5 / 15
ものがたりのはじまり
第5話 星の巫女
しおりを挟む
第5話 星の巫女
☆前回のあらすじ
私たちが、朝起きたらいなくなっていたお母さんを探し回っていたら、おかしな格好をした少女、アミィと出会った
アミィはお母さんを探してくれるといったがどうやらお母さんは"上"にいるらしい
高い場所にいるか、或いは星になっているか
アミィ曰く、私たちは身体が失われると空に昇り星になるという
私が星と話す夢を見たというと
アミィは私が星の巫女なのだと言った
星の巫女とはいったいなんなのか、アミィは語る
「え~とね
まず星の巫女っていうのはだね
星と対話するチカラを持った者のことなんだよね」
「星とお話できる?
でもアミィ、私は今まで1度もそんなこと無かったわよ
それにあれは夢かもしれない」
「でも毎晩夢に見ていたんでしょ?
それはキミの対話するチカラが未熟だったからさ」
「ルナ、じゃあ君はもう星と話すことができるのかい?」
「いいえ、そんなことはないと思うのだけど…」
「そりゃあそうさ
簡単に話せるわけじゃない
キミはじゃあ、別の森にいるお友だちに声を届けられるかい?」
「距離的な問題なの?」
「それもあるってことさ
ようするに波長が合わなきゃ」
「じゃあ一体どうすればいいの?夢を見なきゃダメってことよね?」
「ううん、そうじゃない
星の波長の強い場所に行けばいいのさ」
「そう…でも私別にそんなこと言われても話せるからどうなのって感じなんだけど…」
「星たちならきっとキミのお母さんの行方を知っているよ」
「でもそんなよくわかんない場所に行くくらいなら普通にお母さんを探した方が遠くにも行ってないんじゃ…」
「う~ん…でもね、言い難いんだけど
多分キミがお母さんと会えるのはその場所なんだよね…」
「それってつまり……
ルナのお母さんは死んでしまったってこと?!」
「いや、そうじゃないんだよ
さっきも言った通りにキミのお母さんは、上にいるって言ったよね?」
「そうね」
「星と波長の合いやすい場所っていうのが、上の方にあるんだ」
「じゃあ、そこにいるのね
お母さんは」
「おそらくね」
「はぁ…先の長くなりそうな話ね…
その場所ってのがまずわかんないし…」
「そうだねぇ…
でもキミはボクが探していた星の巫女なんだ
もちろんボクも同行するよ」
「アミィが案内してくれるのなら心強いけど…て、その場所ってのはどこなの?」
「そこはね、星の降る丘って呼ばれているよ」
「え……それって…」
「んふふ…ビンゴ!やっぱりキミは星の巫女なんだね
心当たりがあったんでしょう?」
「昨日の夜、お母さんが言っていた…
星の降る丘のことを覚えているか…って
でもあんまりいいことじゃないって」
「…キミのお母さんは知ってるみたいね
キミが星の巫女だってこと」
「星の巫女は、良くないことなの?」
「……特別なんだよ、キミは
特別だからこそ
果たさなきゃならない義務がある」
「なによ義務って…私が星の巫女だなんて初めて知ったのに…そんなのおかしいじゃない…」
「そう
ボクだってそうだ
アミィ・ユノンに生まれたんだ
でもキミはいい方だよ?
言うならば、生まれながらの勇者みたいな
ボクはその勇者を探す占い師
そんな地味な役回りじゃあないんだからさ」
また何かよくわからないことを言い始めたアミィ
でも星の降る丘に、全ての答えはあるに違いない
「わかったわ
わかった
行こう」
「いいのかい?ルナ」
「サン、あなたも来てくれる?」
「もちろんさ、ルナ
キミがどんな存在でも、僕はついていくよ」
「ありがとう、サン…」
「……もしかしてボクお邪魔かな~?」
「いやいや!なにを言ってるのよ!」
「むっふっふ~
冗談冗談」
「……まあいいわ
もちろんあなたにもついてきてもらうわよ
道はわかってるんでしょうね?」
「…え?」
「……え?」
「いや、実はね…星の巫女がその場所を知るって…」
「いや知らないわよ!
…もしかして忘れてる記憶を夢で思い出させようとしてたのかしら…」
「きっとそうなんだろうね…」
「う~んそうだなぁ
よし、じゃあちょっとボクの見せ場だね」
アミィはさっきのようにまた何かを描き始めた
「むにゃむにゃ…」
何かを唱えている
「う~…あ~…そうなのかぁ…」
「どうなの?」
「うん…北、だって」
「なんか自信なさそうだけど…」
「方角しかわかんなかったんだ…」
「…十分すごいと思うけどな…」
「そう言ってくれるなら嬉しいよ!」
「じゃあ、北だね」
「あ、今は、ね」
「ん?どういこと?」
「曲がり道とかはまた別なんだよねこの方法」
「じゃあどうするのよ…」
「そこはもう目撃情報を集めるしかないね…
ごめんね役に立たなくて」
「……ま、北に進めばとりあえずはいいってわかったし
別にあなたが役に立ってないことはないのよ」
「わ~い!」
「じゃあ今度こそ、行こうね」
お母さんを追って、星の降る丘を目指す
先行きは…不安だけどね…
☆前回のあらすじ
私たちが、朝起きたらいなくなっていたお母さんを探し回っていたら、おかしな格好をした少女、アミィと出会った
アミィはお母さんを探してくれるといったがどうやらお母さんは"上"にいるらしい
高い場所にいるか、或いは星になっているか
アミィ曰く、私たちは身体が失われると空に昇り星になるという
私が星と話す夢を見たというと
アミィは私が星の巫女なのだと言った
星の巫女とはいったいなんなのか、アミィは語る
「え~とね
まず星の巫女っていうのはだね
星と対話するチカラを持った者のことなんだよね」
「星とお話できる?
でもアミィ、私は今まで1度もそんなこと無かったわよ
それにあれは夢かもしれない」
「でも毎晩夢に見ていたんでしょ?
それはキミの対話するチカラが未熟だったからさ」
「ルナ、じゃあ君はもう星と話すことができるのかい?」
「いいえ、そんなことはないと思うのだけど…」
「そりゃあそうさ
簡単に話せるわけじゃない
キミはじゃあ、別の森にいるお友だちに声を届けられるかい?」
「距離的な問題なの?」
「それもあるってことさ
ようするに波長が合わなきゃ」
「じゃあ一体どうすればいいの?夢を見なきゃダメってことよね?」
「ううん、そうじゃない
星の波長の強い場所に行けばいいのさ」
「そう…でも私別にそんなこと言われても話せるからどうなのって感じなんだけど…」
「星たちならきっとキミのお母さんの行方を知っているよ」
「でもそんなよくわかんない場所に行くくらいなら普通にお母さんを探した方が遠くにも行ってないんじゃ…」
「う~ん…でもね、言い難いんだけど
多分キミがお母さんと会えるのはその場所なんだよね…」
「それってつまり……
ルナのお母さんは死んでしまったってこと?!」
「いや、そうじゃないんだよ
さっきも言った通りにキミのお母さんは、上にいるって言ったよね?」
「そうね」
「星と波長の合いやすい場所っていうのが、上の方にあるんだ」
「じゃあ、そこにいるのね
お母さんは」
「おそらくね」
「はぁ…先の長くなりそうな話ね…
その場所ってのがまずわかんないし…」
「そうだねぇ…
でもキミはボクが探していた星の巫女なんだ
もちろんボクも同行するよ」
「アミィが案内してくれるのなら心強いけど…て、その場所ってのはどこなの?」
「そこはね、星の降る丘って呼ばれているよ」
「え……それって…」
「んふふ…ビンゴ!やっぱりキミは星の巫女なんだね
心当たりがあったんでしょう?」
「昨日の夜、お母さんが言っていた…
星の降る丘のことを覚えているか…って
でもあんまりいいことじゃないって」
「…キミのお母さんは知ってるみたいね
キミが星の巫女だってこと」
「星の巫女は、良くないことなの?」
「……特別なんだよ、キミは
特別だからこそ
果たさなきゃならない義務がある」
「なによ義務って…私が星の巫女だなんて初めて知ったのに…そんなのおかしいじゃない…」
「そう
ボクだってそうだ
アミィ・ユノンに生まれたんだ
でもキミはいい方だよ?
言うならば、生まれながらの勇者みたいな
ボクはその勇者を探す占い師
そんな地味な役回りじゃあないんだからさ」
また何かよくわからないことを言い始めたアミィ
でも星の降る丘に、全ての答えはあるに違いない
「わかったわ
わかった
行こう」
「いいのかい?ルナ」
「サン、あなたも来てくれる?」
「もちろんさ、ルナ
キミがどんな存在でも、僕はついていくよ」
「ありがとう、サン…」
「……もしかしてボクお邪魔かな~?」
「いやいや!なにを言ってるのよ!」
「むっふっふ~
冗談冗談」
「……まあいいわ
もちろんあなたにもついてきてもらうわよ
道はわかってるんでしょうね?」
「…え?」
「……え?」
「いや、実はね…星の巫女がその場所を知るって…」
「いや知らないわよ!
…もしかして忘れてる記憶を夢で思い出させようとしてたのかしら…」
「きっとそうなんだろうね…」
「う~んそうだなぁ
よし、じゃあちょっとボクの見せ場だね」
アミィはさっきのようにまた何かを描き始めた
「むにゃむにゃ…」
何かを唱えている
「う~…あ~…そうなのかぁ…」
「どうなの?」
「うん…北、だって」
「なんか自信なさそうだけど…」
「方角しかわかんなかったんだ…」
「…十分すごいと思うけどな…」
「そう言ってくれるなら嬉しいよ!」
「じゃあ、北だね」
「あ、今は、ね」
「ん?どういこと?」
「曲がり道とかはまた別なんだよねこの方法」
「じゃあどうするのよ…」
「そこはもう目撃情報を集めるしかないね…
ごめんね役に立たなくて」
「……ま、北に進めばとりあえずはいいってわかったし
別にあなたが役に立ってないことはないのよ」
「わ~い!」
「じゃあ今度こそ、行こうね」
お母さんを追って、星の降る丘を目指す
先行きは…不安だけどね…
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 〜強面、筋骨隆々、とても強い。 でもとっても優しい男が異世界でのんびり暮らすお話〜
かむら
ファンタジー
【ファンタジー小説大賞にて、ジョブ・スキル賞受賞しました!】
身長190センチ、筋骨隆々、彫りの深い強面という見た目をした男、舘野秀治(たてのしゅうじ)は、ある日、目を覚ますと、見知らぬ土地に降り立っていた。
そこは魔物や魔法が存在している異世界で、元の世界に帰る方法も分からず、行く当ても無い秀治は、偶然出会った者達に勧められ、ある冒険者ギルドで働くことになった。
これはそんな秀治と仲間達による、のんびりほのぼのとした異世界生活のお話。
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界転生令嬢、出奔する
猫野美羽
ファンタジー
※書籍化しました(2巻発売中です)
アリア・エランダル辺境伯令嬢(十才)は家族に疎まれ、使用人以下の暮らしに追いやられていた。
高熱を出して粗末な部屋で寝込んでいた時、唐突に思い出す。
自分が異世界に転生した、元日本人OLであったことを。
魂の管理人から授かったスキルを使い、思い入れも全くない、むしろ憎しみしか覚えない実家を出奔することを固く心に誓った。
この最強の『無限収納EX』スキルを使って、元々は私のものだった財産を根こそぎ奪ってやる!
外見だけは可憐な少女は逞しく異世界をサバイバルする。
趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです
紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。
公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。
そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。
ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。
そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。
自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。
そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー?
口は悪いが、見た目は母親似の美少女!?
ハイスペックな少年が世界を変えていく!
異世界改革ファンタジー!
息抜きに始めた作品です。
みなさんも息抜きにどうぞ◎
肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
魔法の剣とエド
アズ
ファンタジー
世界に魔法というものがほとんど失われ、人類は魔法が宿すという剣を振るうことでしか魔法を発動できなくなっていた。
それ故、魔法の剣を求め各地から人が集まり訪れるが、厳しい旅に大勢の脱落者を出した。
エドは若いながらも無謀な旅に出る
こじらせ中年の深夜の異世界転生飯テロ探訪記
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
※コミカライズ進行中。
なんか気が付いたら目の前に神様がいた。
異世界に転生させる相手を間違えたらしい。
元の世界に戻れないと謝罪を受けたが、
代わりにどんなものでも手に入るスキルと、
どんな食材かを理解するスキルと、
まだ見ぬレシピを知るスキルの、
3つの力を付与された。
うまい飯さえ食えればそれでいい。
なんか世界の危機らしいが、俺には関係ない。
今日も楽しくぼっち飯。
──の筈が、飯にありつこうとする奴らが集まってきて、なんだか騒がしい。
やかましい。
食わせてやるから、黙って俺の飯を食え。
貰った体が、どうやら勇者様に与える筈のものだったことが分かってきたが、俺には戦う能力なんてないし、そのつもりもない。
前世同様、野菜を育てて、たまに狩猟をして、釣りを楽しんでのんびり暮らす。
最近は精霊の子株を我が子として、親バカ育児奮闘中。
更新頻度……深夜に突然うまいものが食いたくなったら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる