《瞑想小説 狩人》

交差

奴隷市場 魍魎の匣

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ろうかには
こうきゅうかいが
「しょうぞうが」

よんまいが
がくにおさまり
かかげられ
かほうにたいとる
ふされておった

いちまいめ
ぎたーをかかげた
あるおとこ
ねんれいふしょう
あつぼったいくち

あふろへあー
さいけでりっく
なないろの
ふりそでついた
きみょうないしょう

そのてには
へっどのおおきな
すとらと、が
じょうげさかさに
にぎられている

そのかいが
なまえのぶぶんに
こうあった
「さいけでりしゃす
　むらさきのけむり」

おんまえを
とおりすぎゆく
そのときに
むすめはきいた
たしかに、きいた

…むすめっこ
　どれいにされて
　さらわれて
　つぎのへやへと
　すすむ、むすめよ

…きいておけ
　このおれさまの
　ぎたーぷれい
　いちばのてーま
　あくまのしらべ

…むらさきの
　けむりをかけて
　もやそうぞ
　おまえののうない
　あぶらを、かけて

…ふしぎだろ
　じだいをこえて
　ばしょこえて
　おれは、いきてる
　しんでいてもなお

…２７（にじゅうなな）
　おれはしんだぞ
　よばれたぞ
　あくまのくらぶに
　およばれしたのさ

…もりすんも
　じゃにすもそこに
　いるのでな

…すとーんずの
　しょきめんばーも
　いるのでな
　ふつごうは、ない
　まったく、ないな

…くろはっと
　あくまのわざを
　みにつけた
　じょんそんさまの
　しかいしんこうで

…きざむのさ
　きこえるだろう
　たじゅうそう
　おれのりーどで
　くろすろーどが

…すとらとの
　へっどがおおきい
　そのりゆう

…このぎたー
　せなかでひいて
　もやすのも
　おなじ、りくつだ
　おまえに、わかるか

…「きもちいい」
　それがすべてだ
　しんぷるだ
　おとこがいきる
　りゆうはそれさ

…なあ、おれの
　うたがへただと
　いうならば
　うたってみせろよ
　ぱーぷる・へいず

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にまいめの
かいがも、おとこ
はなたかい
ふくみわらいの
しじんがそこに

ついおくの
ろうかにすうじ
ふしたれば
６１（ろくじゅういち）こそ
ふさわしきかな

しゃがれごえ
たしかにきこえる
なにもかも
しってるように
みすかしたように

※１
…ちかしつで
　じょにーはくすりを
　まぜている
　おれは・ほどうで
　せいふをみはる

…こーと・きた
　おとこがしごとを
　やめるとさ
　せきがひどくて
　やってられんと

…かねよこせ
　はたらいたぶん
　かねよこせ
　ばっじは・かえすぜ
　じゃあな・さらばだ

…きをつけな
　そこのわかいの
　そのこうい
　かみは・みていた
　おまえにわかるか

…その・あくじ
　くりかえさぬよう
　きをつけな

…ろじうらに
　そのみ・かくして
　あたらしく
　じんせいさがして
　みたほうが・いい

…あらいぐま
　けがわのおとこが
　よってくる
　１１どる・を
　よこせというが

…ちいさい・て
　にぎられてるのは
　１０どる・だ
　いちどる・たりない
　さあどうするね

…あのおんな…
　「まぎー」がくるぞ
　まっくろに
　すすけた・かおで
　なにか・いってる

…おえらいさん
　そのめいれいで
　おまえたち
　つかまるらしいぜ
　おなわに・なるとさ

…でんわには
　じゅうぶんちゅういだ
　とうちょうき
　わな・かけられた
　ごがつの・はじめに
　
…きをつけな
　そこのわかいの
　きをつけな
　きょりをとるんだ
　あぶないものから

…くすりやら
　しょうか・ほーすや
　もろもろの
　やっかいごとから
　きょりをとるんだ

…かざむきを
　しるのに・てれびは
　いらないぜ
　じぶんで・あるけ
　あるけ・じぶんで…

…ところでだ
　どれいの・むすめ
　ろり・ぼでぃ
　おまえのからだで
　いんをふみたい

…そのむくな
　からだのすみずみ
　みてみたい
　どれいのちょうきょう
　このめでみたい

…あすからの
　おまえのうんめい
　うたにして
　ぎぶそんぎたーで
　かたりつぎたい

…まず・すすめ
　つぎのへやへと
　はいるのだ
　そこでめにした
　ものごとすべてを

…じぶんごと
　そうとらえるのが
　かんじんだ
　あすはわがみと
　そう・いう・だろう…

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さんまいめ
つぎなるかいが
まるめがね
きりすとさまに
にているおとこ

ゆったりと
おおきなじゅもくに
こしかけて
いとしいおんなに
だかれ、うっとり

れのん・さま
よのなかのこと
しりすぎて
いんたびゅーも
すれすれでしたぞ

もし、いまに
かんげんされて
このせかい
いっしゅうされたら
なにかたるのです

ああ、たぶん
このようなことを
もうされる
けっきしゅうかい
ちよ・もえあがれ

…もう、さんねん
　いいゆかげんで
　きづかねば
　ころなのことだよ
　うんざりせんか

…わくちんの
　ひかりとやみで
　ぎろんする
　そんなのまったく
　じかんのむだだ

…きづくんだ
　じぶんでかんがえ
　ちにたって
　「まざー」とさけんで
　「どんれっみーだうん」

…ちきゅうきぼ
　いっせいちだいの
　おおそうじ

…そうだいな
　なんねんがかりの
　じっけんじょう
　または・おおうそ
　まっかな・うそかも

…とうけいを
　しんじるものは
　ばかをみる

…ほんとうの
　すうじについて
　しらぬから
　いみもわからず
　おびえているだけ

…かんせんしゃ
　たしかにおおく
　ししゃもでた
　たしかにそうだが
　それが・どうした

…かくりする
　こういをはじろ
　りこてきな
　こうどうをとるな
　こどくは・てき・だ

…いいかげん
　きづいていいころ
　そうだろう
　しぜんにまかせて
　いいんじゃないのか

…しぬものは
　しぬでいいんじゃ
　なかろうか
　それよりだいじな
　じかんをすごそう

…わたしには
　あいするひとが
　いるのだよ

…わたしには
　あいするひとが
　いたのだよ

…ぼだいじゅの
　したでわたしを
　うしろから
　そっとだきしめた
　とうようのまじょ

…そのひとと
　こいして・かたらい
　ひざまくら
　ねはんのちにて
　ねむりに・つきたい…

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※２
…嗚呼、ヨーコ
　お前の他に
　此の俺に
　信じるものなぞ
　何もないんだ

…魔法も
　易経も
　聖書も
　タロットも
　ヒトラーも
　キリストも
　ケネディも
　ブッダも
　マントラも
　ギーターも
　ヨーガも
　キングも
　エルヴィスも
　ディランも
　ビートルズですら

…信ずるに
　値せぬもの
　虚構なり

…では何を
　信じて生きるか
　其の答え

…精一杯の
　愛で包んで
　答えよう

…精一杯
　愛を語るよ
　聞いてくれ
　
…俺の生とは
　お前そのもの

…信じるよ
　俺とお前と
　この愛を
　
…双子の魂よ
　ダンスを踊ろう
　
…死が我々を
　遠ざけても、なお
　此の身が銃弾の
　着弾地となっても、なお

…嗚呼、ヨーコ
　俺の願いを聞いてくれ
　
…膝枕
　此の心地よい場所で
　もう少し
　寝かせておくれ
　もう少し、だけ

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さんまいの
かいがはかたる
それぞれの
おとこのいきざま
かがやくたましい

もういちまい
かいががあるが
そのえには
きみょうなずけいが
かかれているだけ

うわむきの
さんかくけいと
したむきの
ぎゃくさんかくけい
そのちゅうおうに

うずまきが
むげんのちからを
やどしてる
いみするものは
ちゃくらのちから

それぞれの
かいがのしゅじんは
よんまいめ
だびでのまーくに
あこがれいだく

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むすめには
かいがのいみなど
わかるまい

それでいい
どれいのたちばに
ちしきなど
ごんごどうだん
ただ、にくで、あれ

つきあたり
となりのへやに
たどりつく

なかからは
「ああ」「ああ」「ああ」と
さけびごえ
おんなのこえだ
おおきなこえだ

げんじゅうな
さんまいとびらに
すたっふが
てをかけ、でむかえ
まっておりました

ぎぎぎぎ、と
つめたいおとで
なるとびら
おもたいとびら
つめたいとびら

そのなかみ
いったいなにが
あるのやら
くらやみにめが
まだなれておらぬ

「ああ」「おねがい」
「だめ」「いや」「やめて」
さけびごえ
おんなのこえが
くっきりきこえた

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※１　ボブ・ディランの作より一部引用
（Subterranean Homesick Blues）
※２　ジョン・レノンの作より一部引用
（God）

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