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第一章
次の町へ
しおりを挟む俺は、忘れ物を取り宿を後にし、待って
いた。
ソノクと合流することができた。
長時間待たせたソノクは、
ご立腹の様子だった。
俺は素直に状況を説明し謝った。
「ごめん!思いもしない所にあったから時間かかったちゃって…」
「全く…気をつけてよね!」
そう…思いもしない所…
天井裏からおじさんが落ちてくるとは思っても見なかった
「少年!次の町に行くよ!」
俺とソノクは、次の町まで歩みを進めた。
——————-
「ソノク、次の町の情報ですけど
前に、人口が女性が大半を占める町
だと言ってたよね?」
「えぇ、剣士になる前お爺さまから言われたのは、あの町は、大半ではなく、女性しかいないわ。」
「少人数でも男性は、いない?」
「女性主義の町だから、男性とバレたら
追い出されるわ!もちろん訪れた客もね」
次行く町では、女性しかいなく、
若い人たちは、
ヒーラーになるために修行を積み、町の
モンスターの討伐隊に入るのが一般的らしい。
熟練度を磨いたヒーラーは、討伐隊の、
男性と結婚し、子にヒーラーとしての
教育をする。
本当は、男性だが女性として隠しながら生きている人も中には少人数だがいる
らしい。
“女性こそ強く、美しいヒーラーで
あるべき”
そんなど偏見な教育をこの町では、平然と
行われているらしい。
「君にも、女装をしてもらうわ!私の、
装備品と交換でね!」
「ちょっと待て!いきなり女装と言われてもどうすれば!!ってか何で交換なんだよ!」
どうやら俺は、この町の依頼をこなすため、女性として入らなければならないらしい。
「交換の理由は、教えられないけど見解だと、私の装備とあなたの装備を
入れ替えて、顔は、長いローブで隠せば
最初の関門は、突破できるわ
それからは、町の広間あたりからは、
死ぬ気で女性と貫き通しなさい!」
ソノクは、町の入り方について
説明をしてくれるが、全く想像が付かなかった。むしろ初めて行く町なのにこんな
詳しいか謎であった。
「まぁ!男性とバレたら追い出されるか
リンチされるかどちらかだからがんばりな!少年!」
「そんなぁ……。」
俺は、渋々とソノクの装備品を交換するが、
「重っ!!!」
俺は、装備品をもらった途端手から滑り落ちた。
ドスッ…
明らかに装備品ではなく、重い鉄球みたいな音がした。
(う、嘘だろ!?今から俺こんな重いの
着て町を歩くのかよ!?)
ソノクの装備品が明らかに常人はつけれないほど重かった。
まだ、装備品を受け取った手がプルプル振ている。
だが、ソノクは、俺の装備を着て
とても身軽そうにしていた。
「少年の、装備って軽いのね!これでは、
耐久性が心配ね。でも今だけは動きやすい
方が私には、いいわ」
ソノクは、動きやすさより、装備の耐久性を重視しているようだ。
耐久性より、動きやすさを重視している
同じ剣士だが、俺の戦闘スタイルと全然
違った。
「私、先に町に行って、関門から入って依頼場へ向かいなさいそこで合流よ」
「う、うん」
どうやら、俺と一緒には関門に、来てくれないらしい外壁から人を観察?何か注意するべきことがあるのだろうか?
俺は、ソノクの行動に疑問を覚えた。
「じゃあ、少年!私、先に町の視察してるわね」
そう言いソノクは、颯爽とこの場から立ち
去った。
剣士以外にもやるべきことがあるのだろうか..
今度聞いてみよう。
それよりも地面に転がった
重い装備品これを
どうにか装備しなければ先には進めない。
先に町へ向かうソノクの後ろ姿を眺めながら俺は、装備を必死に付けた。
————————-
白く、大きい鉄骨で出来たコンクリートの
壁で囲まれている町の外壁が俺を拒んでいるように見える。
周りには自然焼き尽され、焦げた匂いが鼻に付く。
黒く焼き焦げボロボロになった装備品、武器が散乱している。
中には、黒く灰になり原型を留めていないがヒーラーらしき帽子に頭蓋骨のようなものが複数あった。
きっとヒーラーだった方たちがここで争い命を落としたのだろうか
目の前の門には、剣を持ち鎧を纏った
女性の番人が2人立っていた。
外者を寄せ付けない不気味な町の入り口だ。
必死こいて重い装備を身に纏い、ローブで顔を隠した俺は、町の門に着くことが
できた。
門を早く突破したい俺は、一回住民に
なりきり、素通りを試みる。
だが門の女番人にあっけなく塞がれた。
最悪だ。
「は….ははど、どうも~。」
俺は、男とバレるという焦りから
表情が攣った、不自然な笑いで女番人に
挨拶をし、同時に、
顔を隠したローブの隙間から目を合わせないように女番人の様子を伺う。
「お前!男ではないか、ここで証明せよ!」
いきなり関門の番人の女が俺に、
無茶振りをし始める
これも女性と見極めるための方法だろうか。
しかし、女性と証明する物は俺には、
何一つない。どうするか考えた。
(悩んでも仕方ない!
よし!俺は覚悟を決めた、渾身の女性を演じてやる!)
そう思い、俺は、勇気を出して演じることを決意する。
「あ、あのぉ」
「なんだぁ!声が思ったより低いな、
男なのか?、部外者が切るぞ!」
不機嫌な表情をした女番人の剣先が俺に
向く。
(いや、完全に女として接する気無いどころか仕留める気じゃん…)
俺は、それをしみじみと感じていた。
何を血迷ったのか
俺は、ボロを出してしまう。
「わたくし付いてます!、で…でも心は女の子なんです!ここを通して!」
俺は、男だと言うことはバラしてしまった。
1番バラしてはいけない場所で。
「つ、つ…付いてますよ!先輩!!!」
今まで無言だった女番人が、頬を赤くし
興奮気味で、俺を見る。
「付いてることを自白したな貴様!!」
女番人は、力強く握っている剣を
振りかざした。
気迫に押された俺は反応に遅れ、剣の刃は、一瞬で首辺りまで来ていた。
剣を振る早さだけならソノクより上のだとすぐに分かる、見習い剣士の技術では、遥かに敵わないと肌で感じた。
この近い距離では、避けようがなかった。
(ごめん…ソノク無理だったよ。)
諦めたと思い込んだ瞬間
急に、剣の動きがピタッと
目の前で止まった。
何かを察したのか女番人が握っていた剣は、振るえ始めていた。
「止まりなさい!門のかたぁ、このお方は、私のお知り合いですわ
私が許可をいたしますので、ここを通してくださいまし!」
俺は、ふと横を振り向いた。
そこには、煌びやかな女性が隣に立って
いた。
肩まで伸びた髪に、
青く透き通るサファイアのような瞳に、
どこか上品さを感じる真っ白いドレスを
着ていた。
幼い顔立ちをしているが、立ち振る舞いからしてお嬢様のように見える。
失態を犯してしまった、女番人は、慌てた様子で、抜いた剣を、潔く納刀する。
この女性が止めなければ、俺はここで
命を落としていた。
「すみません、アリス様!このような失態は、二度と….。」
「話長くなるならやめてくれる、
ばんにぃんさぁん、早くぅ、門を通してくださいましぃ!」
アリスの不機嫌を感じ取ったのか2人の
女番人は潔く、門を通してくれた。
やはり、助けてくれたこの人は、
この町だと有名な権力者だろうか。
俺は、そう疑問を抱きながら町の門を
通った。
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