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交差
潮吹神経
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『美味しゅう御座います』取り敢えず蟲はそう言ってみた。頂きますを添えて頂まで登攀する経路の探索に精を出し,時折,性を出した。生命誕生の片鱗(へんりん)であり片鱗(かたうろこ)でもある粘液の射出技術を娘の脳内に刻み続ける。『宇/宇/宇』片田舎の夏休みに脱力しながら浮かぶ川遊び。『宇/宇/宇』呼吸は一糸乱れず悠久の時と空間が広がっているやうな感覚が浮かぶ。『宇/宇/宇』別次元の時間と空間が管区を問わぬ甘苦を強要した時に耳朶から最終便の蟲が這入り込む。
『美味也。美味也。』彼等は脳内の柔らか肉をもっと柔らかくする為の射精に勤しみながら進む。或る者は中央へ。或る者は外縁部へ。或る者は氣の導く経路に沿って。前者の目的地は神経回路末端の松果体。中者の目的地は大外回りで頭皮薄皮一枚とのサンドウィッチを求めて。後者は見事に奇経八脈(きけいはちみゃく)といふ螺旋を描く走破路に乗り縦横無尽。
『もう…おかしく…なっちゃう。』久し振りに意味のある言葉を発した半霊体奴隷少女の唇は紫色と桃色の中間に位置しており,我慢の表情と恥じらいの表現が食指をそそる。外部からの閲覧者である骸骨は時折,件の九尾の鞭を振るい弓のやうになる奴隷少女の反応を楽しんだ。涅槃図とはかくも厳しい場所であるのか。
『いや…やめて…やめ…て…』随分と苦しいのだろう。skinnyでthinなwaistは今にも捩じ切れそうに細くなる。双突起が屹立しているのは恐怖に依るものなのか。快感が高速走行するのに耐えているのか。はたまたその何方をも感じているのか。華奢な肩に並行して鎖骨が浮き彫りになる。同周囲にも蟲が徘徊しているのが外部からも視認できる。
36の閲覧者(何れも人間の肉を亡くした骸骨である)が其の反応を楽しんでいる。尾骨と仙骨は激しい波を生成し頚椎まで快楽物質を伝達し全身で歓喜の舞踊を踊る。換気のない洞窟で踊る。寒気に良いしれつつ踊る。一文字に唇を噛みしめた娘の内温と外温の差により漏れる氷結に似た吐息。『あ』『あ』『あ』『あ』『あああ…あ』蟲の穿孔が進む度に周辺に霧が立ち込める様はまるで白秋の水墨画。
咲く事を急ぎすぎた心が在る。自己顕示欲の塊を統制できずに朽ちていった魂が在る。此処は涅槃図/此処は涅槃図の中。妖気の結集に支配された洞窟の存在に氣づいた狐が草を噛む行為を止める。瘴気の集合体に魅入られた魍魎達は目を醒まし/天空を駆ける「馬と猪の間(あい)の仔であり愛(あい)の仔」に跨り雲間に消えていく。
綺麗に咲ききれなかった花達の末路は哀れなものだ。雄の群れを従えて誇らしげに咲く花は愛でられ/愛でられ/愛でられ/撫でられ/撫でられ/撫でられているのに対し周囲をサークル状に囲む中途半端な色づきの彼岸花は悲願の成就に必要な何かを元々持ち合わせていなかったのだろうと思う。
ルンビニーの花園においで
其処は涅槃図の最奥の地
シッダルタ太子の出生に美しい音を
全てを記載した究極の書物を
阿頼耶識を広げ全てを記載する為
最速の速記者と測機舎を
此処は涅槃図/涅槃図の中
天上天下唯我独尊。平等なのは最小単位の生成物のみ。故に添加のない天下は泰平也。疾風迅雷。脳の運動能力は腸と密接に関連しているぞ。不倶戴天。恵みの雨と土壌の蜜月関係に氣を送るとしやう。陰陽道現白波(おんみょうどううつつしらなみ)。皆様どうぞ関越でお越しください。圏央道のインターを降りたら御連絡ください。未開拓の右脳末端まで届く御届物があるのでしょう。受け取り準備の為に玄関を整えておきます。自分より遥かに狂った執筆者が関東界隈に居るというので興味は深々/津々は浦々。永劫回帰。『私には帰る家があります。夫が居て子供も居ます。が。私には還るべき場所がないのです。人は人に還るというでしょう。人は人に還る。陰は陽を求め/逆もまた然り。その場所を探すのが人生の目的であると聞いたことがあります。本当なのでしょうか。』大丈夫。無双原理は何時も君の傍に在る。心配するな。
『あ…あ…あ…あ…』娘が太陽神経脳と子宮から込み上げる絶頂感を強制される。一本線の部分から鯨が顔を出し潮を吹く。『…見ないで』そう言われるとどうしても見たくなるのが性といふものであってな。洞窟の隅で展開する蟲責めの緊縛図は高揚し/潮吹き神経まで到達した蟲は喜びに震え/何度も同付近の肉壁を突いている。
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