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本編
閑話 アステについて
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アステとエディが帰った後、絵の道具を片付けながらログは、腹を立てた様子で俺に言った。
「もう先生ってば、ほんと何考えてんのかなあ!?女性ばっかり立て続けに辞めちゃうような場所にアステさんを入れるってだけでも心配だったのに、とうとうあんな噂まで……嫌がらせがエスカレートしてるじゃない!」
感情的になると、ログは昔からのくせが無意識に出るのか、魔王様を先生と呼ぶ。つまり今はいたく感情的になっているという事だ。
「落ち着けログ。お腹の子がびっくりするぞ。……それに、魔王様がアステを無理やり雇ったわけじゃない。アステが研究所で働く事を希望して、雇うと決めたのは所長だ」
正論を言っても、ログはアステ可愛さにますます怒り出す。
「それでも止める事はできたじゃない!?もう……アステさんがこれ以上嫌な思いしたらどうしてくれるのお兄ちゃん!?」
「俺に言うなよ……」
きっと、魔王様にも散々文句を言って軽くあしらわれたのだろう。愚痴を言う相手はもう俺しかいないという事だ。
「でもなログ。あまりアステの事を甘く見ない方がいいぞ。お前の前では傷つきやすく見えるだろうが、彼女はおそらく、陰口や嫌がらせにめっぽう強いタイプだぞ」
「え……そうなの?」
ログの前のアステはいつも控えめで遠慮がちで、ログが驚いた反応を示すのも当然だろう。俺は、そう思う根拠を説明する。
「アステが上級学校に通ってた頃の話を色々と聞いたが、金で成績を買っただの、混血だの、女のくせにだの散々言われても、顔色ひとつ変えなかったらしい。何か言われてすぐ傷つくような弱い女なら、首席を維持したまま卒業なんて不可能だろう?」
「え……しゅ……首席!?上級学校を!?維持ってまさか、入学から卒業までずっと!?」
「そうだ。おかげで、優秀だと持て囃されてきたエリートの坊ちゃん達は、相当悔しい思いをさせられたんだろうなあ。そりゃあ嫌味のひとつやふたつ、言いたくなるのもわからんでもない」
ログは、万年首席のインパクトがよほど大きかったのか、驚きのあまり顔をひきつらせている。
「ひょえ……そこまでとは……。でも、ほんとに?わたしが見てきたアステさんのイメージと全然違うよ……」
「そりゃあお前は、初対面の時からアステに能天気に接してたからなあ」
「能天気って失礼しちゃう!まあ……その通りだと思うけどさ……」
自覚があるのか、しゅんとしてしまうログに、俺は思わず苦笑してしまう。ログはそんな俺を悔しそうに睨みつけてくるが、まあそれも俺から見れば可愛らしいものだ。俺は気にせず話を続けた。
「俺が思うにアステは、自分をよく思ってないような奴や、親しくない奴からの言葉は思考する対象から除外して、だからわりとどんな事を言われても平気なんじゃないか……と俺は考えてる」
「ふむふむ……」
「だから逆に、彼女が好意を持っている相手には、ちょっとした事でも感情が動く。まさに俺たちといる時のアステがそうだ……自惚れてるみたいで少し恥ずかしいが」
「ふーむ……それは、興味深い仮説ですな……」
腕を組んで大げさにうんうん頷くログ。
「ただ学校と違って、同僚に関しては関わらざるを得ない。だから何とも思ってないというわけにもいかないんだろう。だがそれでも、あいつらがこれまで追い出してきた女性達より何倍も反応が薄かった。だから、陰でこそこそやるだけに限界を感じて、噂まで流し始めたのかもしれないな」
「思う通りにアステさんがへこんでくれなくて、より強行な手段に出たってこと?うわ……そこまでして同僚を追い出したいって……一体なんなんだろ……」
怖い話でも聞いたのかというように両腕で自分の体を抱きしめるログ。俺も正直理解に苦しんでいるわけで、肩をすくめてしまう。
「さあな。女の気持ちはさっぱり理解できんよ」
「ねえ……いくらなんでも……アステさんだって全然傷つかないわけないじゃない。このままほっといたら、絶対よくないよ」
「それは分かってる。証拠に残るような何かがおきれば、こっちとしても動けるんだがな……」
「でもそれじゃアステさんがもっとかわいそうになっちゃうじゃない……あーもう!やんなっちゃう!」
まるで子供のように、ドスドスと足踏みして怒るログ。
「まあ……そんな悩みも、あのふたりがとっとと結婚して子供を作ってくれればすぐに解決するんだが」
と、ログが元気よく挙手をして、こんな事を聞いてきた。
「ねえお兄ちゃん。わたしちょっと疑問。ふたりが付き合ってるってちゃんと主張するのは、ダメなの?」
「噂のままなら、まだいつか落ち着くだろう。だが本当の事だと分かったら、あのおとなしい見た目のアステより自分の方が優ってると思ったご令嬢が、別れさせようと暴走するかもしれないだろ。……ま、考えすぎかもしれないが」
恋人というのは、いつ別れようがなんの問題ない関係だ。美形な領主の妻の座というのは、とんでもなく魅力的だ。アステを蹴落とそうと思っても不思議ではない。
「それにアステは、フォールスと付き合ってる事で自己顕示欲を満たしたがるような女じゃない。むしろ注目される事で、フォールスとの付き合いに後ろ向きになる可能性だって十分に考えられる」
「たしかに……!じゃあますます結婚してちゃんとつかまえておかないとダメじゃん……でもまだふたりとも、結婚するつもりはないんだよね?」
「……あいつらにも色々と事情があるんだよ。ったく、混血だのなんだのガタガタうるさい奴らがいるせいでこんなクソ面倒な事になってんだぞ……やってられねえ……」
無性に腹が立ってきて、思わず口調が荒くなっていく。そんな俺に、ログがあわあわ……と困惑した表情になる。
「お、お兄ちゃん……口が悪くなってるよ……?お、落ち着いて?」
「これが腹立てずにいられるかっての。いいかログ、お前だって他人事じゃなかったかもしれないんだぞ?もし人間のままだったら、魔王様と結婚できていたかも分からない」
俺の言葉に、ログは泣きそうな顔になる。
「……そう、だね。……きっとそしたら先生は、私を女として愛したりしないで、娘のように思ったまま、そうやってわたしが死ぬまでずっと先生と弟子の関係のままでいたのかな……わたしが……人間だから」
「そんなの嫌だろう?」
ぶんぶんと強く首を横に振るログ。
「……絶対にいや……先生がわたしを女として愛してくれるのを知ってしまったんだもの……それがない世界なんて……想像するのもいや」
俯き、つらそうに言うログ。
「ねえお兄ちゃん……。人間だとか魔族だとかそんなの関係なく、愛し合って結婚できるのが当たり前になるといいのにね……」
「そうだな。でもログ、お前はそれを実現できる力を手に入れた。そうだろう?」
ログは、ハッとした表情で俺を見上げる。
「そうだったね……わたし、王妃になったんだもの……これは国を良くするための力……なんだよね。そっか……わたし頑張らなきゃ。アステさんみたいな辛い思いするひとがもうこれ以上出ないようにしないと」
そう決意するログの眼差しは、俺を兄と慕う時の甘えのない、この国の母そのものだ。
俺は、彼女の前で膝をつく。
「王妃様の志、俺がしっかりお支えします」
「うん……期待してるわ。よろしくね、スクル」
でも、そんな真面目な雰囲気も長くは続かず、俺とログは同時に吹き出すと、ふたりで笑い合った。
俺はログが差し出す手を取り、立ち上がる。
「……ねえお兄ちゃん。アステさんって、フォールスくんの話はちゃんと聞いてくれたんだね」
「どういう意味だ?」
「だって、自分をよく思ってないひとには、何言われても心が動かないんでしょ?」
俺は、初めて会った頃のアステを思い出す。
「……ちょっと待てよ。あの時のアステは、それはもう心底嫌そうな顔で、眉間に皺を寄せてあいつの事見てたぞ」
「んんん?何で?何でフォールスくんにははじめからそんな反応……?」
「確かに」
「謎だねえ……」
俺とログは顔を見合わせ、首をかしげるのだった。
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正論を言っても、ログはアステ可愛さにますます怒り出す。
「それでも止める事はできたじゃない!?もう……アステさんがこれ以上嫌な思いしたらどうしてくれるのお兄ちゃん!?」
「俺に言うなよ……」
きっと、魔王様にも散々文句を言って軽くあしらわれたのだろう。愚痴を言う相手はもう俺しかいないという事だ。
「でもなログ。あまりアステの事を甘く見ない方がいいぞ。お前の前では傷つきやすく見えるだろうが、彼女はおそらく、陰口や嫌がらせにめっぽう強いタイプだぞ」
「え……そうなの?」
ログの前のアステはいつも控えめで遠慮がちで、ログが驚いた反応を示すのも当然だろう。俺は、そう思う根拠を説明する。
「アステが上級学校に通ってた頃の話を色々と聞いたが、金で成績を買っただの、混血だの、女のくせにだの散々言われても、顔色ひとつ変えなかったらしい。何か言われてすぐ傷つくような弱い女なら、首席を維持したまま卒業なんて不可能だろう?」
「え……しゅ……首席!?上級学校を!?維持ってまさか、入学から卒業までずっと!?」
「そうだ。おかげで、優秀だと持て囃されてきたエリートの坊ちゃん達は、相当悔しい思いをさせられたんだろうなあ。そりゃあ嫌味のひとつやふたつ、言いたくなるのもわからんでもない」
ログは、万年首席のインパクトがよほど大きかったのか、驚きのあまり顔をひきつらせている。
「ひょえ……そこまでとは……。でも、ほんとに?わたしが見てきたアステさんのイメージと全然違うよ……」
「そりゃあお前は、初対面の時からアステに能天気に接してたからなあ」
「能天気って失礼しちゃう!まあ……その通りだと思うけどさ……」
自覚があるのか、しゅんとしてしまうログに、俺は思わず苦笑してしまう。ログはそんな俺を悔しそうに睨みつけてくるが、まあそれも俺から見れば可愛らしいものだ。俺は気にせず話を続けた。
「俺が思うにアステは、自分をよく思ってないような奴や、親しくない奴からの言葉は思考する対象から除外して、だからわりとどんな事を言われても平気なんじゃないか……と俺は考えてる」
「ふむふむ……」
「だから逆に、彼女が好意を持っている相手には、ちょっとした事でも感情が動く。まさに俺たちといる時のアステがそうだ……自惚れてるみたいで少し恥ずかしいが」
「ふーむ……それは、興味深い仮説ですな……」
腕を組んで大げさにうんうん頷くログ。
「ただ学校と違って、同僚に関しては関わらざるを得ない。だから何とも思ってないというわけにもいかないんだろう。だがそれでも、あいつらがこれまで追い出してきた女性達より何倍も反応が薄かった。だから、陰でこそこそやるだけに限界を感じて、噂まで流し始めたのかもしれないな」
「思う通りにアステさんがへこんでくれなくて、より強行な手段に出たってこと?うわ……そこまでして同僚を追い出したいって……一体なんなんだろ……」
怖い話でも聞いたのかというように両腕で自分の体を抱きしめるログ。俺も正直理解に苦しんでいるわけで、肩をすくめてしまう。
「さあな。女の気持ちはさっぱり理解できんよ」
「ねえ……いくらなんでも……アステさんだって全然傷つかないわけないじゃない。このままほっといたら、絶対よくないよ」
「それは分かってる。証拠に残るような何かがおきれば、こっちとしても動けるんだがな……」
「でもそれじゃアステさんがもっとかわいそうになっちゃうじゃない……あーもう!やんなっちゃう!」
まるで子供のように、ドスドスと足踏みして怒るログ。
「まあ……そんな悩みも、あのふたりがとっとと結婚して子供を作ってくれればすぐに解決するんだが」
と、ログが元気よく挙手をして、こんな事を聞いてきた。
「ねえお兄ちゃん。わたしちょっと疑問。ふたりが付き合ってるってちゃんと主張するのは、ダメなの?」
「噂のままなら、まだいつか落ち着くだろう。だが本当の事だと分かったら、あのおとなしい見た目のアステより自分の方が優ってると思ったご令嬢が、別れさせようと暴走するかもしれないだろ。……ま、考えすぎかもしれないが」
恋人というのは、いつ別れようがなんの問題ない関係だ。美形な領主の妻の座というのは、とんでもなく魅力的だ。アステを蹴落とそうと思っても不思議ではない。
「それにアステは、フォールスと付き合ってる事で自己顕示欲を満たしたがるような女じゃない。むしろ注目される事で、フォールスとの付き合いに後ろ向きになる可能性だって十分に考えられる」
「たしかに……!じゃあますます結婚してちゃんとつかまえておかないとダメじゃん……でもまだふたりとも、結婚するつもりはないんだよね?」
「……あいつらにも色々と事情があるんだよ。ったく、混血だのなんだのガタガタうるさい奴らがいるせいでこんなクソ面倒な事になってんだぞ……やってられねえ……」
無性に腹が立ってきて、思わず口調が荒くなっていく。そんな俺に、ログがあわあわ……と困惑した表情になる。
「お、お兄ちゃん……口が悪くなってるよ……?お、落ち着いて?」
「これが腹立てずにいられるかっての。いいかログ、お前だって他人事じゃなかったかもしれないんだぞ?もし人間のままだったら、魔王様と結婚できていたかも分からない」
俺の言葉に、ログは泣きそうな顔になる。
「……そう、だね。……きっとそしたら先生は、私を女として愛したりしないで、娘のように思ったまま、そうやってわたしが死ぬまでずっと先生と弟子の関係のままでいたのかな……わたしが……人間だから」
「そんなの嫌だろう?」
ぶんぶんと強く首を横に振るログ。
「……絶対にいや……先生がわたしを女として愛してくれるのを知ってしまったんだもの……それがない世界なんて……想像するのもいや」
俯き、つらそうに言うログ。
「ねえお兄ちゃん……。人間だとか魔族だとかそんなの関係なく、愛し合って結婚できるのが当たり前になるといいのにね……」
「そうだな。でもログ、お前はそれを実現できる力を手に入れた。そうだろう?」
ログは、ハッとした表情で俺を見上げる。
「そうだったね……わたし、王妃になったんだもの……これは国を良くするための力……なんだよね。そっか……わたし頑張らなきゃ。アステさんみたいな辛い思いするひとがもうこれ以上出ないようにしないと」
そう決意するログの眼差しは、俺を兄と慕う時の甘えのない、この国の母そのものだ。
俺は、彼女の前で膝をつく。
「王妃様の志、俺がしっかりお支えします」
「うん……期待してるわ。よろしくね、スクル」
でも、そんな真面目な雰囲気も長くは続かず、俺とログは同時に吹き出すと、ふたりで笑い合った。
俺はログが差し出す手を取り、立ち上がる。
「……ねえお兄ちゃん。アステさんって、フォールスくんの話はちゃんと聞いてくれたんだね」
「どういう意味だ?」
「だって、自分をよく思ってないひとには、何言われても心が動かないんでしょ?」
俺は、初めて会った頃のアステを思い出す。
「……ちょっと待てよ。あの時のアステは、それはもう心底嫌そうな顔で、眉間に皺を寄せてあいつの事見てたぞ」
「んんん?何で?何でフォールスくんにははじめからそんな反応……?」
「確かに」
「謎だねえ……」
俺とログは顔を見合わせ、首をかしげるのだった。
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