《瞑想小説 狩人》

瞑想

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《才児》《クリップ責め》《蝋燭責め》

夕暮れ

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君を呼び出した
祈り女は

約束通り
ストーン・ヘンジと呼ばれる、
過去に演芸場として使われた
円形状の石に囲まれた場所で
君を待っていた

その劇場は今は
使われてはいない
そう
現在の状況で言えば
悲別ロマン座の状況に
近いとも言える

何とも悲劇的なその表現力

悲しい
別れ
ロマン


全てのワードが
強力な力を持っている

言葉の接続も見事で
俺は何度かそこに
足を運んだものだ

その言葉の背景に
触れてみたい

小柄な祈り女が
少しふらふらした足取りで
彼女に近づく

後に彼女は
達人座で座りすぎて
足が痺れていただけだ
と語っていた

「…ありがとう
 来て、くれて」

「…」

沈黙は金

彼女は先ず、
聞くことを優先する
流石、上品なオンナだ

「…ねえ
 朝、言ったこと
 …覚えているかしら?」

「…踊り、のこと?」

「そう、あなたの踊りのことよ
 あの、夜
 あの、瞬間は
 …
 とても、とても
 異様な雰囲気だったわ
 あなたが、現れた瞬間、から」

「ふん、いき…」

「…そう、雰囲気がね
 一瞬で変わったのよ
 緊張と、緩和とでもいうのかしら
 ピリついているような
 包まれているような」

「…ありがとう
 …で
 いいのかしら?」

「…それでね」

「…」

「…その夜
 …私のお気に入り
  その狩人は、言ったわ
 …あなたの舞いが、
  頭から離れないって
 …あなたの残像が、
  目に焼き付いているって」

「…」

「その言葉のあと
 私を抱いたのよ
 信じられる?
 他のオンナのことを思って
 抱かれるなんて、
 オンナとしてこんなに
 屈辱的なことって……
 ないじゃない」

「…ごめん
 な、さい…」

「いいのよ」

「…」

「私も一緒、
 私も一緒だったもの
 …
 あなたの舞いの美しさ
 あなたの指先と腰つきの妖しさ
 …
 まるで妖精のようだったわ
 精霊、
 龍、
 そして狼、
 そんな人よ
 あなたは」

「…もう少し
 …聞かせ、て
 …私、わからないのよ
 …自分の、ことが」

「…いいわ」

「…」

「…あなたは、違うのよ
 他の祈り女の誰とも
 発生が違うとでもいうのかな
 そもそもの
 生きる目的が違う
 …分かりずらいかな?
 …例えば、そうね
 祈り女はオトコに
 ……
 気に入ってもらうために
 ダイエットに励むじゃない?
 祈り女はオトコの目を
 自分に向けさせるために
 お尻を鍛えたりもするのよ」

「…??」

「…あなたは…
 そうじゃない
 …多分
 …多分、違う
 絶世のスタイルは
 節制の賜物、
 じゃない
 …
 機能的に生きてきた結果
 《結果としてそうなった》
 そんな、気がするの…」

「…き、のう…機能」

「そう」

「…」

「…機能美
 機能を追求することで
 得られる美しさがあるんだなあって
 私、思ったの
 …
 彼に抱かれる夜
 彼はいつも、あなたのことを考ているわ
 今もなお、ね
 少し薄くなってはきたけれど
 これは、永遠に続くんじゃないかって
 …
 そう思ったとき
 あなたに話を聞いてみたくなったのよ」

「…あ!」

「何?」

「もう…時間…
 いか、なくちゃ」

「明日も会える?
 また、同じ時間に?」

「…わから、ない」

「…私、待ってるわ!」

君よりは少しふっくらとした
その祈り女は
元気にさよならを告げた


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