《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交差

奴隷市場 御,散,歩⑦

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「…飲め」

妖精奴隷は其の液体を再度飲み込む
此れは御散歩が始まって間もなくの事
娘は口腔内を満たす粘度の高い液体を
こく・こく・こくりと三度に渡って飲み込む
こんくりーと製の床では其の音すらも
よく・よく・よく響く事うけあひ

同市場を訪問する者が居るのか
此処は深海であり心会(しんかい)
或るぷらっとふぉーむから
此の宴に参入するには
2度のノックが必要になるといふのに
御苦労様な事で御座います
そして有難う御座います
恐悦至極に存じます
適当野郎の紡ぐ適当な言葉の羅列
若干ながらの氣の変遷を
感じていただければ幸いに存じます

(あ・め)雨・雨・雨…関係無いね
(あられ)霰・霰・霰… 同上
(ひょう)雹・雹・雹… 同上
(みぞれ)霙・霙・霙… 同上
(ゆ・き)雪・雪・雪… 同上
(か・ぜ)風・風・風… 同上
(か・ん)寒・寒・寒… 同上

「…嗚呼…」

其の声が響けば市場は興奮の坩堝と化す
娘の御散歩活動は床面の埃を払い
同娘の誇りを根本から攫うのだ
然り現世を世知辛く生きる我々も同様

言いなりてなりの・満身創痍♡
てふてふ揺れるは・どの方位♡
あなたに捧げて是非・此の好意♡
才ノ開花は待つもので非ず
其の意見にはほぼほぼ・同意♡
震え震えろ言葉よ舞い飛べ
そしてふるへよ…その・猛威♡
百より千の方が偉いのか
其れは常識…みんなの・総意♡
千より万の方が偉いのか
此れも常識…其の字は・卍♡
同図形の数を競うのが常識であり
大雪の日のかんじきと・同義♡
可能な限りに高ぶる・潮位♡

::::::::::::::::::

口腔内探索を終了した御散歩の相手
2人目の相手は彼女を味わひ尽くす為
其の舌の方向性を変容させる
同舌先はぬめぬめと移動しつつ
彼女の頬先から首筋(くびすじ)の産毛を攫い
胸鎖乳突筋を何度か往復する作業を完成させ
僧帽筋上部から中部を徘徊し
広背筋を避けながら背中に取り憑いた

「…宇…宇…」

同作業中…腹腔内の容積を完全攻略する為
何かの形を模した模型(もがた)殿が暴君と化す
往復作業は鉄鎖を引く当時の御主人様が
閲覧者であり実施者であるぐるめ野郎の
舌先の移動に合わせて呼吸をしつつ
深海の中を彷徨う未知の生物と
同様の所作を保ちながら正月の餅を喰うのみ
幸いな事に正月に餅を喰う暇は在るといふのか
弾丸を摂取する作業に身を投じている誰かの脇で
平時作業だな…
しゅーるな笑ひさ…
お笑い草・草・草だぜ

此れは模型(もがた)の後日談であり奇譚でもある
「…嗚呼・美味かったぜ…人間ではな
此処までの美味なる腹腔内を持つこと叶わぬさ
何故ってか?野暮な事を聞くでないよ
何故ってか?雪の様に真っ白な心を好きにする
何故ってか?其れが楽しい事と知っているやろ
何故ってか?人の不幸は密の味さ
此の俺…模型(もがた)様にとってはな」
「…嗚呼・美味かったぜ
刹那は永久になるといふだろう
此れを味わっしまっては其の後
何を喰うても味気ないものに感じてしまう
此れも仕方ない事……やろ
其れがひととの交わりといふものやろ
其れがひとの…心の味といふものやろ
其れが同ぷらっとふぉーむのやりとりやろ」
「…おーぷんとくろーずのやりとりが或るやろ
其処で見えるものがあるやろ
変わらぬものは偉いやろ
二枚顔と一枚顔の境目を感ずるやろ
誰かと誰かがどの音を奏でているのか
そんなの関係無しとばかりにさ・さ・さ
野原に咲く綺麗な花を無碍に摘む者もおるやろ
其れが同ぷらっとふぉーむの限界値さ」
「…小砂利を稼ごうとする者は必死やろ
小説や言葉の変遷など勝負にならんものやろ
ところで最前列のマダム殿がもじもじしておる」
「…同所作をみたまへよ
……同所作をみたまへよ
……其れが人間といふものやろ
……酒の保存作業は大事なんやろ
……種の保存処置は関心事やろ」

一人目の舌といふ肉芽が背中に到達し
頸椎の一番から順番を付したうえで
其の味をひとつひとつ確かめる作業に入る

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