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交差
奴隷市場 雲散霧消
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違う…違う…此れも…罠?
おいでおいでと
花達が笑っているものの
何処か歪な香りが拭えない
其の笑顔は芯が腐っている…
天真爛漫な天使の微笑みではない
血を吸う百本足の蟲が群れる気配
耳元で微笑みが嘲笑に変わるのを聞く…
俺は立ち止まる
道標(みちしるべ)は
嘘をついている
此度の道中での一番の英断
俺は立ち止まり・呼吸をもう一つ
進む道は左と決めた
破られた地図
誰かが破った地図
俺が描いた筈の地図
其れすら裏切りの両刃(もろば)を
突きつけるとは悲しい世だな
地図には喰い千切られて悲しむ
北を指すNの文字が脱落している
此処は十字路…
運試し、力試し、知恵試しの
道標(みちしるべ)の罠場
右に進む失敗は解り易い
崖に向かって真っ逆さま…
自殺行為を自らの意思で
誰に幇助線を張られるのでもなく
弱気に流れた漢が交す
安易な死神との接吻行為
前方の美は「甘言の集合体」
…綺麗でしょ
…此方においで下さいな
…悲しいでしょ
…癒やしを差し上げますわ
…苦しいでしょ
…忘れさせて差し上げますわ
安易な言葉で、安直な景色で
旅人をかどかわす・罠
前方の花々は更に言う
言葉は鈴の音の様に美しく
平衡感覚を奪う妖しい魔力と共に
…したいでしょ…私達と…
綺麗な花々は全部、全部、全部
貴方のものになりたがっているわ
貴方と繋がりたがっている
色は紫、繋がりの象徴
…妖精の村はこっちよ
一目瞭然、解るでしょ
百花繚乱、咲き乱れる花々
澄んだ水をお飲みなさい
綺麗な空気に酔いしれなさい
…右に行っちゃ駄目よ
駄目、駄目、駄目よ
そっちには崖しか無い
崖の下には深い川
運良く生き残れたとしても
瀕死の重症は免れないわ
…左に行っちゃ駄目よ
駄目、駄目、駄目よ
何が在るのか解らないじゃない
何が居るのか解らないじゃない
人を喰べるのが趣味だという
丈9尺の獣が群れているかも…
左に行っちゃ駄目よ
其処を禁所よ
怖い・怖い・怖い場所なの
…其の場に留まっても駄目よ
何時か死んでしまう
乾いて、乾いて、更に乾いて
全身から水分が抜けて
干からびて死んでしまう
此方(こっち)に来るのよ
私達の村は池の先に在るわ
目を凝らしてみれば
薄くぼんやりと視えませぬか?
…抱きしめてあげる
其の冷え切った身体を
肌と肌が触れ合えば
とても気持ちよくなれるのよ
妖精と人間だってそうなのよ
迷い人さん、迷い人さん
…此方(こっち)へおいで
::::::::::::::::
恍惚と心中しろと言うのだな
快楽に甘えろと言うのだな
匂いに誘われろと言うのだな
溺れ死ねと言うのだな…
快楽の渦の中
一瞬の快感に俺の身を浸し
其の奴隷に成れと言うのだな
…舐めるな
舐めるな
舐めるで・ない
俺は市場の王
奴隷市場の支配者なるぞ
どんな性欲も俺を支配・出来ぬ
どんな食欲も俺を統制・出来ぬ
睡眠なぞ24時間の並行世界で
3の文字程とれれば十分
故に睡眠欲も俺を支配・出来ぬ
世界で最も淫靡で
美しいシルエットを目にしても
そんな歓楽欲に・屈するものか
生存欲・承認欲もとうの昔に
凍土に捨て去った…其の証拠に
手指には数本の欠損が在る
其れが証拠…確たる証拠だ
欲で俺を支配しようとするなど
無駄な事をするでない
論破(ろんぱ)するには言霊が足りぬ
看破(かんぱ)するには知識が足りぬ
今夏(こんか)に実を付けた若い種々
頓挫(とんざ)したな、其の奸計
大熊(おんま)の待機も無駄と相成る
俺は闇夜に潜む山茶花(さざんか)
赤い実を付す七竈(ななかまど)
俺は支配する者
奴隷市場を支配する者
世界の不義を粛清する獣
正体を顕せ…怠け者
前方に潜むは道化者のみ
正解は左だ…其れしか無い
道標の文字不鮮明であるものの
可能性という「零」と「無限大」の
2つを孕み内包する胎盤の中
正解は左だ、直感もそう言っている
::::::::::::::::::
「嗚呼……っ」
苦悶の表情が諦め顔に変わる
妖精奴隷の表情は淫靡也
もう直ぐ・もう直ぐ・もう直ぐだ
2枚目の羽根も削ぎ落とされる
のこぎり状の刃は右へ左へ
誰かの奏でる奇特なメロディーに合わせ
揺れて戻ってを繰り返す
往復運動の谷間で彼女は…
揺籠に揺られる様な
運動を強要されている
切れ味が悪くなってきたのだろう
此れも宴の嗜みというもの
一刀両断ではつまらぬではないか
「葉ぁ……っ」
痛みは未だ在るのか
貴重な錠剤なのだぞ
少しは自重してもらいたいものだ
「もう……」
「止め……て」
滾(たぎ)る者が多過ぎてな…
此処で止める訳にはいかんのだ
観閲者のうち男は勃起しているし
観閲者のうち女は濡れている
お前の被虐の宴に酔いしれて
:::::::::::::::::
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