《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交差

奴隷市場 絶対領域

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「……嗚呼………つ」

ぎし・ぎし・ぎし・麻縄縛り
ベッドの揺れる音に似たりて
乱舞の宴は極まり更けゆく
俺の命令は此処では絶対服従…
其れを守らぬものなど此の館には
只の一人として居らん、居られぬ

「…もっと」
其の様に命じれば…見よ
責め手に廻り込む6名は嬉々として
目は爛爛として乱乱として
娘の身体を大いに嬲るもの也

「…更に」
何度も確認するが此の市場に於いて
俺の存在は絶対服従の領域だ
幾ら金を積んで命令から離反すること叶わぬ
残念だったな、妖精娘よ…
瀕死の此の俺を救ったばかりに
俺に優しい言葉をかけ、薬を塗り
其処にお前の体表鱗粉を混ぜ込み
最上の回復を促したばかりに
罪状は開場を解錠するばかりか
才嬢の来場をもって完結に至ろうぞ

「…やれ」
この命令に従者が困るのも知っているぞ
①実行しろという意味なのか
②殺めることを道標とする言葉か
③その他、ウィットが跳ねた水しぶき
此の感覚に間違ってもならんのが掟也
此の感覚…所謂「氣」の流れを知らぬ無粋なものは
奴隷市場の従者たる資格は無い
奴隷市場の観閲者で加熱者たる資格は無い
奴隷市場の主の名を申せ、此の俺様だ
ハイライトという銘柄の煙草を間断なく吸い
セブンスターという唯一の友を横に
終(しゅう)・次なる候補の娘を
膝の上に寝そべらせつつも刺激し
捕縛した妖精の淫靡なる宴を
主催する主宰であり主祭の轡を持つ獣

隠遁者は隠れておれば良い…何時までも
宗教を語る者は語れば良い…さてさて
何処まで知っているシッタルダの半生について
人生の大部分を捧げた瞑想の墓標
其の深みについて語れど
深淵まで辿り着けない烏合の衆めら
語るに落ちるとは正に此の事
只管(ひたすら)に瞑想耽る夕べを
数えている事が正道で有る事を知れ
数学者はひたすらに数字をかぞへろ
千切られた痴戯に酔うていれば良い
6・倍して12・並べて18
2を除して16・更に除して14
そんな具合に数字遊びをしながら
根幹の部分…重力の数値、死の数値
其の部分に探求の根を張る事をせず
陽たる者共と・陰たる者共が奏でる
バランシングチャクラに遊ばれておれ

「…手ぬるいぞ」
きつい口調で斯様(かよう)に言い放つ
娘の呼吸に合わせろ
股座を更に深くまで
振動球体の数が足りぬのだよ
黒コード…末端数を数へれば
未だ未だ未だ、腹腔内に余裕は有る
数を倍するも良し…わかるな(へい!)
一旦抜いて、別途を迎えるも良い
丁度其処に淫球が在るではないか(へい!)
選択肢を持たせる事も肝心な作業だ
人間なぞ3つ以上の事柄を留めて於けぬ
何とも不具合の多い脳しか持たぬのが常
逢魔が時・故に選択肢は2つまでとし
俺の求める方向は後者で示す事で良し

娘に挿入った球体は一つ一つ
確実な音階を立て淫靡な汁とともに
其の一本線から抜かれ、抜かれ
コンクリート製の床面に弾け落ちる

「かん・じじじじじ」
「どん・じじじじじ」
「どん・じじじじじ」

抜かれれども遊び回る球体について

…際の果て
  此れ見る獣
   偲ぶなら

誰ぞ音にして詠め…傑作だ
奴隷市場の掲げるテーゼ

…欲望を
  否定するもの
   否定する

此の並び音階にフォルテッシモで
綺麗に3度・5度のコーラスを付けて
完全なハーモニーとしてお届けしやう
結局の処…入市時の契約を胸刻み
同期間を全う出来た者など居らんのだ
残念ながらお前も其の一人となり詰む

「……葉ぁ」
「……葉ぁ」

一つ球体が抜ける度に弓背中になり
其の度に天上界への旅に駆ける…
一夜・二夜・三夜を経て
随分と身体も変わったな
小球体が全て抜け落ちるまでに
精神を枯れ落とさぬよう
充分に存分に氣をつけたまへ

さて・一つ
「嗚呼…っ」

次・二つ
「嫌……っ」

まあ・三つ
「………!」

今のは合格だな
絶頂佐印として上々

なあ・四つ
「駄目……」

でも・五つ
「葉っ……」

ほれ・六つ
「もう…!」

今のも良かった
「もう」の跡に余韻が

では・七つ
「苦……っ」

もう・八つ
「…………」

終ぞ・九つ
「嗚呼…嗚呼…嗚呼…」

泣け・喚け・悶えろ・朱色
羽根を失った、妖精奴隷よ
邂逅描写にも飽きた頃だろ

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