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本編
第18話 真相
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「まあ待て。まだ結論を出すのは早い」
命の終わりを覚悟した私は、魔王様の言葉に目を丸くする。魔王様は書類を手に取ると、私に質問をしてきた。
「お前にこの書類を渡したのは?」
「研究所の事務を担当している、パイラという女性です」
すると魔王様はベルを鳴らし、隣の部屋で控えていたスクルを呼び出した。
「スクル。研究所にいるパイラという女にこれを渡せ。そして、この書類の本物を持ってこいと伝えろ。抵抗するようなら、無理矢理引きずってこい」
「はい」
書類を受け取って、スクルはすぐに部屋を出ていく。私は、彼が出て行ったのを見届けて、魔王様に向き直る。
「書類の……本物とは?」
「筆跡は所長のものに限りなく近い。だが、それ以外にも見分ける方法がある。それがあやつのものとは違っていた」
「では……本物の書類は別にある……?」
「そうだ。パイラという女が本物を持ってくるのを、楽しみに待つとしよう」
その瞬間、私の緊張の糸が切れてしまった。足の力が抜け、その場にへたり込んでしまう。
「申し訳ありません……こんな姿をお見せして……」
「構わない。余も少し脅しが過ぎた。だがまだ安心するのは早いぞ、アステ」
「そう……ですね」
本物の書類が、まだどういう状態なのか不明なのだ。承認されているのかどうか。そして、なぜパイラさんが偽物を用意していたのか……。
「ソファに座って待つがよい。茶でもいれてやろう」
「そ、そんな!魔王様にそんな事をしていただくわけには!」
慌てて、震える足で何とか立ち上がる私。
「書類が来るまで短い時間だが、ログの夫と親友という関係で話そうではないか。……ずっと気を張っていたんだろう、顔がまだ強張っている。少しでも休んだ方がいい」
「……はい」
優しい口調の裏にも、有無を言わさぬ圧力を感じ、私は素直にソファに座る。
私が大人しく座ったのを確認して、魔王様は満足そうに笑うと、美しく慣れた手つきで紅茶を用意し始める。手を動かしながら、魔王様は私に話しかけてきた。
「あなたの事は、ログから色々と聞いているよ。あの子には、同じ年頃の親友がなかなか出来なかったからな。あなたには感謝している」
「そんな……私の方が感謝しないといけないくらいで……ログさんに会うたびに私、とても励まされていて……」
魔王様は、私の前に紅茶が注がれたカップを置くと、向かい側のソファに座る。
「口に合うといいのだが」
「い、いただきます」
私は恐る恐る、カップに口をつける。どこか果物のような香りが鼻を抜けていく。すごくおいしい。
「おいしいです……。紅茶をいれるのがお上手なのですね」
「姉が紅茶をよく飲むひとでね。幼い頃から紅茶をいれる役目を仰せつかっていたんだ。血の滲むような特訓の成果だよ」
「ふふ……だから、とても手際が良かったのですね」
私はもう一口、紅茶を口にする。張り詰めていた気持ちが和らいでいく。
でもまだ、どうなるか分からない……私の心の不安は完全に消えない。カップの中で揺れる紅茶と同じように、私の心は少しの事で揺れてしまう。
そのまま、会話もなく、静かな時が流れていく。そして、カップの中が空になった時だった。
「アステ」
魔王様が私の名を呼び、私は顔を上げる。そこには、さっきまでの穏やかな表情はなかった。それは、私の命を握る恐ろしい存在……。
「私はね、あの子が大切に思うあなたを奪いたくないんだ」
その言葉に、私は息が止まりそうになる。なんて答えればいいのか、躊躇ったその時。
扉がノックされる音が部屋の中に響いた。魔王様は、扉に向けて入れと声をかける。
開いた扉の向こうから、スクルと、顔を真っ青にして怯えた様子のパイラさんが見えた。
「パイラ。書類を出せ」
魔王様の言葉に、パイラさんは小さく悲鳴を上げる。彼女は、フラフラと危なげな足取りで魔王様の側まで行くと、手に持っていた書類を震える手で魔王様へと渡した。
魔王様はそれを一瞥し、私に差し出す。
「本物の署名だ。書類の内容は、お前が確認するがいい」
私は、書類を受け取る。これが、運命を決める。そこに書かれていたのは。
「……承認、されていました」
これで、私が罪を犯す必要はなくなった。何も後ろめたいことなく、クインを救う事ができるのだ。
でも、まだひとつだけ、残っている事がある。
私はソファから立ち上がると、ガタガタ震えているパイラさんの前に立つ。
「なぜ、偽物の書類を渡したのですか」
「ご……ごめ……なさ……」
謝罪の言葉と同時に泣き出すパイラさん。でも、その姿に私の心は少しも動かない。
「泣いていても分からないでしょう。あなたのした事は、病に苦しむひとを見殺しにするのと同じ。あなたが働いているのはどこだと思っているの?ひとの命を救うためにありとあらゆる可能性を追求する場所よ!」
生きてきて初めて、こんな怒鳴り声を上げた。私はどうしても許せなかった。目の前にいるパイラさんの事が。
私の怒鳴り声に、パイラさんはこれ以上ないというくらい体を縮めこませる。
「……あ、あなたを……こ……こまらせてやろうって……だ……だから……所長の筆跡をまねして……」
「私を困らせたいなら、陰口でも噂でもなんでも好きなだけすればいい!でもまさか書類を偽造するなんて……あなたその書類が何のためにあるのか理解してなかったの!?」
「だ……だって……わ……わか、わからないんだもの……パイラ……あ、あなたみたいに……頭よく……ない……」
パイラさんのその言葉に、私の心は冷えていく。頭がよくないからと何も理解しようとしないパイラさんに、絶望に似た感情が襲う。
「……じゃあ、教えてあげるわ。これは、犬に噛まれて感染する病気を治療する新薬を承認するための書類よ。その病気が進行したら手遅れ……確実に命を落とす。それを治せる薬……大切な薬の書類なのよ!」
私の言葉に、パイラさんはゆっくり顔を上げ、信じられないとでも言うように目を見開いて私を見た。
「そ……それ……ほんと……?犬に噛まれてかかる……病気の……薬、なの?」
「そうよ」
私が答えた瞬間、パイラさんは顔をくしゃっと歪ませ、そして両手で顔を覆った。
「そう……だったの……」
そう言うと、パイラさんはフラフラと床に崩れ落ちる。
「ごめんなさい……ほんとうに……ほんとうに……ごめん……なさい……」
小さく呟くように謝るパイラさん。そしてその直後、彼女は気を失って後ろに倒れていく。
「パイラさん!?」
私は慌ててしゃがみこみ、彼女を抱き抱える。ギリギリ間に合い、パイラさんが頭を打ってしまうのを避けられた。
「……よかった」
私はほっとして、大きく息を吐くように言った。
命の終わりを覚悟した私は、魔王様の言葉に目を丸くする。魔王様は書類を手に取ると、私に質問をしてきた。
「お前にこの書類を渡したのは?」
「研究所の事務を担当している、パイラという女性です」
すると魔王様はベルを鳴らし、隣の部屋で控えていたスクルを呼び出した。
「スクル。研究所にいるパイラという女にこれを渡せ。そして、この書類の本物を持ってこいと伝えろ。抵抗するようなら、無理矢理引きずってこい」
「はい」
書類を受け取って、スクルはすぐに部屋を出ていく。私は、彼が出て行ったのを見届けて、魔王様に向き直る。
「書類の……本物とは?」
「筆跡は所長のものに限りなく近い。だが、それ以外にも見分ける方法がある。それがあやつのものとは違っていた」
「では……本物の書類は別にある……?」
「そうだ。パイラという女が本物を持ってくるのを、楽しみに待つとしよう」
その瞬間、私の緊張の糸が切れてしまった。足の力が抜け、その場にへたり込んでしまう。
「申し訳ありません……こんな姿をお見せして……」
「構わない。余も少し脅しが過ぎた。だがまだ安心するのは早いぞ、アステ」
「そう……ですね」
本物の書類が、まだどういう状態なのか不明なのだ。承認されているのかどうか。そして、なぜパイラさんが偽物を用意していたのか……。
「ソファに座って待つがよい。茶でもいれてやろう」
「そ、そんな!魔王様にそんな事をしていただくわけには!」
慌てて、震える足で何とか立ち上がる私。
「書類が来るまで短い時間だが、ログの夫と親友という関係で話そうではないか。……ずっと気を張っていたんだろう、顔がまだ強張っている。少しでも休んだ方がいい」
「……はい」
優しい口調の裏にも、有無を言わさぬ圧力を感じ、私は素直にソファに座る。
私が大人しく座ったのを確認して、魔王様は満足そうに笑うと、美しく慣れた手つきで紅茶を用意し始める。手を動かしながら、魔王様は私に話しかけてきた。
「あなたの事は、ログから色々と聞いているよ。あの子には、同じ年頃の親友がなかなか出来なかったからな。あなたには感謝している」
「そんな……私の方が感謝しないといけないくらいで……ログさんに会うたびに私、とても励まされていて……」
魔王様は、私の前に紅茶が注がれたカップを置くと、向かい側のソファに座る。
「口に合うといいのだが」
「い、いただきます」
私は恐る恐る、カップに口をつける。どこか果物のような香りが鼻を抜けていく。すごくおいしい。
「おいしいです……。紅茶をいれるのがお上手なのですね」
「姉が紅茶をよく飲むひとでね。幼い頃から紅茶をいれる役目を仰せつかっていたんだ。血の滲むような特訓の成果だよ」
「ふふ……だから、とても手際が良かったのですね」
私はもう一口、紅茶を口にする。張り詰めていた気持ちが和らいでいく。
でもまだ、どうなるか分からない……私の心の不安は完全に消えない。カップの中で揺れる紅茶と同じように、私の心は少しの事で揺れてしまう。
そのまま、会話もなく、静かな時が流れていく。そして、カップの中が空になった時だった。
「アステ」
魔王様が私の名を呼び、私は顔を上げる。そこには、さっきまでの穏やかな表情はなかった。それは、私の命を握る恐ろしい存在……。
「私はね、あの子が大切に思うあなたを奪いたくないんだ」
その言葉に、私は息が止まりそうになる。なんて答えればいいのか、躊躇ったその時。
扉がノックされる音が部屋の中に響いた。魔王様は、扉に向けて入れと声をかける。
開いた扉の向こうから、スクルと、顔を真っ青にして怯えた様子のパイラさんが見えた。
「パイラ。書類を出せ」
魔王様の言葉に、パイラさんは小さく悲鳴を上げる。彼女は、フラフラと危なげな足取りで魔王様の側まで行くと、手に持っていた書類を震える手で魔王様へと渡した。
魔王様はそれを一瞥し、私に差し出す。
「本物の署名だ。書類の内容は、お前が確認するがいい」
私は、書類を受け取る。これが、運命を決める。そこに書かれていたのは。
「……承認、されていました」
これで、私が罪を犯す必要はなくなった。何も後ろめたいことなく、クインを救う事ができるのだ。
でも、まだひとつだけ、残っている事がある。
私はソファから立ち上がると、ガタガタ震えているパイラさんの前に立つ。
「なぜ、偽物の書類を渡したのですか」
「ご……ごめ……なさ……」
謝罪の言葉と同時に泣き出すパイラさん。でも、その姿に私の心は少しも動かない。
「泣いていても分からないでしょう。あなたのした事は、病に苦しむひとを見殺しにするのと同じ。あなたが働いているのはどこだと思っているの?ひとの命を救うためにありとあらゆる可能性を追求する場所よ!」
生きてきて初めて、こんな怒鳴り声を上げた。私はどうしても許せなかった。目の前にいるパイラさんの事が。
私の怒鳴り声に、パイラさんはこれ以上ないというくらい体を縮めこませる。
「……あ、あなたを……こ……こまらせてやろうって……だ……だから……所長の筆跡をまねして……」
「私を困らせたいなら、陰口でも噂でもなんでも好きなだけすればいい!でもまさか書類を偽造するなんて……あなたその書類が何のためにあるのか理解してなかったの!?」
「だ……だって……わ……わか、わからないんだもの……パイラ……あ、あなたみたいに……頭よく……ない……」
パイラさんのその言葉に、私の心は冷えていく。頭がよくないからと何も理解しようとしないパイラさんに、絶望に似た感情が襲う。
「……じゃあ、教えてあげるわ。これは、犬に噛まれて感染する病気を治療する新薬を承認するための書類よ。その病気が進行したら手遅れ……確実に命を落とす。それを治せる薬……大切な薬の書類なのよ!」
私の言葉に、パイラさんはゆっくり顔を上げ、信じられないとでも言うように目を見開いて私を見た。
「そ……それ……ほんと……?犬に噛まれてかかる……病気の……薬、なの?」
「そうよ」
私が答えた瞬間、パイラさんは顔をくしゃっと歪ませ、そして両手で顔を覆った。
「そう……だったの……」
そう言うと、パイラさんはフラフラと床に崩れ落ちる。
「ごめんなさい……ほんとうに……ほんとうに……ごめん……なさい……」
小さく呟くように謝るパイラさん。そしてその直後、彼女は気を失って後ろに倒れていく。
「パイラさん!?」
私は慌ててしゃがみこみ、彼女を抱き抱える。ギリギリ間に合い、パイラさんが頭を打ってしまうのを避けられた。
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【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
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