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第194話 闇の精霊の焦燥
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ーーーーという理由で、私達は闇の精霊を探さないといけないのです」
マリの説明が終えると、座る魔族達から失笑が漏れた。
「ぷっ、おいおい……闇の精霊だとよ」 「料理は素晴らしい、荒野でも育てれる野菜や果物も完璧だ。 しかし……あの小娘は頭が弱い様だな」 「陛下なら正しい判断をしてくださるだろう。 精霊は確かに居る……だが、光と闇の精霊だけは居ない。 妖精等論外、それが常識である」 「エブラノ殿の言う通り、アヤツは信用できないのでは?」
上級魔族達はマリを嘲笑う。 それに見かねたメリー達が立ち上がり激怒した。
「あまりにも失礼です! 上級魔族と云えば、人間の国で言うところの貴族でしょう? 誇りある上級魔族なら、もっとすべき態度がある筈です! マリ様がどれだけ、我等の事で心を砕いて下さったか! 恥を知りなさい!!」
メリーの怒声が食堂に響き渡るが、上級魔族達は顔を顰める。
「はっ! そもそも、王女殿下も騙されているのでは? これだから女は……」
1人の上級魔族が呟いた発言で、メリーやファースト達から殺気が漏れ出す。
「隊長、自分の記憶だと昔の上級魔族ってもっと賢かったと思うんすっけど」
「そうね、フィフス。 私もそう記憶してたのだけれど……」
「メリーさん、皆、落ち着いて! 私は大丈夫だから、ね?」
マリが必死に止めるが、我慢しているヨハネとジャックもこめかみに青筋を立てながら拳を握り締めている。 ルル達も穏やかなではない様子だ。 既に食堂は一触即発の状態である。
「闇の精霊は……居るぞ」
しかし、魔王ダイの一言で殺気は霧散した。
「本当にですか? 何処に居るのかご存知ですか!?」
「……あぁ」
言葉を絞り出すように返答した魔王の言葉に上級魔族達が騒ぎ出す。
「陛下!?」 「一体何を!」 「馬鹿な!」
「皆さん、お静かに……陛下がお話しをされます」
大臣ヨーレンの一言で、上級魔族達は押し黙る。 そして、魔王ダイが立ち上がった。
「エルフの英雄ヨハネよ、闇の精霊から力を借りたらそのルミニスとやらには勝てるのか?」
「そうだね。 妖精ティナの言葉と精霊の力関係を考えたら、他に倒す術は思い付かないよ」
「なるほどな……。 真の平和を手にするには、そのルミニスを倒さねばならないだろうな」
ダイはメリーを見つめ、少しだけ微笑んだ。
「我はマリを信じる。 魔族が全ての種族に対する敵対行動を止め、手を取り合うことを宣言する!! そして、共通の敵足り得るルミニスとやらを打ち倒す! 良いな!」
「「「「仰せのままに、陛下!」」」」
魔王ダイの宣言にマリ達は大喜びで飛び跳ねた。
「やった! やったよメリーさん!!」
「やりましたね、マリ様! 兄上、流石のご判断です!!」
歓喜するマリ達に対し、魔王ダイの表情は暗い。
「見ているのだろう……闇の精霊よ。 話は聞いた筈だ。 力を貸してくれ」
ダイが天井に向かって叫ぶと、部屋の空気が一変する。
マリ達の目の前に穏やか光の玉が降りてきた。 ヨハネとルルは目を見開く。
『ねぇ、ダイ。 君さ……何を考えてるの? 命令を無視した挙げ句に、僕の存在を喋るなんて……まぁ、良いさ。 力を貸すように指示を受けているから、どのみち其処のエルフには協力するつもりだったからね。 でも、其処の人間の女を殺すのは絶対だ。 さぁ、殺せ! 早く! もう時間が無いんだ!!』
穏やかな光の玉、闇の精霊は激怒しダイに怒り狂う。 しかし、同時に焦っている様で今直ぐにマリを殺す様に怒鳴った。
「……え? 魔王陛下……どういう事ですか?」
マリは闇の精霊が放った発言に固まった。
「闇の精霊よ。 今、マリを殺すのは得策では無い筈だ。 亜人達や人間の国々が手を取り合ったのは、マリのおかげたろう。 ならば、今マリを殺せば最悪世界が滅ぶぞ」
唯一事情を知っているダイが闇の精霊に抗議し、その光景をヨーレン、マイ、上級魔族達は何が起きているのか分からずに動揺していた。
『どうでもいい! それは残された者達がすべき事だ。 早く殺せ! 早く早く早く、マリを殺せ! 僕が姿を見せた今、急速に進んでいる筈だ!』
「何がだ。 いつもいつも、何の説明もせずに……もう、我はうんざりだ!! 貴様に何百年、何千年と歴代の魔王達は仕えてきたが、此処までだ。 魔力障壁を消すなりなんなり、すれば良い。 我等はマリ達と平和を掴むのだ」
『愚かだ。 ダイ、君は本当に愚かな魔王だ。 其処のエルフ! 亜人達よ、今すぐに其処のマリを殺せ!! 世界を救う為に早く!』
魔王ダイが言う事を聞かないと判断するや、今度はヨハネ達にマリを殺す様に闇の精霊は訴え始めた。
「すまないが、闇の精霊殿よ。 ……断る」
「儂もじゃ。 何故、義妹の可愛いマリを殺さなければならん」
「当然だが、俺も断るぜ」
「当たり前だ。 俺達がマリを害する事等、あり得ない」
しかし、ヨハネ達亜人からも拒絶され闇の精霊はチカチカと点滅を始める。
『あーあ……遅かったか。 愚か者達が』
その場の全員が闇の精霊に注目し、ジャックやヨハネすら気付けなかった。
テーブルに頭を抱えて項垂れるマリの姿に。
「『……あはっ!』」
「おや? マリ、大丈夫かい?」
「マリ様、大丈夫です。 私達がお守りしますから」
ヨハネとジャックがようやくマリの異変に気付き、身体を支えた。
「『ありがとう……大丈夫。 凄く気分が良いから』」
メリーもマリの様子に気付き、駆け寄る。
「マリ様……? ……え?」
そして、マリの手が近付いたメリーの胸を貫いた。
「『あはっ! やっと殺せた。 あはっ! あはははははははははははは!!』」
顔を上げたマリの目からは黒い靄が涙のように溢れ、頬まで裂けた口で笑っていた。
「メリー!? メリーーーー!!」
妹が床に倒れるのを見たダイの悲鳴が食堂に木霊した。
終わりが、始まった。
マリの説明が終えると、座る魔族達から失笑が漏れた。
「ぷっ、おいおい……闇の精霊だとよ」 「料理は素晴らしい、荒野でも育てれる野菜や果物も完璧だ。 しかし……あの小娘は頭が弱い様だな」 「陛下なら正しい判断をしてくださるだろう。 精霊は確かに居る……だが、光と闇の精霊だけは居ない。 妖精等論外、それが常識である」 「エブラノ殿の言う通り、アヤツは信用できないのでは?」
上級魔族達はマリを嘲笑う。 それに見かねたメリー達が立ち上がり激怒した。
「あまりにも失礼です! 上級魔族と云えば、人間の国で言うところの貴族でしょう? 誇りある上級魔族なら、もっとすべき態度がある筈です! マリ様がどれだけ、我等の事で心を砕いて下さったか! 恥を知りなさい!!」
メリーの怒声が食堂に響き渡るが、上級魔族達は顔を顰める。
「はっ! そもそも、王女殿下も騙されているのでは? これだから女は……」
1人の上級魔族が呟いた発言で、メリーやファースト達から殺気が漏れ出す。
「隊長、自分の記憶だと昔の上級魔族ってもっと賢かったと思うんすっけど」
「そうね、フィフス。 私もそう記憶してたのだけれど……」
「メリーさん、皆、落ち着いて! 私は大丈夫だから、ね?」
マリが必死に止めるが、我慢しているヨハネとジャックもこめかみに青筋を立てながら拳を握り締めている。 ルル達も穏やかなではない様子だ。 既に食堂は一触即発の状態である。
「闇の精霊は……居るぞ」
しかし、魔王ダイの一言で殺気は霧散した。
「本当にですか? 何処に居るのかご存知ですか!?」
「……あぁ」
言葉を絞り出すように返答した魔王の言葉に上級魔族達が騒ぎ出す。
「陛下!?」 「一体何を!」 「馬鹿な!」
「皆さん、お静かに……陛下がお話しをされます」
大臣ヨーレンの一言で、上級魔族達は押し黙る。 そして、魔王ダイが立ち上がった。
「エルフの英雄ヨハネよ、闇の精霊から力を借りたらそのルミニスとやらには勝てるのか?」
「そうだね。 妖精ティナの言葉と精霊の力関係を考えたら、他に倒す術は思い付かないよ」
「なるほどな……。 真の平和を手にするには、そのルミニスを倒さねばならないだろうな」
ダイはメリーを見つめ、少しだけ微笑んだ。
「我はマリを信じる。 魔族が全ての種族に対する敵対行動を止め、手を取り合うことを宣言する!! そして、共通の敵足り得るルミニスとやらを打ち倒す! 良いな!」
「「「「仰せのままに、陛下!」」」」
魔王ダイの宣言にマリ達は大喜びで飛び跳ねた。
「やった! やったよメリーさん!!」
「やりましたね、マリ様! 兄上、流石のご判断です!!」
歓喜するマリ達に対し、魔王ダイの表情は暗い。
「見ているのだろう……闇の精霊よ。 話は聞いた筈だ。 力を貸してくれ」
ダイが天井に向かって叫ぶと、部屋の空気が一変する。
マリ達の目の前に穏やか光の玉が降りてきた。 ヨハネとルルは目を見開く。
『ねぇ、ダイ。 君さ……何を考えてるの? 命令を無視した挙げ句に、僕の存在を喋るなんて……まぁ、良いさ。 力を貸すように指示を受けているから、どのみち其処のエルフには協力するつもりだったからね。 でも、其処の人間の女を殺すのは絶対だ。 さぁ、殺せ! 早く! もう時間が無いんだ!!』
穏やかな光の玉、闇の精霊は激怒しダイに怒り狂う。 しかし、同時に焦っている様で今直ぐにマリを殺す様に怒鳴った。
「……え? 魔王陛下……どういう事ですか?」
マリは闇の精霊が放った発言に固まった。
「闇の精霊よ。 今、マリを殺すのは得策では無い筈だ。 亜人達や人間の国々が手を取り合ったのは、マリのおかげたろう。 ならば、今マリを殺せば最悪世界が滅ぶぞ」
唯一事情を知っているダイが闇の精霊に抗議し、その光景をヨーレン、マイ、上級魔族達は何が起きているのか分からずに動揺していた。
『どうでもいい! それは残された者達がすべき事だ。 早く殺せ! 早く早く早く、マリを殺せ! 僕が姿を見せた今、急速に進んでいる筈だ!』
「何がだ。 いつもいつも、何の説明もせずに……もう、我はうんざりだ!! 貴様に何百年、何千年と歴代の魔王達は仕えてきたが、此処までだ。 魔力障壁を消すなりなんなり、すれば良い。 我等はマリ達と平和を掴むのだ」
『愚かだ。 ダイ、君は本当に愚かな魔王だ。 其処のエルフ! 亜人達よ、今すぐに其処のマリを殺せ!! 世界を救う為に早く!』
魔王ダイが言う事を聞かないと判断するや、今度はヨハネ達にマリを殺す様に闇の精霊は訴え始めた。
「すまないが、闇の精霊殿よ。 ……断る」
「儂もじゃ。 何故、義妹の可愛いマリを殺さなければならん」
「当然だが、俺も断るぜ」
「当たり前だ。 俺達がマリを害する事等、あり得ない」
しかし、ヨハネ達亜人からも拒絶され闇の精霊はチカチカと点滅を始める。
『あーあ……遅かったか。 愚か者達が』
その場の全員が闇の精霊に注目し、ジャックやヨハネすら気付けなかった。
テーブルに頭を抱えて項垂れるマリの姿に。
「『……あはっ!』」
「おや? マリ、大丈夫かい?」
「マリ様、大丈夫です。 私達がお守りしますから」
ヨハネとジャックがようやくマリの異変に気付き、身体を支えた。
「『ありがとう……大丈夫。 凄く気分が良いから』」
メリーもマリの様子に気付き、駆け寄る。
「マリ様……? ……え?」
そして、マリの手が近付いたメリーの胸を貫いた。
「『あはっ! やっと殺せた。 あはっ! あはははははははははははは!!』」
顔を上げたマリの目からは黒い靄が涙のように溢れ、頬まで裂けた口で笑っていた。
「メリー!? メリーーーー!!」
妹が床に倒れるのを見たダイの悲鳴が食堂に木霊した。
終わりが、始まった。
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