君に春を届けたい。

ノウミ

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episode 14

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病院から、医者と看護婦が公園に駆け付ける。

担架に乗せられ運ばれていく、一時大騒ぎとなった。


僕には、何もできない。

傍にいることさえも。


今日は家に帰るしかなかった。


病院にいると、迷惑になるだけ。


行きより、重たい足を引き吊りながら家に帰る。

家に帰っても、頭の中は流川さんの事だけだ。

また、笑って話せるようになりたいと祈りながら。


翌日は、いつも通りに学校に向かう。


いつもと変わらない事が、僕には苦しかった。


この日々は、流川さんにも訪れてほしい。

そんな事ばかり考えてしまう。


今日は授業の内容すら、頭に入らない。

昼食もあまり箸が進まなかった。


学校が終わると、今日も部活に顔を出すことはない。

これ以上に辛いことは耐えれない。


病院に行きたいと思うが、行くことはできない。

あんな事があった後だ、会うことすら叶わないだろう。


松葉杖をつきながら、家に帰っていると花屋に目が留まる。


ふと思い出す、桜の鉢があったことに。


もちろん、この時期に店頭には並んでない。

店内に入り、店員さんに聞いてみることにした。


どうやら、今はこのお店にないが、三日後であれば取り寄せてくれると。

僕は二つ返事でお願いをする。


これであれば、病室からでも桜を見ることが出来るだろう。


流川さんが好きだと言っていた、桜の木が。
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