人に出会ったという。その商人は保養に来ていたのだが、これからウェーデンへ戻る予定で、『富くじの店を開くからその店主を探していたところなんだ。そういう事情ならその職をやってみるかい?』と提案してくれた。富くじ売りの雇われ店主は、基本的に寡婦となった貴族の元夫人が生活の足しにする仕事なのだが、ハリエットに同情したその商人は、貴族ではないがハリエットにその職を任せてもいいと言ってくれたのだ。
富くじ売りの給料は貴族の夫人でも生活ができるような金額なので、平民階級であるハリエット母子ならば贅沢をもできると言っていい。ハリエットは一も二もなく飛びつき、その商人と共にこの船に乗り込んだという経緯だった。
何か裏があるのでは?と勘ぐるようなまたとない話だが……
「ええ。私も最初は疑いました。ですが、その商人のアウグスト氏がアリシアを大層気に入ってくださって……。アウグスト氏のお嬢様が湖畔でピクニックをしていた際に、湖に落ちてしまったのをアリシアが助けたんです。ですがアリシアの方が溺れてしまって、結局アウグスト氏の使用人に助けていただいたので、こちらがお世話になったようなものなのですが……」
そう言ってハリエットは気恥ずかしそうに笑みを浮かべた。
シュヴァリエの懸念通りと言えるが、人を助けたいという心根の優しさは誇らしいのだろう。心配とそれが混在している複雑な親心。
その勇気と思いやりを曇らせずに力を身につければ、さぞかし素敵なレディになるだろう。いや、女性ながらに騎士にもなれるかもしれない。
行きずりとは言えないほど親しくなったアリシア母子と私たちは、半日の船旅を共に過ごして、さらに仲を深めた。
船は夜もふけた時刻にウースタッド港へ寄港した。
アリシア母子と共に下船し、そこで初めてアウグスト氏に対面した。丸々と太った中年の紳士で、笑顔を絶やさない丁寧な物腰に好感を持った。
小さな街で快適そうな宿は一軒しかなく、ちょうど部屋もあったため、私たちはその宿に部屋をとることにして、ハリエット母子とアウグスト氏と、宿の食堂でテーブルを囲むことにした。
旅行用のドレスは長旅で随分くたびれていたので、ハリエットと同じ階級に見えていたのだろう、アウグスト氏は私がランスの公爵令嬢だと知った途端に慇懃な態度に切り替えていて可笑しかった。
アウグスト氏は商人というよりも最近耳にする機会の増えた実業家と言える人物かもしれない。人柄もよく太っ腹で、ウェーデンの味を楽しんで欲しいと言って様々な種類のワインをご馳走してくれたばかりか、豊富な話題で会話を盛り上げてくれて、思いがけない楽しい時間を過ごした。
アリシアは随分とシュヴァリエに心を開いた様子で、シュヴァリエに何事かを囁いては二人で大笑いをしたり、こそこそと席を立って何やら騒いでいたりと、マナーとしては叱るべき態度だったが、まるで兄妹のような仲の良さは微笑ましいほどだった。
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