《瞑想小説 狩人》

瞑想

文字の大きさ
上 下
368 / 512
交差

蝙蝠の飛翔/蜘蛛の足音

しおりを挟む

:::::::::::::::::::::

解かれることの無い鉄鎖…其の色は銀
同じく段階的な穴を備えた首輪…其れも銀
ホールの壁は筆者の想像よりも2段階鈍い銀
集合した66人は右手と左手を同時に挙げ
量子力学を完全で健全で絶対的なものと認める

『嗚呼』…調理場に用意されたフライパン
『嗚呼』…同銀色に乗せられたものは人外であり
『嗚呼』…憲法の前文も全文も通用しない場面
『嗚呼』…御散歩を強要される娘は其の体液のうち
『嗚呼』…大部分を蝙蝠に攫われてしまふ
『嗚呼』…其の隙間に見た網膜内部には明晰夢

『嗚呼』…フライパンは王の利き手で揺すられ
『嗚呼』…メインエントランスから振動する故
『嗚呼』…一階の中央ホールに集まる客は/識る
『嗚呼』…おおひに不吉な出来事が起こった事を

嗚呼/チャットでは記載できぬものがある救い
人で在るが故に…俺は多いに痛みを感じ
幸福を論じ/感じ/収受し/拡大し/想像し
誰も居ない祭りの路地裏の雰囲気を楽しめる

人手の届かない『空白の100マイル』
其処にヒトデが大量発生して共喰うのを見つつ
死と出(で)を見分し無意味で下賤な下院に
可決する事しか脳の無い選抜者が集うのを笑う

チャットが問題になるのはそんなに遠くない
此の様な文面が淘汰される日も遠くない
価値の根幹を揺るがす変化が訪れる毎日を見る
レースの中に欠けた幾つかのものを語るなら
直感/発想/想像力/未来への希望/習慣
身体感覚/脳内カクテルのバランス/チャクラ

『嗚呼』…蝙蝠は其の役目を終えて飛翔する
余りにも可憐な娘には6本の爪痕がついている
彼は蝙蝠/6本爪の蝙蝠/知恵の顕現也

生命力の根源たる紅色を付し
上丹田に紛れもない契約を繋ぎ
下丹田に誰とも区別できる生薬を紡ぎ
太陽神経囊に自らの痕跡をはっきりと残し
乳首と乳首の中間点である胸椎には
緑色の唾液が垂らされ水彩画の如く空白を纏う

『嗚/呼』…娘は蝙蝠の飛翔に若干の安堵
『葉/葉』…接続詞の無い小説を読む奇妙な尺度
『葉/葉』…開発された身体は不可逆であり
『葉/葉』…左右の突起に反動する感度
『葉/葉』…少し呼吸を落ちつきたまへよ
『葉/葉』…未だ調教の全部は終わっていないぜ
『葉/葉』…『次だ』市場の王が指示を出せば

『嫌/嫌』…燭台(しょくだい)に新たな炎が
『嫌/嫌』…蝕台(しょくだい)に新月を経ぬ三ヶ月が
『嫌/嫌』…色台(しょくだい)に大きな蜘蛛の姿が
『嫌/あ』…食台(しょくだい)に大きな蜘蛛の姿が

金銀財宝の在りかを示す秘密の迷路
其の地図は深い谷に一旦隠されており
極/限られた民のみが在りかを知っている
網羅された知識の行方は蒸し器の底に集合し
無意識の果てに真の心の芯が確かに在る

其の芯は随分と尖っていると心得よ
其の芯は我々を捕え/越えつつあると心得よ
美しいものを語るには直感
変遷に餐まれるのならば傍観
防寒をしっかりとし恒常性を保つのが肝要

『あ/あ』蝙蝠は去り際に告げた
『あ/あ』もう少しお勉強が必要だと
『あ/あ』もう少しお仕置きが必要だと

『あ/ああ』蝙蝠ははこうも言った
『あ/ああ』身体感覚をもっと信じるべきだと
『あ/ああ』次のお相手はもっと手強いぞ/と

:::::::::::::::::::::
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません 

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。 まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。 だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥ たまにやりたくなる短編。 ちょっと連載作品 「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】

青緑
ファンタジー
 聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。 ——————————————— 物語内のノーラとデイジーは同一人物です。 王都の小話は追記予定。 修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。

男友達を家に入れたら催眠術とおもちゃで責められ調教されちゃう話

mian
恋愛
気づいたら両手両足を固定されている。 クリトリスにはローター、膣には20センチ弱はある薄ピンクの鉤型が入っている。 友達だと思ってたのに、催眠術をかけられ体が敏感になって容赦なく何度もイかされる。気づけば彼なしではイけない体に作り変えられる。SM調教物語。

家の猫がポーションとってきた。

熊ごろう
ファンタジー
テーブルに置かれた小さな瓶、それにソファーでくつろぐ飼い猫のクロ。それらを前にして俺は頭を抱えていた。 ある日どこからかクロが咥えて持ってきた瓶……その正体がポーションだったのだ。 瓶の処理はさておいて、俺は瓶の出所を探るため出掛けたクロの跡を追うが……ついた先は自宅の庭にある納屋だった。 やったね、自宅のお庭にダンジョン出来たよ!? どういうことなの。 始めはクロと一緒にダラダラとダンジョンに潜っていた俺だが、ある事を切っ掛けに本気でダンジョンの攻略を決意することに……。

自衛官、異世界に墜落する

フレカレディカ
ファンタジー
ある日、航空自衛隊特殊任務部隊所属の元陸上自衛隊特殊作戦部隊所属の『暁神楽(あかつきかぐら)』が、乗っていた輸送機にどこからか飛んできたミサイルが当たり墜落してしまった。だが、墜落した先は異世界だった!暁はそこから新しくできた仲間と共に生活していくこととなった・・・ 現代軍隊×異世界ファンタジー!!! ※この作品は、長年デスクワークの私が現役の頃の記憶をひねり、思い出して趣味で制作しております。至らない点などがございましたら、教えて頂ければ嬉しいです。

お尻を叩かれたあと、○○もお仕置きされちゃう女の子のお話

まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*) 鏡の前でお尻を叩かれながらイかされたあと、ベッドに運ばれた女の子が、イかせて欲しいと泣いちゃうぐらい優しく触られて。それならと、自分でローターに○○を押し付けさせられるお話しです。

転移先は薬師が少ない世界でした

饕餮
ファンタジー
★この作品は書籍化及びコミカライズしています。 神様のせいでこの世界に落ちてきてしまった私は、いろいろと話し合ったりしてこの世界に馴染むような格好と知識を授かり、危ないからと神様が目的地の手前まで送ってくれた。 職業は【薬師】。私がハーブなどの知識が多少あったことと、その世界と地球の名前が一緒だったこと、もともと数が少ないことから、職業は【薬師】にしてくれたらしい。 神様にもらったものを握り締め、ドキドキしながらも国境を無事に越え、街でひと悶着あったから買い物だけしてその街を出た。 街道を歩いている途中で、魔神族が治める国の王都に帰るという魔神族の騎士と出会い、それが縁で、王都に住むようになる。 薬を作ったり、ダンジョンに潜ったり、トラブルに巻き込まれたり、冒険者と仲良くなったりしながら、秘密があってそれを話せないヒロインと、ヒロインに一目惚れした騎士の恋愛話がたまーに入る、転移(転生)したヒロインのお話。

料理人がいく!

八神
ファンタジー
ある世界に天才料理人がいた。 ↓ 神にその腕を認められる。 ↓ なんやかんや異世界に飛ばされた。 ↓ ソコはレベルやステータスがあり、HPやMPが見える世界。 ↓ ソコの食材を使った料理を極めんとする事10年。 ↓ 主人公の住んでる山が戦場になる。 ↓ 物語が始まった。

処理中です...