《瞑想小説 狩人》

瞑想

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視姦

目覚めは唐突に

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窓から光を感じる
8本足の烏が鳴いている

扁桃体が快を示す

扁桃体は面白い
物事を瞬時に
「快」と「不快」に
大きく2分し
快に近づくよう、
不快から遠ざかるよう、
システムアップされている

君は昨夜の余韻が残るシーツの上
いつの間にか、
誰かの手で、
少し厚めのロングワンピースを
着させられていたのに気づく

…一体
…誰が
…そう、昨夜は…
…昨夜、私は…

残像が頭を周回し
ミトコンドリアが集会し
情報を整理しようとするが
寝起きの霧がたちこめており
うまく働かない

せめて、着替えを担当したのが
同性であればいいのに…
そんな思いが横切る

シーツが一部
破れていることが
何かを物語っている
部屋の湿度がいつもより高いことが
昨夜の記憶に結びつき始める

君は
ぼーーーつ
としていた

…、
……、
………、

…待って
 朝、朝
 朝だわ
 もう

朝は祈り女の大事な時間
朝礼と礼拝の儀はもう
始まっているに違いない

…急がなければ…

そう思い
周囲を見回すと
クローゼットの扉が
意図的にか
大きく開けられており
祈り女の装束がキレイに
そこに佇んでおり
主の着装を待っていた

着替えは急げ
もう、始まっているぞ
こんなとき
集中力は高まるものだ
《締切効果》
又は
《ギャップによる集中》
というヤツだ。

春の間を抜け
大広間へ向かう
大広間から夏の方角に向けて
運動神経の全てを稼働させながら
君は礼拝堂へ向かう

大きな扉はいつもどおりの佇まい
中には49人の祈り女がいる

君以外は到着していたわけだ
その祈りは様々な形で行われ

座るもの
立ったままのもの
祈りのポーズをするもの
様々だった

瞑想…
とまではいくまい
彼女らの脳内を支配するのは
「昨夜のテントでの情事の反芻」
「今夜の食事について」
「あとどのくらいで、終了の音が響くか」
そんなところだ

最前列には高位の祈り女が
2列目以降には序列がない

君は最後尾の右端に座り
とりあえず呼吸を整え
ゆっくりと吐き、
いつもどおり感謝の念を持った

…慌てず、焦らず、少しづつ、一寸ずつ
 動きがあっても、良いの
 身体はリラックス
 身体の感覚を、
 信じる…

君は
5回も呼吸するころには
カラバでいうところの
半歩を越え、
クラウンチャクラから眉間に向けて
流れるものを感じ始める

…やはり
 このオンナは
 危険だ

長老が見ていれば
そのように評したであろうか

集中すること
没頭すること
フロー
その体現

いつもと違うのは
昨日さんざ噛まれた胸の突起が
ジン、ジンと疼いている
こと

~~

しっかりと栄養を取っておけ
朝食は少量のナッツと
   野菜スープを
準備させておいた。

しっかりと回復させておけ
昨夜の消気したお前には
特別なジュースを
飲ませておいた。

今夜のためにな

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