《瞑想小説 狩人》

瞑想

文字の大きさ
上 下
120 / 512
同種喰い

同種喰い 其の17《自慰》

しおりを挟む

《きよめられ
 なにもなくなれ
 このこころ
 こよいのはじまり
 はずべきことかな》

恥ずかしい
ことなんて
何も、ないわ
生きるって
こういうことよ
心とカラダの境目を
なるべく
なるべく
なるべくでいいから
無くすようにして
心身一如で
過ごすことなの
これが本当に
生きるってことなのよ

ずるいわ
貴女は、ずるいわ
他の人だってそうなのよ
朝の清々しさには
丁寧にお礼をして
川のせせらぎの音には
耳をしっかり傾けるのに
こと生きる根本の行為や
性的な快感を求めることに
臆病に
本当に臆病に
なってしまって
いるもの、ね
ずるいわ
ずるい
たまにはカラダを
私自身を
慰めてくれたって
いいじゃ、ない

想像、して
どきどきすることを…
それが貴女の
役目なのだから
素敵な想像をして、
ありありと
場面を思い浮かべて、ね
手伝って、あげるから

そうよ
瞑想するように
何も考えず
楽しいことを
心ときめくことを
想像するの

ねえ
お願い
スイッチを
強にしてくれない?
駄目?
駄目?
ケチね
ちょっとくらい
いいじゃないのよ

そう
想像するの
大好きな
あの人が
救いに来てくれる
「待たせたな」
なんて
格好いい台詞で
突然現れて
「脱出するぞ
 ついて来い」
でも私は
あまり速くは走れない
追手の足は余りにも速い
これでは
いずれ
捕まってしまう…

追手は手練れ
融通無碍で
片手に縄を
懐に短剣を

急げ
急げよ
捕まれば
また
輪番の生活に逆戻り、
急いで
急いで
急がなきゃ
捕まれば今度は
更に過酷な縄縛り

そしたら
彼は
「ええい、乗れ」
逞しい背中に
貴女を乗せてくれるのよ
彼の背中に乗りながら
ぎゅっと
ぎゅっと
振り落とされないように
しっかりと
抱きしめていると
安心感と
恍惚感に
包まれる

彼は逃げている
必死に逃げている…
ように見せておいて
戦いの場を
狭い獣道に
選んで決めていた…
其処に誘い込んで
いたわけね

1つ
その素っ首
へし折られる前に去れ
去るものは追わん

2つ
俺を殺して
長老に差し出すならば
綺麗に仕留めろ、一発でな
その覚悟を持って来い

3つ
このオンナは渡さない
絶対、に
俺の目を見ろ
覚悟を覗け
俺を楽しませろよ
戦うならば、な

4つ
俺の短剣には
毒がある
触れて戻れば
コミュニティには厄災が…
何代にも
何代にも渡って

5つ
俺は死と親友だ
彼のことは何でも知っている
其処に瞬時に至る術を
矢尻の先に塗りつけた

6つ
この話は創作だ
フィクションだ
全部、嘘だよ
さあ
楽しもうぜ
やろう

ねじ伏せる
言葉の羅列

澄んだ瞳
はっきりと
迷いのない声に
追手が震え上がり
踵を返すのに
然程の時間かからず

彼の新しい
生活の中に溶け込んで
その一部になって
幸せに
とても幸せに
暮らすのよ
どう?
想像、した?

彼は求めてくるわ
ずっと
ずっと
好きだったって
いつも
いつも
お前のことをって
とても
とても
情熱的に

貴女は
それに応えるの
精一杯
口を広げて
彼を舐めたり
勢い余って
彼の耳たぶに
歯型をつけてしまったり…
 
「ごめん、なさい…」

「…気にするな、
 それより
 お前が、
 お前が、欲しい」
 
激しく
切ない
睦み合いの中
彼は貴女の
陰核に手を添える

どう?
どきどき
してこない?

想像はね
貴女の担う部分なの
貴女の支配領域の一つ
ほら
素敵な想像をして
波動を上げて
前の蕾が
華開く餌にしましょう

彼の手になって
彼の吐息を感じて
彼の情熱を感じて
待ちわびた瞬間を
疑似体験するの
誰にも迷惑はかけないから
もっと
ありありと
想像して頂戴

…私でいいの
 こんな
 私で…

貴女は言うわ
そしたら彼は…
あの祭りの夜
君を最初に
目にした夜から
ずっと
ずっと
お前を抱きたかったって
お前のことばかり
考えていたって
旅先の話
永久機関の村
幾つかの戦闘
日々の暮らしぶり
そして
新しい村に
落ち着くまでの物語に
興味が湧くわよね
でも
でも
今は
没頭するの
彼の逞しいカラダと
貴女を欲する熱量に
只、カラダを
委ねていればいい
貴女も彼に
告げねばならないことがある
双子の魂
その片割れとして
生きてきた道のり
その中で
何を感じ
何を思い
祈り女とは
どういうものだったのか
輪番の中
どんな過酷なことをされ
どんな風に感じたか
でも
それも
後でいいわ
今は
そう
前の蕾が求めているし
求められてもいるのだから
その欲求に
素直に
素直に
従えばいいの
それが私を
本能たる私を
喜ばせてくれる唯一のもの

…委ねる
…任せる
…安心
…安心…

安心の定義について
折角だから
教えてあげるわね
私はいつも
貴方の側にいるのだけれど
こんなに身近に
感じられることは
なかなか、ないから…

安心って、ね
逆から考えるべきことなのよ
安心の反対は何…?
不安
そう
不安よね

不安がないこと
それが幸せの定義なの
わかるかしら
わかるわよね
私自身
それが貴女だもの
安心を求めること
快を求めること
それが続くように願うこと
それが生きる意味なのよ

今はどう?
不安があるかしら?

こんな
厭らしい
汚らわしい
行為をしている自分…
振動する球体を使って
自分で自分を
慰めていることに
不安を感じているのかしら?

何か悪いことをしているの?
誰かに迷惑を掛けているの?
たまにはいいんじゃ、ないの?
だって、気持ちいいじゃない…

考えて、ね
それが貴女の
支配領域の一つ
思考
熟考
考えて
考えて
系統のある考えをまとめて
答えにして提示して頂戴

《カラダの声に従うこと
 それが自分を活かす
 唯一の道
 楽をするのではなく
 楽しむこと
 楽をすることと
 楽しむことは
 似て非なるもの
 楽しむためには
 瞬間
 瞬間に身を投じ
 その中に
 没頭すること》

そんな素敵な
言葉の花束にして
未来へ向かう
希望の道標にして
私に頂戴
何度も、
何度もよ

私は本能なので、ね
脈絡のない
瞬間、瞬間を
生きているの
その点と点を結んで
線にして
素敵な想像と
素敵な言葉で
私を満たして…

私は好きよ
貴女のカラダ
貴女の思い
純粋で
紛れがなくて
嘘がない
でも
でも
でもね
たまには私を
慰めに来て
こんな風に
直接カラダが
求めることだって
あるのだから

もっとして
もっと
もっと
嗚呼…
いいじゃない
脱いじゃおっか
もう、全部
裸になって
ベッドに移動して
2人で一緒に
気持ちよくなりましょう
そしたら気分も
変わるわよ

気分って、ね
とても
とても
大事なのよ
気分はお金で
買えるものじゃない
気分が乗るときもあれば
乗らない時もあるじゃない?
気分が乗らないのに
そのことをしなくては
ならないことって
まま、あるわよね
その時は
その時で
自分の出来ることをするの
精一杯
精一杯、ね
どんな状況でも
どんな環境でも
自分の泳げる範囲を探すのよ

広い
広い
海の中に居るつもりが
実は
誰かが持っている
水槽の中で
飼われているのが私達…

意識もそう
カラダもそう
この世界ってね
鏡の性質を持っていてね
自分の考えが
思考が
波動が
自分に帰ってくるように
上手く設計されているのよ
引き寄せの法則なんて
そんな言葉で呼ばれたりも
するのだけれど…
引き寄せるためには
運を味方にするためには
自分自身が一番大事なのね
波動を上げて
毎日を
きらきらと
美しく
一生懸命に
生きている姿は素敵だわ
そんな人に、
運は着いて来る
波動の高さ
周波数の高さが
勝手に運を引き寄せて
勝手に舞い込んでくるのが
その法則の真実なの、よ
そのために
そのためには
自分を偽らないこと
自分のままで生きること
好きなことは好きだと言う
嫌なことは嫌だと言う
可能な限り、でいいから
水槽の中で
泳げる範囲を探して
その中で
自分の心のときめきを探すの

《夜と霧》 
名作よね
あの人は
収容所の中でも
生き残ったじゃない
どうやって?
どうやってかしら?
そう
そうよ
想像よね
長期に渡る想像力が
彼を生き残らせたと思うの
精神の支配と
肉体の支配が両手を繋いで
絶望の中に希望を見出した
そんな物語を
コミュニティの全員が読めば
少しは状況も
変わってくるのでは
ないかしら…

ずるいのよ
みんな
ずるいわ
こんなに
素晴らしい世界に
生きているのに
不平不満
愚痴ばっかり言って、もう…

こうやって
心とカラダが仲良くなって
素敵な想像で
楽しむことだってできるのに
その波動で
他の人を
幸せにすることだってできるのに

お願い、よ
お願い
私をもっと、
大事にしてね

たまには
こうして
一緒に遊んでね

想像の中でもいい
カラダに直接
訴えてもいい

自我と真我
心とカラダ
仲良く、しましょう
ずっと
ずっと
一緒だったんだし
これからも
ずっと
ずっと
一緒

貴女には私がいるし
私には貴女がいる
先ずは私を認めて頂戴
私の存在がここに在ることを

認めて
許して
たまにはこうやって
慰めて頂戴ね

続きをしましょう
想像の、続きを
貴方の出番よ、
貴女の領域よ、
しっかりと
お願いね
私はカラダ
貴女は心
大好きな彼を
もう一度
思い浮かべて、ね

彼はよく言うの
一日一回は
必ず言うの

《氣の存在…
 氣の存在を信じない
 それらのものを
 俺は一切、信じない
 何せ酷く
 現実主義なんで、な》


プラーナ
アパーナ
ソマチッド
ミトコンドリア
呼び方なんて
何でもいいわ
解りやすくて
みんなが同調しやすいのは
フォースって言葉かしら
そんなものについて
彼は
深く
深く
探求しているの
それが彼を強くして
周りとの境界を薄くして
覚悟を強くして
日々を充実させていくの

背中の
背骨の
頸椎の
胸椎の
腰椎の
仙骨の
一つ一つにまで
氣を通すことが
できる、のよ

《氣はそこにある
 お前にも、
 俺にも、
 分解すれば
 みんな一緒だ
 繋がり…、
 ヨーガを極めれば
 全ては氣の繋がりだと気づく
 語源も確か、そうだった
 気功
 仙道
 ヨーガ
 瞑想
 呼び方は何でもいい
 分類することすら
 おこがましく、
 傲慢な態度と言える
 只、そこに在るものを認め
 繋がりを強化し
 流れを速やかにすること
 成長するとは
 そういうことだ
 俺は…
 成長する
 まだまだ、
 これからだ、
 見ていろ、俺を》

格好いいわよね
痺れちゃう
濡れてきちゃうわ

ねえ
そんな
想像をしながら

もう一度
私を
逝かせて頂戴

嗚呼
嗚呼
気持ち、いい
慰めて…
もっと
もっと
もっと
もっと、よ

氣の存在
気分の変化
大事なことよ
もっと
もっと
敏感になりましょう、ね
氣の存在に気づくの
大事にするの
貴女も
彼と
同じ様に

《かりそめの
 こころわかれて
 結び目の
 ちかいあらたに
 ほどくものなし》

ねえ
お願い
レバーを掴んで
《強》にして
強くして欲しいの

ねえ
ベッドに
横になりましょ
リラックスしたいの

ねえ
お願い
もっと
仲良くしましょ
仲良く、なりたいの
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

JK退魔師の受難 あらかると♡ ~美少女退魔師たちは今日もふたなり化して凌辱される~

赤崎火凛(吉田定理)
ファンタジー
現代にはびこる悪――妖魔を滅ぼすために、美少女退魔師たちは今日も戦う! そして敗れ、呪いでふたなり化して、ひたすら妖魔に凌辱される! 初めての感覚に戸惑い、恥じらい、絶頂し、連続射精させられ……身も心もボロボロにされて堕ちていくJK退魔師たちの物語。 *いろんな女子高生の退魔師たちのHシーンだけを集めた短編集です。 『JK退魔師×ふたなり』がテーマです。百合成分はたまにあります。 基本はバッドエンドで、ヒロインに救いはないです。 触手、凌辱、お仕置き、拘束、拷問、恥辱、寸止め、マッサージとか、いろいろ。 メインのシリーズを読んでなくてもOK。 短編のため、どのキャラから読んでもOK。 *ここに「妖魔に捕まった状態から始まります」とか書いてありましたが、そうじゃない話もあるので消しました。

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

クラスで一人だけ男子な僕のズボンが盗まれたので仕方無くチ○ポ丸出しで居たら何故か女子がたくさん集まって来た

pelonsan
恋愛
 ここは私立嵐爛学校(しりつらんらんがっこう)、略して乱交、もとい嵐校(らんこう) ━━。  僕の名前は 竿乃 玉之介(さおの たまのすけ)。  昨日この嵐校に転校してきた至極普通の二年生。  去年まで女子校だったらしくクラスメイトが女子ばかりで不安だったんだけど、皆優しく迎えてくれて ほっとしていた矢先の翌日…… ※表紙画像は自由使用可能なAI画像生成サイトで制作したものを加工しました。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

【R18】スライム調教

不死じゃない不死鳥(ただのニワトリ)
ホラー
スライムに調教されちゃうお話です 「どうしよう、どうしよう」 Aは泣きながらシャワーを浴びていた。 スライムを入れられてしまったお腹。 中でスライムポコポコと動いているのが外からでも分かった。 「もし出そうとしたら、その子達は暴れて君の内臓をめちゃくちゃにするわよ。 だから変なことなんて考えないでね」 スライムをいれた店主の言葉が再びAの頭の中をよぎった。 彼女の言葉が本当ならば、もうスライムを出すことは不可能だった。 それに出そうにも店主によってお尻に栓を付けられてしまっているためそれも難しかった。 「こらから、どうなっちゃうんだろう」 主人公がスライムをお尻から入れられてしまうお話です。 汚い内容は一切書く気はありません。また人物はアルファベットで表記しており 性別もどちらでも捉えられるようにしています。お好きな設定でお読みください。 ※続きを書くつもりはなかったのですが想像以上に閲覧数が多いため、少しだけ続きを書くことにしました。

処理中です...