《瞑想小説 狩人》

交差

奴隷市場 御,散,歩⑮

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「……嗚呼……」

酷い物語は更に過酷さを増しゆく定め
苦い虫を噛み潰したなら更に苦くなる定め
甘いもは甘いと素直に言おうぜ
美味いものは素直に美味いを言おうぜ
したい事は素直にしたいと言おうぜ
…其れが承諾されるかは別の話だが

御散歩は終わらない…藁(わら)も無い
終始無言の金欠坊やが何処かに居るが
其れは俺達,奴隷市場に巣食う者共には
全く関係の無い第三者故に無視する事としやう
蟲が正解…無視で正解…不義密通もある意味正解

舌先が直感的に彼女の[後ろ]に這入る
物事の全事象が直線的では無い事を知りつつ
みみず形状の其れは彼女の排泄器官に
期間を定めぬ舌根を起立させ忍び入る

ぬめ・ぬめ・ぬめ／ぬめ・ぬめ・ぬめ
「…………嗚呼…………」
背中を必死に弓形状にする娘
其れは快楽物質を・危険物質を逃がすアーサナ
首に装着された首輪は奴隷の証(あかし)
此の市場に堕とされた奴隷の証(あかし)
田園風景にたなびく案山子(かかし)
口にしたいぜあまひ御菓子(おかし)

ぐり・ぐり・ぐり／ぐり・ぐり・ぐり
「…………いや………」
嫌なのは知っているさ当たり前だろ
此処に居る個々・全員が知っている事さ
娘の肌は紅潮し桃色に染まり淫靡
其れが見事な音階を奏で完備する無防備
嗚呼…そうか…防御力は零に等しいのか
其れに何を掛け算したところで
「零は零」嫌…少し待ってくれんか
零の対極で対局を続けるのは無限大だった筈

みし・みし・みし／みし・みし・みし
内側内壁が市場の内圧に押されつつあるのか
奇妙な音階を奏ではじめる
其れは度(ど)からはじまり玲(れ)を通過し
身(み)を貫通し華(ふぁ)を嬲りつつ
祖(そ)ゆかじに吹かれながらも耐える娘を
裸(ら)にしながら詩(し)を添えつつ放たれる

舌先が直腸付近を徘徊するヴィジョン
其の刺激は生け垣を破壊するほどに過剰
拈華微笑(ねんげみしょう)とは程遠い場所

大胸筋と三角筋の接点から下方に垂れる
微小な膨らみは希少な価値を持つ也
無乳と微乳と貧乳を巴の文字の如く足し
其れを綺麗に３分割した場合のみに顕現する
其の半円の突端たる両突起の先端には
狙いを定めた選択肢の無い洗濯鋏が
「ぱち」「ぱち」と音を鳴らし着装される

両突起を見分し見聞すれば其の特徴…
おおひなる特徴は感度の高ぶりといえる
嗚呼…同突起に２つの鋏(びょう)を添える美
嗚呼…同突起の可憐な佇まいに切り目を入れる美
嗚呼…同突起を攫い再来を待つ古来からの所作
此の部屋は広い様で狭く狭い様で広く
土つかずの様で泥土が散乱しておりかつ
迷路の中で困惑する者を更に深く誘惑する
組曲を奏でる永久不変路に成るのが素晴らしい

「……不・不・不……」

既得権益を搾取した危篤な男のわらひ
其の先端に２つの鋏が握られ
一つは只〃・快楽を貪る獣の様に
二つは只〃・鎮魂の為のみに使用され
其のコンビネーションツールは
模型(もがた)との阿吽の呼吸でありながら
後ろ蕾に這入った舌と絶妙なハーモニクスを奏でる

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