《瞑想小説 狩人》

瞑想

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戦いの詩・死の枕

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⑦死の枕

ああそうか
おれもいよいよ
いくのだな
しのかげがこい
のうどがこくなる

じんせいを
いききったろか
こうかいは
ないであろうか
そういいきれるか

しのまくら
かたみにしるそう
ひとふでの
おれのおもいで
じんせいのふで

だれぞある
かみとふでとを
もってきて
わが・じせいのく
しるしておくれよ

ああ・きみか
そばにいたのか
ありがとう
なんじゅうねんも
こんなおれのそばに

よりそって
ともにわらって
くるしんで
ときにうわむき
ときどきしたむき

このおれに
こんなおれに・さ
よくぞまあ
つれそってなぞ
きてくれたものだ

まずかんしゃ
きみにかんしゃを
つたえたい
どうつたえよう
つたえきれぬよ

ああ・きみと
であった・としごろ
おもいだす
ひとめぼれだった
きれいだったんだ

そのせぼね
そのなりかたち
ことばじり
すべてがきれいで
うつくしかった

かこけい・じゃ
しつれいだったな
ああ・ごめん
わすれておくれ
しつげんだった

いま・いまも
きみはきれいだ
うそじゃない

いまも・なお
うつくしいまま
そのまんま
きみはきれいだ
ぜんぶが・そうさ

:::::::::::

なあ・ごめん
ゆうげんじっこう
するおれが
ひとつやくそく
やぶるかもしれん

ほんとうは
おまえをさきに
いかせて・な
そのあとおいを
するのがおれと

やくそくを
したはずだった
なのに・いま
おれのほうがさきに
いこうとしている

そのことに
ひとことごめんと
いっておく
ほんとにごめん
ほんとにごめんな

きみのかみ
ずいぶんしろく
なったなあ

おれもそう
ひとはかわるな
いきてれば

かわること
おそれずおれは
まいにちを
いきてこれたか
どうみえただろう

ああ・きみに
おもいのたけを
とどけたい
たんかのりずむよ
そらまで・とどけ

きれいだよ
であったころと
かわらない
きみはきれいだ
とてもきれいだ

なくなよな
おれもるいせん
ゆるくなる

なくなよな
なみだをふけよ
もういちど

しのまくら
こんなときほど
かっこよく
かっこよくして
いきたいのだ・よ

もう・なくな
ちょっとよていが
あわなくて
はやくいくのさ
ただそれだけさ

もうすこし
きみといっしょに
いたかった
まだまだたくさん
はなしたかった

もうすこし
そのひざまくらに
よいしれて
きれいなゆめを
みていたかった

ひとめぼれ
さいしょのこいは
さいごまで
かわらぬものだな
きみは・きれいだ

かんかくか
べつだんわるくは
ないんだぜ
いったとおりだ
めいそうとおなじ

しのかくご
ひびぞましゆく
このおれの
しのかんかくは
ただしかったよ

…じんせいは
 いかにいきるか
 ではないぞ
 いかにしぬるか
 さがすたびなり

…しょうねんよ
 たいしをいだけ
 そしていま
 そのしゅんかんに
 みをとうじること

…うまれおち
 あるいてまなんで
 こいをして
 しぬるそのとき
 おとずれる・まで

…ぼっとうし
 こころのみちびく
 そのままに
 こころのときめき
 くもらせぬ・よう

::::::::::::

ああ・あなた
いままでほんとに
ありがとう
とうとうゆくのね
あきの・よふけに

おみとりは
わたしひとりで
よいのですか
いがらしさんは
よばなくてよいの

おかむらさん
ここによびますか
そうですか
きをつかいますか
あなたらしいわね

いのうえさん
あなたがいない
こうえんは
さびしいものだと
いっておられました

そうですか
それだけつたえて
おきますね
ほかにきがかり
ございませんか

おみとりは
わたくしひとりで
よいですか
あなたとのひび
かたりつくせませぬ

えびなえき
ほてるのいっしつ
しごとまえ
かけつけたあなた
とてもすてきだった

たんれんじょう
みんながみてたわ
そう・あなた
ひっしにわたしを
くどいていましたね

「し」してなお
きみといっしょに
いたいんだ
せぼねにほれた
しせいにほれた

そうじゃない
きみのいくさきは
そっちじゃない
おれについてこい
そういってました

わたくしが
あなたにはじめて
でんわした
そのときのこと
おぼえてますか

はくぶつかん
だきしめあった
かんかくは
いまも・いまでも
しんせんな・まま

ながしめの
ひかり・かわらぬ
そのすがた
わたしがこいした
あなたのままです

そのことば
さいごのことば
ありがとう
こころにとめます
わたしのこころに

たましいが
とわにつづくと
いうのなら

たましいは
もとにもどるだけ
それならば
ああ・ああ・わたし
あなたといっしょに

ずっと・ずっと
あなたのそばで
わらっていたい

えがおになれるの
あなたといると

じぶんがすきに
なれるのです
あなたといるとき
そのときはずっと

ふしぎよね
ふたごのたましい
こんなにも
いとしくこいしく
さみしく・なり・ます

わたくしを
はなさないでね
いつ・まで・も

::::::::::::

もういいか
めをつぶらせて
くれないか
がんりんきんも
しにゆくのだな

きみのこと
もうみれないのか
このめでは
ぼんやりけむる
ひかりむらさき

そのこえを
もうきけないのか
このみみで
さみしいことだ
ざんねんなことだ

そのかおり
かれんでじょうひん
そのにおい
きおくにとどめて
ゆくことと・するよ

ありがとう
このむね・きみに
さしだして
うそがないこと
しめしてゆきたい

このおれが
あいしたおんな
おまえだけ

なつやすみ
はなびは・ちらず
えいえんに

いっしゅんは
とわへとつづく
ものがたり

しのまくら
さいごのときまで
ありが・とう

::::::::::::::

めをとじて
おやすみなさい
ありがとう

わたくしも
あとおい・したいと
ぞんじます

もうすこし
まっててください
すぐゆきます

あなたとの
おもいでばなしを
うたにして
だれかにつげて
それからゆきます

もうすこし
まってていてね
あなたなら
きっと・こういう
きっと・そう

…おれはなあ
 きみをまつのは
 くじゃないぜ
 めいそうしながら
 まてば・いいんだ

…ほんとうに
 きにしなくていい
 かいものは
 ゆっくりゆったり
 してくれば・いい

…すとれっち
 したけりゃじゅうぶん
 しておいで
 おれは・くるま・で
 まってるからさ

…「し」してなお
 おまえをあいする
 おとこだぜ
 おれをなめるな
 みくびるな・よ

…ちきゅうじょう
 どこさがしても
 このおれに
 かなうものなど
 いるわけないのさ

…ゆっくりと
 そうじをしてさ
 すべきこと
 このよでなすべき
 じぶんのことがら

…やりつくし
 それからゆっくり
 くればいい
 にもつはもちろん
 おれが・もつ・から

:::::::::::::

ありがとう
やさしいことば
ありがとう

ありがとう
あいしてくれて
ありがとう
しあわせものです
ちきゅうでいちばん

もうすこし
まっててください
しのまくら
きぼうにかえて
たんかにそえて

わたくしも
あなたのもとへ
まいります

ありがとう
おやすみなさい
ありが・とう

:::::::::::

此れは詩
戦いの詩
道標
未来へ向かう
自分への楔

此れは詩
来たれ来たれよ
死の枕
我が身朽ちるは
時間に委ね

生きる今
瞬間・瞬間
満たすため
自らに歌う
戦いの・詩

::::::::::::
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