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第一章

昼休み

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昼休み。
屋上で、お弁当を食べていた。
そこには、もちろん、ゆっくんも居て。

「へぇー!ゆっちゃんの弁当、めっちゃ美味そう!」
「そんなこと、ないよ。ゆっくんだって、美味しそうじゃない」
なんて、こんなちっぽけな会話でも楽しい。
胸がくすぐられてしまう。
「じゃ、食べよ?」
とワクワクしてる子供みたいに、ゆっくんが言った。
「うん!」
私は、首を縦に振った。


カチャカチャ。
弁当箱の音が、誰もいない屋上に響く。

弁当に入っている唐揚げに、箸をのばしたとき。
別の箸がのびてきて、そして。
「もーらい!!」
私の弁当に入っていた玉子焼きを、ゆっくんが取ってしまった。
「ちょっと!!何して!!」
私は即座に反応して、ゆっくんが箸で取っている玉子焼きを自分の箸で掴んだ。
その状態は、まるで箸渡しの途中ですって感じ。
玉子焼きの端をゆっくんが箸で掴んで、玉子焼きの反対の端を私が箸で掴む。まさに、今の状態。


しばらくお互いに玉子焼きを掴んでいると。

ポロッ。

掴んでいた玉子焼きが、丁度、半分に割れた。
私は、半分になった玉子焼きをちゃんと掴んでいるけど、ゆっくんは違ったみたい。
彼を見ると、玉子焼きが彼の箸になかった。
どこにいったの?
再び、ゆっくんを見ると、視線がとある方向を向いている。
気になった私は、彼の視線を追うと。
半分になった玉子焼きが、屋上の地面に落ちている。
ま、まさか。
ゆっくん、落とした?
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