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交差
奴隷市場 諸法無我
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俺は続ける
相手は深夜の訪問者
数年前に他界した父に向かって
ドアの壁・一枚隔てた
深夜の密会は・続く
「涅槃の領域は・雲
涅槃の領地の支配者は・神
涅槃の土地の持ち主は・自分
涅槃に至る道程は・瞑想
涅槃寂静…其れは自らの中に
何時でも・何処でも作る事が出来る
氣さえ逸れなければ
集中さえ切れなければ」
「一点に集中し
其処にピタリと当たりをつけ
全く動かない状況を続ける
此の状態を維持することが肝心だ
先に述べたフロー状態
此れは「不安」や「苦」から
最も遠く、距離を取る術
忍びの者、さむらう者、修験者達は皆
永続的に此の状態で在る事を欲し
昼夜を問わず、とある寺院で集会を開く」
「忍びは言う
《忍ぶこと偲び偲んで、価値とせず
短い刃に、血の陰欲せば》」
「情報を集め、主に献上する
敵の内情を探索し
弱みを見つける事
隙あらば其の首をはねる事
其れが我ら忍びの者の任
屋根裏に潜み、呼吸を最小限とし
筋交いと一つになり
敵将の閨で待機する」
「待機は長い
此の探検の結末を欲する
此の短剣が血液を欲する
しかし…
敵将もなかなかの手練なれば
情事の中にも隙を見せることはない」
「嗚呼・嗚呼・嗚呼
淫靡なる睦み合いを見る
女の首筋を攫い
胸元を汚れた唾液まみれにし
程よう・くびれた腰骨の美しさ
其の股座に涙粒が流れようとも
平時の呼吸を提示せねば
忍びの者として一流ではない」
「嗚呼・嗚呼・嗚呼
もう堪忍・御勘弁・を…
女が昇気し、絶頂を告げ
弓絞りが更に絞られ
潮を吹くかの如くの
身体反応を見る・が
敵将も揺るがず見事
睦み合いとはとても言えぬ
一方的又は利己的な
エネルギーの搾取とでも付しておく」
「忍びは其の背中を見る
逞しい敵将の体躯…
…激しく喘ぐ女体の中に
自らの一部を置きながら
決して射精への誘惑に
晒されることのない
見事なまでの身体操作」
「嗚呼・嗚呼・嗚呼
女が昇天し、消氣してもなお
其の前後動は止まらない」
「ぐにゃりと曲がった腰
突っ伏した顔からは涎…
其れが枕を掌握しても
なお腰骨と腰骨がぶつかり合う
奇特で一方的なダンスは続く
召使いが整えた布団は皺を作り
女体から流れる全ての液体うちの
殆どを吸収しても・なお」
「葉ぁ・葉ぁ・葉ぁ
何とか呼吸を紡いではいるものの
絶え絶えという評価が相応しい
そんな呼吸の女…
歳の頃は幾つか…
随分と若くは見えるが」
「敵将を眺めれば
背中の傷が喋りだす
《此の素っ首、落とせるものかな?》
《此の背筋を、轢断できるかな?》
《此の運動を、お前に止められるか?》
待機、待機だ、隙間はない
ぎらり短剣、銀色鈍く
しかし短剣、求むるもの無く」
「待機は数日、数週間、数ヶ月に渡る
一切の身体的な隙を見せぬ敵
一切の貴重な情報を喋らぬ敵
答えは一つだ、一つしかない
忍びの侵入に最初から気づいており
此の男は…其れを楽しんでいる」
「敵将も忍びも・同じ
呼吸の乱れなく
一切合切を集中の極みで
ピタリと維持している
複数ヶ月に渡る睨み合いの中
常に集中を切らず、常に氣を切らず
睡眠を仮眠と位置づけ
完全な休養をとることもない」
「本題に戻るが…
彼等に不安などというものがあるのか
何時、自らの背中に短剣が刺さるかも
解らぬ状況下なれば
集中し・没頭し・統制せねば容易に死に至る
二律背反する理論なれど
其処に不安は無し」
「其処に不安はないのだ、解るか」
:::::::::::::::
逝く身体
狂気の宴
極まれば
妖精奴隷の
其の股座に
複数の
小さな球体
忍びゆく
消氣間もなく
消氣は・近い
弱りゆく
喘ぎの声は
「葉」「葉」「葉」
呼吸を止めるな
危険・信号
黄色から
赤に変わって
信号機
それでも止めぬ
親分・子分
膣の中
満たしてくれよう
ほととぎす
振動・球体
更に群れゆく
縛られた
両手の先に
血液が
巡って煎るのか
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繋ぐが御似合い
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