《瞑想小説 狩人》

瞑想

文字の大きさ
上 下
399 / 512
交差

赤の液体

しおりを挟む

::::::::::::::::::

色服男の本気領域が拡大し拡散す
腹腔内圧の増大に苦悶の痴態を晒す彼女
『葉ぁ/葉ぁ/葉ぁ』其の蕾栓に3つの穴
右辺は太陽を象徴する洞窟の一部にして全部

客の一人が硝子細工に満載された液を充て
色服男の導きのまま赤い溶液の容積を射出する
同液体のうちの先行部隊が背中に接地する刹那
彼女はその細い腰を更に捻り細くなる/が

緊縛の裾野達が4本の存在を誇示する為
彼女は身動きをとれず/久しく指も動かせぬ
麻で三編みにされた縄は先刻よりも太くなる
魍魎の匣に潜む獅子は四肢の存在が鬱陶しいやうで

『君は只/我等の実験台であればよひのだよ』
右手は朱雀が久々に放った文句の虜

『此処で果てるなよ/未だ這入っておらぬ』
左手は玄武の力強い腕力には敵わない

『君は宴の贄にして極上の添え物となる』
右脚で青龍が小動物を子飼いにしていた

『魂の死と肉体の死は違ふのでな』
左脚で白虎は最も悪意のある虎に成る

四聖獣はそれぞれに彼女にもの申し
一頻(ひとしき)り緊縛の縄張りを強くしていく
赤味を帯びた武蔵野平野の朝は来ず
ぬるりと同色の液体が彼女に挿入される

『嗚呼…嗚呼…嗚呼…ぁっ』
素人喉自慢大会はとっくに人気をなくし

『嗚呼…嗚呼…嗚呼…っっ』
全モニターが彼女の鳴声を中継する

ベリーレアに焼かれた羽根の跡が痛々しい
其処に塗られた塩はヒマラヤの岩塩さ/勿論
意識レベルについて伝えてやらうか
痛み刺激にようやっと開眼する程度/200
其の開眼は現実を包含する事が出来ず
5ミリ方眼紙の上で悲しみを歌っている

ところで赤の溶液は蕾栓に相見積された穴のうち
一番右側の襞(ひだ)の中/奥深くまで挿れられた
其れは鶴の恩返しと真逆のベクトルを持ち
悪意のカクテルが腸内最深部に放り込まれる

びくり/びくり/びくり/身体が跳ねる
内圧の突風は彼女の意識を数回攫い
網膜で同色の炭鉱夫が今日の天気を聞く
彼女は薄れゆく意識の中で言うのだ

『今日は大雨です…傘も役に立ちませぬ』

『そう…今日は…大雨で御座ひます』

『三叉路に在った筈の道標も…嗚呼』

『吹き飛ばされて泣いているでしょう』

『今の私のやうに/今の私のやうに』

彼女は美麗な女肉スープになったやうで
7割を占める水分が8になり9になり
断捨離志向と排泄希望が当分混じる意識
赤の液体は腸内から溢れマクロファージを経由し
彼女の脳内で睡眠を担当する箇所をノックする

同箇所には全部破壊を目論むシヴァ神がおり
仙道の完成の為に溶液を飲み込む音『ごくり』
其の溜飲が下がる度に彼女は頭蓋の中にまで
其の龍婬が下がる度に彼女は頭蓋の中にまで
決して吐き出せぬ苦悶が溜まりゆくのを感じたまへ

 何処かで赤色の花が咲いているだろう
 何処かでオレンジの実が成っているだろう
 何処にも救いのない地獄変に垂れる糸は
 赤鬼と青鬼の欲まみれの喧嘩の結果さ
 何人も何人も涅槃に導ける糸じゃあないぜ
 そんな強さは誰ももっていない/誰もな

 賽銭箱の中身は流浪人のポケットの中さ
 真実を識るのに奔走しても構わないが
 駅構内の最下部に逃走経路が在るのを/さ
 識っているのなら挙手を願いたいものだ
 海と海を結んだ巨大な洞窟の中にもさ
 軍事と訓示と便宜と諸外国圧が在るんだぜ

『…嗚呼…』苦しかろうな
『…嗚呼…』表情で理解るぜ
『…嗚呼…』圧力について教えてやらうよ
『…嗚呼…』高いものから低いものへ
『…嗚呼…』簡単な理科学だろ/なあ
『…嗚呼…』内圧を高める事は肝心だ
『…嗚呼…』高藤氏もそう言っていたろ
『…嗚呼…』中村氏もそう言っていたろ

赤の溶液が脳幹まで納棺される/が
彼女は其の排泄を許される事はない
彼女は其の排泄を許される事はない
肛門には完全無欠な蕾栓をされているし
口腔は欲望の圧力に屈してしまっているから

赤の液体は腸内の圧を高める魔物由来
具体的に数字記載で1.8Mpaくらい
内部湿度上昇/反面で外部はドライ

『葉ぁ/葉ぁ/葉ぁ』其の叫び声を供物とし
『葉ぁ/葉ぁ/葉ぁ』宵の明星とダンスを
『葉ぁ/葉ぁ/葉ぁ』誰も居ない平野で踊ろう
『葉ぁ/葉ぁ/葉ぁ』常に北向く一等星すら
『葉ぁ/葉ぁ/葉ぁ』奈落に導く淫靡な舞ひを

:::::::::::::::::::::
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません 

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。 まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。 だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥ たまにやりたくなる短編。 ちょっと連載作品 「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】

青緑
ファンタジー
 聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。 ——————————————— 物語内のノーラとデイジーは同一人物です。 王都の小話は追記予定。 修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。

男友達を家に入れたら催眠術とおもちゃで責められ調教されちゃう話

mian
恋愛
気づいたら両手両足を固定されている。 クリトリスにはローター、膣には20センチ弱はある薄ピンクの鉤型が入っている。 友達だと思ってたのに、催眠術をかけられ体が敏感になって容赦なく何度もイかされる。気づけば彼なしではイけない体に作り変えられる。SM調教物語。

家の猫がポーションとってきた。

熊ごろう
ファンタジー
テーブルに置かれた小さな瓶、それにソファーでくつろぐ飼い猫のクロ。それらを前にして俺は頭を抱えていた。 ある日どこからかクロが咥えて持ってきた瓶……その正体がポーションだったのだ。 瓶の処理はさておいて、俺は瓶の出所を探るため出掛けたクロの跡を追うが……ついた先は自宅の庭にある納屋だった。 やったね、自宅のお庭にダンジョン出来たよ!? どういうことなの。 始めはクロと一緒にダラダラとダンジョンに潜っていた俺だが、ある事を切っ掛けに本気でダンジョンの攻略を決意することに……。

自衛官、異世界に墜落する

フレカレディカ
ファンタジー
ある日、航空自衛隊特殊任務部隊所属の元陸上自衛隊特殊作戦部隊所属の『暁神楽(あかつきかぐら)』が、乗っていた輸送機にどこからか飛んできたミサイルが当たり墜落してしまった。だが、墜落した先は異世界だった!暁はそこから新しくできた仲間と共に生活していくこととなった・・・ 現代軍隊×異世界ファンタジー!!! ※この作品は、長年デスクワークの私が現役の頃の記憶をひねり、思い出して趣味で制作しております。至らない点などがございましたら、教えて頂ければ嬉しいです。

お尻を叩かれたあと、○○もお仕置きされちゃう女の子のお話

まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*) 鏡の前でお尻を叩かれながらイかされたあと、ベッドに運ばれた女の子が、イかせて欲しいと泣いちゃうぐらい優しく触られて。それならと、自分でローターに○○を押し付けさせられるお話しです。

転移先は薬師が少ない世界でした

饕餮
ファンタジー
★この作品は書籍化及びコミカライズしています。 神様のせいでこの世界に落ちてきてしまった私は、いろいろと話し合ったりしてこの世界に馴染むような格好と知識を授かり、危ないからと神様が目的地の手前まで送ってくれた。 職業は【薬師】。私がハーブなどの知識が多少あったことと、その世界と地球の名前が一緒だったこと、もともと数が少ないことから、職業は【薬師】にしてくれたらしい。 神様にもらったものを握り締め、ドキドキしながらも国境を無事に越え、街でひと悶着あったから買い物だけしてその街を出た。 街道を歩いている途中で、魔神族が治める国の王都に帰るという魔神族の騎士と出会い、それが縁で、王都に住むようになる。 薬を作ったり、ダンジョンに潜ったり、トラブルに巻き込まれたり、冒険者と仲良くなったりしながら、秘密があってそれを話せないヒロインと、ヒロインに一目惚れした騎士の恋愛話がたまーに入る、転移(転生)したヒロインのお話。

料理人がいく!

八神
ファンタジー
ある世界に天才料理人がいた。 ↓ 神にその腕を認められる。 ↓ なんやかんや異世界に飛ばされた。 ↓ ソコはレベルやステータスがあり、HPやMPが見える世界。 ↓ ソコの食材を使った料理を極めんとする事10年。 ↓ 主人公の住んでる山が戦場になる。 ↓ 物語が始まった。

処理中です...